マイルチャンピオンシップ【過去10年】血統トレンド|京都マイルは「SS系×底力マイラー」が主役

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マイルチャンピオンシップ【京都開催過去10年】血統トレンド|京都マイルは「SS系×底力マイラー」が主役

京都芝1600mで行われるマイルチャンピオンシップが、どんな血統・どんなタイプのマイラーに向いたレースなのか。
その「京都マイル適性」を、京都開催過去10回のデータからあらためて整理しておきたいところです。
ここでは過去10回の京都開催(2012〜2019年+2023〜2024年)
1〜3着馬の血統を一覧化し、父系トレンドと配合の“勝ちパターン”をざっくりつかみます。

結論から言うと、京都マイルCSは
「サンデーサイレンス系&キングマンボ系を軸に、欧州的な底力を足したマイラー」が中心。
瞬発力だけの軽いマイラーより、G1級の底力とロンスパ耐性を備えたタイプが強いレースです。

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1. 父系トレンド|勝ち馬は4系統でほぼ取り合い

まずは、勝ち馬10頭の内訳をざっくり父系グループ別に並べてみます。

父系グループ 代表的な馬 勝利数(1着) 3着内延べ頭数 特徴イメージ
サンデーサイレンス系 ミッキーアイル、トーセンラー、サダムパテック など 5勝 18頭 切れ+持続力。京都マイルの「王道血統」
キングマンボ系
(キングカメハメハ系)
ソウルラッシュ、ステルヴィオ など 2勝 4頭 先行〜差しでの高い持続ラップ耐性
ロベルト系 モーリス、ジャスティンカフェ 1勝 2頭 パワー+地力。時計の速い決着にも対応
欧州ノーザンダンサー系 ナミュール、ペルシアンナイト 2勝 4頭 瞬発力寄りの欧州芝血統。末脚質のマイラー
短距離スピード型 グランプリボス など 0勝 1頭 純スプリンター寄りはやや分が悪い印象

この表から、京都マイルCSの「中心」はあくまでSS系マイラー〜中距離型
そのうえで、キングマンボ系・ロベルト系・欧州芝ノーザンダンサー系
勝ち馬の座を分け合っている構図です。

2. 全体像|京都マイルCSは「SS系×持続力マイラー」が基本線

続いて、京都開催10回分(計30頭)の3着内全体について父系分布を見てみます。

  • サンデーサイレンス系18頭 / 30頭(うち5勝

    ディープインパクト、フジキセキ、ステイゴールド、ネオユニヴァース、ダイワメジャー、アグネスタキオンなど。
  • キングマンボ系(キングカメハメハ/ロードカナロア/ルーラーシップ)4頭 / 30頭・2勝
  • ロベルト系(スクリーンヒーロー・エピファネイア)2頭 / 30頭・1勝
  • 欧州ノーザンダンサー系(ハービンジャーなど)4頭 / 30頭・2勝
  • 純スプリント色の強い短距離血統(サクラバクシンオーなど)…1頭 / 30頭・勝ち馬ゼロ

数字だけ見るとサンデーサイレンス系が「量」と「質」の両面でド真ん中ですが、
勝ち馬に限るとキングマンボ系やロベルト系、ハービンジャー産駒もきっちりタイトルを取っています。

ポイントは「SS系×欧州orミスプロ系の底力」という配合バランス。
生粋のスプリンターではなく、マイル〜中距離G1クラスの地力を持つ馬が、京都マイルCSでは好走しやすくなっています。

3. 勝ちパターンの共通項|「G1級の地力+中距離寄りのスタミナ」

(1)SS系×欧州orミスプロ系の「バランス型」

トーセンラー、ダノンシャーク、インディチャンプ、ミッキーアイルなど、
京都開催の勝ち馬の多くはSS系の瞬発力に、欧州orミスプロ由来の底力がミックスされた配合です。

  • ディープインパクト×欧州スタミナ(Caerleon、Lycius など)やダート寄りスタミナ(Deputy Minister など)
  • ステイゴールド×キングカメハメハ(インディチャンプ)
  • フジキセキ×エリシオ(サダムパテック)

単なる「瞬発力勝負のマイル」ではなく、ある程度ラップが流れた中でのロンスパ勝負になりやすい京都外回り。
そのため、中距離G1でも好走できるくらいのスタミナ&地力を持ったSS系が強い傾向です。

(2)キングマンボ系マイラーの台頭(ルーラーシップ/ロードカナロア)

近年はソウルラッシュ(ルーラーシップ)ステルヴィオ(ロードカナロア)といった
キングマンボ系の先行〜差しマイラーがタイトルを取っています。

これらは母系にサンデーサイレンスや欧州的パワー血統を内包しており、
「ミスプロ系スピード×SS(or欧州)スタミナ」という意味で、京都外回り向きの配合バランスと言えます。

(3)ハービンジャー産駒の「京都マイル適性」

ペルシアンナイト(17年1着・18年2着・19年3着)
そして23年の勝ち馬ナミュールと、ハービンジャー産駒が3年連続で馬券内+1勝

ハービンジャーは父Dansili系の欧州芝スタミナ血統で、
京都マイルCSの「ロンスパ戦+直線の加速」にぴったりハマるタイプ。
SS系ではないが、末脚に長所がある欧州マイラータイプ」として要注意の系統です。

4. 京都マイルで狙いたい配合イメージ(ざっくりメモ)

