G1ホープフルステークス(中山 芝2000m)は「2歳でいきなり中山内回り2000m」。直線の瞬発力だけでなく、コーナー4回の機動力と坂で踏み直す底力が問われます。
この記事は過去10年(2015-2024)の傾向を「買い方に落とす」ための整理です。
先に結論:“上位人気の信頼度が高い一方、2〜3着に穴が混ざりやすい”のがホープフルSのクセ。
過去10年の結果一覧(2015-2024)
まず押さえる:2024年は「前走・東スポ杯勝ち」→本番も勝ち切り
- 1着クロワデュノール(1人気)…前走:東京スポーツ杯2歳S(GⅡ)1着
- 2着ジョバンニ(6人気)
- 3着ファウストラーゼン(17人気)
- 見た目は人気サイドでも、相手が崩れる年は一気に跳ねる(=「軸は堅く、ヒモで夢がある」)
| 年 | 勝ち馬(人気) | 2着(人気) | 3着(人気) | 勝ち馬の前走(メモ) | 血統ざっくり(中山2000で活きる要素) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | クロワデュノール(1) | ジョバンニ(6) | ファウストラーゼン(17) | 東京スポーツ杯2歳S(GⅡ)1着 | 「機動力+踏み直し」。完成度と持続力の両立 |
| 2023 | レガレイラ(1) | シンエンペラー(2) | サンライズジパング(13) | アイビーS →(直線勝負より“総合力”で押し切り) | SS系×欧州寄りの底力。牝馬でも勝ち切れる舞台 |
| 2022 | ドゥラエレーデ(14) | トップナイフ(7) | キングズレイン(6) | 東スポ杯2歳S →(負けても能力・適性で巻き返し) | ミスプロ×SSで「パワー+持続」 |
| 2021 | キラーアビリティ(2) | ジャスティンパレス(4) | ラーグルフ(8) | 萩S →(“中山向き”の器用さが直結) | 立ち回りで差がつく。中山適性が最大の武器 |
| 2020 | ダノンザキッド(1) | オーソクレース(3) | ヨーホーレイク(4) | 東スポ杯2歳S →(王道ステップ) | SS×欧州で「タフさ」も確保 |
| 2019 | コントレイル(1) | ヴェルトライゼンデ(3) | ワーケア(2) | 東スポ杯2歳S →(能力上位が素直に走る) | 瞬発+底力のバランス。勝ち切り性能が最重要 |
| 2018 | サートゥルナーリア(1) | アドマイヤジャスタ(2) | ニシノデイジー(3) | 萩S →(中山2000の“機動力”を先取り) | カナロア×シーザリオで「パワー持続」 |
| 2017 | タイムフライヤー(1) | ジャンダルム(4) | ステイフーリッシュ(8) | 京都2歳S →(総合力チェックとして強い) | ハーツ×ロベルトで「タフさ」寄り |
| 2016 | レイデオロ(1) | マイネルスフェーン(8) | グローブシアター(2) | 葉牡丹賞 →(同舞台・中山2000の下地) | キングカメハメハ系の「機動力+パワー」 |
| 2015 | ハートレー(3) | ロードクエスト(1) | バティスティーニ(2) | 新馬 →(素質の塊がいきなり通用する年も) | 完成度が前提。粗削りより「操縦性」優先 |
過去10年の結論:買い方に効く「3つの柱」
① 人気:軸は“1〜2人気”が強い
- 1人気:勝率60%/複勝率70%
- 2人気:複勝率77.8%(=相手まで含めて堅い)
- ただし、10人気以下の勝利は1回。基本は「上位人気の取捨」が最重要。
→ “本命サイドで軸、相手で荒れる”の典型。
② 枠:外枠はロスが出やすい(8枠は特に注意)
枠順別データ(過去10年/2015-2024)
結論だけ先に:買いやすいのは「4枠・6枠」/危険なのは「8枠」
- 6枠:複勝率30.0%で最多(ロスが少なく運びやすい)
- 4枠:連対率20.0%(勝ち切り・2着までが安定)
- 1枠・8枠は勝利0回。特に8枠は複勝率4.3%とかなり厳しい
- ※サンプルは「出走頭数」も併記。少頭数年もあるので“数字の重み”も一緒に確認。
| 枠 | 出走 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 13 | 0 | 2 | 1 | 10 | 0.0% | 15.4% | 23.1% |
| 2枠 | 15 | 2 | 0 | 2 | 11 | 13.3% | 13.3% | 26.7% |
| 3枠 | 16 | 2 | 1 | 1 | 12 | 12.5% | 18.8% | 25.0% |
