【回顧】阪神ジュベナイルフィリーズ2025|スターアニスは“中団から”差し切り、ギャラボーグの内割り、アランカール5着の敗因

GIレース

【回顧】阪神ジュベナイルフィリーズ2025|スターアニスは“中団から”差し切り、ギャラボーグの内割り、アランカール5着の敗因

公開日:2025年12月14日(日)
レース:阪神11R 阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)
コース:阪神 芝1600m(外)/2歳牝馬・18頭/馬場:良

予想は外れました(反省)。ただ、外れ方には「理由」があります。
今回の阪神JFは、前半3Fが速く流れて差しが台頭。
その中でスターアニスは“道中から大外ぶん回し”ではなく、中団で我慢して直線で進路を取って差し切り
2着ギャラボーグは内で脚を溜め、直線で狭いところを抜けてくる競馬がハマりました。
本命アランカールは、3角最後方→4角押し上げのコストが響き5着。ここを丁寧に分解します。

結論(ひと言)
「差し有利」の読み自体は合っていたが、◎アランカールが“内で溜めて割る”盤面に入れず、押し上げ→外出しになった時点で勝ち筋が細くなった。

スポンサーリンク

レース結果(上位6)

馬名 人気 通過(3角-4角) 上がり タイム 馬体重
1 スターアニス 2人気 8-7 34.5 1:32.6 478kg
2 ギャラボーグ 4人気 12-13 34.3 1:32.8 500kg
3 タイセイボーグ 6人気 6-6 35.0 1:32.9 486kg(+16)
4 スウィートハピネス 9人気 11-9 34.5 1:32.9 440kg
5 アランカール 1人気 18-9 34.7 1:33.1 438kg
6 アルバンヌ 3人気 14-15 34.6 1:33.3 464kg(-16)

馬体重メモ
上位3頭(478 / 500 / 486)はいずれも460kg以上。軽量馬が勝ち切るには“上振れ要素(進路・立ち回り)”がより必要、という読みを裏づける一戦にも見えました。

ラップと展開|前半3F33.7、まず「差し前提」のレース

通過タイム

  • 200m:12.4
  • 400m:10.5(=22.9)
  • 600m:10.8(=33.7)
  • 800m:11.6(=45.3)
  • 1000m:12.0(=57.3)
  • 1200m:12.0(=1:09.3)
  • 1400m:11.4(=1:20.7)
  • 1600m:11.9(=1:32.6)

展開の骨格

前半3F33.7で、2歳牝馬G1としてはしっかり流れた部類。
先行勢が“脚を残す”よりも、差し勢が「脚を温存できる隊列」になりやすい流れでした。
だからこそ、勝負どころは「どこで脚を使うか」。押し上げるのか、内で我慢するのか――ここで着順が割れた印象です。

勝ち馬スターアニス|“中団で我慢→直線で進路確保”の完成度

スターアニス(1着)
血統:父ドレフォン × 母エピセアローム(母父ダイワメジャー)
ポイント:道中は中団で折り合い、直線でスムーズに加速

“外から一気”の見た目に寄りがちですが、通過(8-7)が示す通り、道中から極端に外を回していたわけではなく、中団で我慢して直線で進路を取ったのが強い。
流れが速いほど、マイル戦は「脚の使いどころ」が問われます。スターアニスは溜めて→反応して→伸び切るまでがスムーズで、勝ち切るに足る完成度でした。

2着ギャラボーグ|“内で溜める”を貫いて、狭いところを抜けた

ギャラボーグ(2着)
血統:父ロードカナロア × 母レキシールー(母父Sligo Bay=Sadler’s Wells系)
ポイント:内で脚を溜めて、直線は狭いところをこじ開ける

直線での「狭いところを抜けてくる」競馬は、いつでも出来る芸当ではありません。
重要なのは、直線の技術以前に「割れる位置に居るか」。ギャラボーグは後方(12-13)でも、内で脚を溜めて馬群の中で我慢できた。
結果として上がり最速(34.3)。ハイペースで前が苦しくなるほど、この“内で溜める差し”は再現性が上がります。

3着タイセイボーグ|前目(6-6)で踏ん張った価値が高い

タイセイボーグ(3着)
血統:父インディチャンプ × 母ヴィヤダーナ(母父Azamour)
ポイント:前目で流れに巻き込まれながら、最後まで止まらない

この流れで(6-6)の位置にいながら3着に残したのは価値が高い内容。
“差しが決まるレース”の中で、前目勢が踏ん張るには持続力とリズムの強さが必要です。
馬体重も486(+16)で、成長分がそのまま走りに出た印象。来年のマイル路線でも目が離せません。

本命アランカール(5着)|「やりたい競馬」と「実際の盤面」がズレた

アランカールの通過
18-9(3角最後方→4角で中団へ押し上げ)
押し上げに脚を使った分、直線の“もう一段”が出にくい形

今回いちばん悔しいのはここです。こちらが想定していた勝ち筋は、ギャラボーグのような「内で溜めて割る」に近い形。
ただ実際は、3角で最後方。そこから4角で押し上げたことで、直線はどうしても外へ出して加速する選択になりやすい。
そして“押し上げた直後の外出し”は、見た目以上に脚の在庫を消耗します。

敗因を2つに絞るなら
隊列の問題:内で溜めて割る盤面に入れず、押し上げが必要になった
直線の質:押し上げのコストで“最後のひと伸び”が勝ち馬に届かなかった

とはいえ、5着でも内容は悲観しすぎなくていい。大箱の多頭数G1で、位置取りと進路の難しさを“経験”できたのは大きい。
次走、道中で中団の内に収まれる形(=割る権利がある盤面)なら、巻き返しは十分可能です。

答え合わせ(予想の反省点)|「差し有利」までは合っていた

良かった点

  • 前が多く流れる=差しが台頭、という前提はほぼ正解
  • 馬体重の観点(大型が勝ち切りやすい)は、上位3頭の体重が示唆

修正点

  • 本命の勝ち筋を「内で溜めて割る」に置くなら、3角の位置取りの再現性をもっと重視
  • 多頭数2歳G1は、能力差より隊列と進路の比重が上がる(本命ほど“盤面”チェック必須)

次に同じ失敗をしないためのメモ(簡易ルール)

  1. 「割る差し」狙いの本命は、3角で“最後方まで下がる癖”がないかを最優先で確認
  2. 外枠差しは「押し上げが必要か/溜められるか」で買い方を変える(ワイド中心か、3連系のヒモで拾うか)
  3. 2歳G1は、能力評価に加えて隊列に入れる操縦性を同格に扱う

※結果・ラップは主催者発表と照合のうえ最終確認してください。
※馬券は無理のない範囲で。

この記事が参考になったら
応援クリックお願いします!

コメント