  • 父サンデーサイレンス系+母父ミスプロor欧州スタミナ血統
    ─ ディープインパクト系、フジキセキ系などの「王道マイラー」。
  • キングカメハメハ系(ロードカナロア/ルーラーシップ)×SS系母父
    ─ ソウルラッシュ、ステルヴィオ型。先行力+ロンスパ耐性。
  • ロベルト系(モーリス・エピファネイア)×SS系or欧州スタミナ
    ─ 地力&パワー型で、時計・馬場を問わず対応できるタイプ。
  • ハービンジャーなど欧州芝マイラーの直系
    ─ ナミュール、ペルシアンナイト型。末脚勝負になりそうな年は特に注意。

逆に、純粋なスプリンター血統(サクラバクシンオー直系など)
3着内には来ているものの勝ち切れていない点は、予想の際に頭に入れておきたいところです。

5. 京都開催マイルチャンピオンシップ|過去10回の血統一覧(1〜3着)

※2020〜2022年は阪神芝1600mでの代替開催のため、本稿の集計から除外しています。
※父・母父・母母父は公式成績および血統データベースをもとに作成しています。

着順 馬名 母父 母母父 メモ
2024 1着 ソウルラッシュ ルーラーシップ マンハッタンカフェ Storm Cat 京都替わりで本領発揮。母系にストームキャットを持つマイラー。
2024 2着 エルトンバローズ ディープブリランテ ブライアンズタイム Seattle Song ディープ×ロベルト系。先行して渋太い持続脚。
2024 3着 ウインマーベル アイルハヴアナザー フジキセキ Nijinsky 米ミスプロ×SS×ニジンスキー。スプリンター寄りのマイラー。
2023 1着 ナミュール ハービンジャー ダイワメジャー フレンチデピュティ 欧州スタミナ×SSマイラー。直線勝負で真価。
2023 2着 ソウルラッシュ ルーラーシップ マンハッタンカフェ Storm Cat 24年の勝ち馬。連続好走で京都適性を証明。
2023 3着 ジャスティンカフェ エピファネイア ワークフォース サンデーサイレンス ロベルト系×ミスプロ系×SS。切れと持続力を兼備。
2019 1着 インディチャンプ ステイゴールド キングカメハメハ Meadowlake SS系×キングマンボ系。安田記念との両取り。
2019 2着 ダノンプレミアム ディープインパクト Intikhab デインヒル ディープ×欧州マイラー。中距離G1級の地力。
2019 3着 ペルシアンナイト ハービンジャー サンデーサイレンス Nureyev 3年連続で馬券内。京都マイル巧者。
2018 1着 ステルヴィオ ロードカナロア ファルブラヴ サンデーサイレンス キングマンボ系×欧州血統の差しマイラー。
2018 2着 ペルシアンナイト ハービンジャー サンデーサイレンス Nureyev 前年1着からの連続好走。
2018 3着 アルアイン ディープインパクト Essence of Dubai Great Above 皐月賞馬。中距離G1級がマイルで粘り込み。
2017 1着 ペルシアンナイト ハービンジャー サンデーサイレンス Nureyev 欧州スタミナ×SSで京都マイル制覇。
2017 2着 エアスピネル キングカメハメハ サンデーサイレンス ノーザンテースト 王道マイル血統。富士Sから直行で好走。
2017 3着 サングレーザー ディープインパクト Deputy Minister Lord Avie ディープ×ダート血統でパワー型マイラー。
2016 1着 ミッキーアイル ディープインパクト ロックオブジブラルタル Nureyev 快速先行ディープ。スプリントG1でも好走。
2016 2着 イスラボニータ フジキセキ Cozzene Crafty Prospector 皐月賞馬。マイル〜中距離で安定感抜群。
2016 3着 ネオリアリズム ネオユニヴァース Meadowlake In Reality 中距離寄りロベルト的パワーを内包。
2015 1着 モーリス スクリーンヒーロー カーネギー モガミ ロベルト系の怪物マイラー。安田記念との両取り。
2015 2着 フィエロ ディープインパクト デインヒル Be My Guest ディープ×欧州スピード。京都マイル好走常連。
2015 3着 イスラボニータ フジキセキ Cozzene Crafty Prospector 前年から連続好走。地力上位を証明。
2014 1着 ダノンシャーク ディープインパクト Caerleon Shirley Heights ディープ×欧州中距離の典型的マイル巧者。
2014 2着 フィエロ ディープインパクト デインヒル Be My Guest 京都マイルで安定好走。
2014 3着 グランデッツァ アグネスタキオン Marju Distant Relative SS系×欧州マイラー。中距離実績もあり。
2013 1着 トーセンラー ディープインパクト Lycius Sadler’s Wells 京都外回り巧者。長距離G1でも好走。
2013 2着 ダイワマッジョーレ ダイワメジャー Law Society ゲイメセン SS系マイラー×欧州スタミナ。
2013 3着 ダノンシャーク ディープインパクト Caerleon Shirley Heights 2014年の勝ち馬。京都マイルで繰り返し好走。
2012 1着 サダムパテック フジキセキ エリシオ Mr.Prospector SS系マイラー×欧州スタミナ。京王杯SC勝ちから戴冠。
2012 2着 グランプリボス サクラバクシンオー サンデーサイレンス Secretariat スプリンター色強いが、マイルでも高い地力。
2012 3着 ドナウブルー ディープインパクト Bertolini リファーズスペシャル 牝馬ながら安田記念・マイルCSで好走。

以上が、京都開催マイルチャンピオンシップの「血統トレンドの土台」です。
まずはこの血統傾向を頭に入れておくことで、今年のメンバーを見渡したときに
「どの馬が京都マイル向きの配合なのか」がグッと掴みやすくなります。
エリザベス女王杯の血統トレンド記事と同じように、京都コース×血統という視点を軸にしながら、
枠順・脚質・ローテーションを重ねていくと、最終予想までのストーリーも組み立てやすくなるはずです。

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