| 4枠 | 20 | 2 | 2 | 1 | 15 | 10.0% | 20.0% | 25.0% |
| 5枠 | 18 | 1 | 1 | 1 | 15 | 5.6% | 11.1% | 16.7% |
| 6枠 | 20 | 2 | 2 | 2 | 14 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
| 7枠 | 23 | 1 | 1 | 2 | 19 | 4.3% | 8.7% | 17.4% |
| 8枠 | 23 | 0 | 1 | 0 | 22 | 0.0% | 4.3% | 4.3% |
※枠順別成績(過去10年/2015-2024)は競馬ラボの「条件別成績」を参照。数字は「1着-2着-3着-着外」ベース。
- 中山2000はコーナー4回。外枠は「位置を取りに行ってロス」or「下げて包まれる」の二択になりがち。
- 外枠の人気馬を買うなら、単系より“連系で厚く”など券種工夫が有効。
③ 所属:栗東が優勢(年末中山で完成度が出やすい)
- 遠征=不利とは限らないが、年末の中山は「輸送+多頭数+内回り」。完成度の差が出やすい。
- 美浦勢は“中山適性(器用さ)”が見えた馬を評価。
おまけ:攻略ポイントの“現実的な使い方”
- 重賞ステップだけでなく、OP〜特別(萩S、アイビーS、黄菊賞、葉牡丹賞など)も侮れない
- 外国人騎手は“上位人気に乗って勝ち切る”パターンが出やすい
- 「前走で大きく負けた馬」は、巻き返しに理由が要る
生産者の勢力図|ノーザン優勢だが「牧場だけで決め打ち」しない
勝ち馬ベースで見ると:ノーザン8勝/白老1勝/ノースヒルズ1勝
| 区分 | 勝利回数(過去10年) | 代表例(年) | 実戦での使い方 |
|---|---|---|---|
| ノーザンファーム | 8勝 | レガレイラ(2023)/クロワデュノール(2024)など | 上位人気×王道ローテなら「軸向き」。ただし“ノーザンだから無条件”は危険 |
| 社台コーポレーション白老(社台グループ) | 1勝 | タイムフライヤー(2017) | 非ノーザンでも「完成度+中山向き」で勝ち切り例あり |
| ノースヒルズ | 1勝 | コントレイル(2019) | “個体の力が抜けている”ケースは生産者を超える |
- ノーザンFは“舞台適性に合う完成度の高い素材”を継続供給できるのが強み。
- 一方で、朝日杯FSのように「社台ファーム連覇」という流れはホープフルSでは起きていません。牧場名だけで単純に取捨しないほうが的中に近いです。
- 結論:人気×ローテ×脚質(立ち回り)で土台を作り、牧場は加点材料として乗せる。
王道ステップ:勝ち馬の“入り口”はだいたい決まる
勝ち馬の前走(傾向)
- 東京スポーツ杯2歳S(GⅡ):コントレイル/ダノンザキッド/ドゥラエレーデ/クロワデュノール
- 萩S(OP):サートゥルナーリア/キラーアビリティ
- 京都2歳S(GⅢ):タイムフライヤー
- アイビーS(L):レガレイラ
- 葉牡丹賞(1勝クラス):レイデオロ
ポイントは「前走の格」より、中山2000に必要な“器用さ+持続”を見せているか。
ステップ図(イメージ)
重賞組 東スポ杯2歳S/京都2歳S → ホープフルS
OP/特別 萩S/アイビーS/黄菊賞/葉牡丹賞 → ホープフルS
直行 新馬・未勝利 →(例外はあるが基本は少数派)
血統で見る:中山2000は「軽さだけ」では足りない
血統の狙い方(シンプル版)
- SS系(ディープ系含む)でも、“軽い瞬発”だけのタイプは危険。ロベルト/欧州/ミスプロで下支えがあると安定しやすい。
- キングマンボ(ミスプロ)系は、中山の「加速し直し」「先行して踏ん張る」に噛み合う年がある。
- 最後は「直線だけの瞬発」ではなく、コーナーから長く脚を使えるかが差になる。
買い目テンプレ(再現性重視)
結論:本線は「上位人気を軸」→ 相手で跳ねる
- 軸:原則「1〜2人気」から(単勝より、馬連/3連複の軸向き)
- 相手の妙味:3〜6人気+(東スポ/京都2歳/萩/アイビー/黄菊/葉牡丹など)
- 穴の扱い:人気薄は「前走で負けた理由が説明できる馬」だけ拾う
- 枠:外枠は割引。買うなら“強い根拠”+券種工夫
- 生産者:ノーザンFは加点。ただし“ノーザンだから買い/非ノーザンだから消し”はやりすぎ
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