【最終追い切り診断】阪神ジュベナイルフィリーズ2025|賞金上位11頭の状態チェック
レース名:阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)
日程:2025年12月14日(日)阪神11R 15:40発走予定
コース:阪神・芝1600m(外回り)
想定頭数:18頭(うち賞金上位11頭は出走確実レベル)
阪神ジュベナイルフィリーズ2025の
賞金上位=出走確実組11頭について、最新の最終追い切り時計と関係者コメントをベースに、
調教内容+血統背景から状態をチェックしました。
今年は重賞勝ち馬ゼロで「完成度+追い切り内容」勝負の一戦。
例年以上に調教の中身が予想のキモになりそうです。
※本稿の調教時計はJRA発表のタイムおよび各種調教記事をもとにまとめたものです。
評価(S・A・Bなど)は、あくまで筆者(管理人)の主観的なジャッジです。
- 1. 全体傾向|「栗東滞在組VS美浦遠征組」&脚質バランス
- 2. 各馬別 最終追い切りレビュー(賞金上位順)
- アランカール|CW81.6-11.8、良血らしい伸びやかなフォーム(評価:A)
- アルバンヌ|栗東滞在でCW7F97.0、ストライド大きくS寄り評価(評価:S)
- アンヘリータス|CW→坂路でメリハリ、まだ伸びしろ残す仕上げ(評価:B+)
- ショウナンカリス|美浦坂路51.8、前走の切れ味を裏付ける動き(評価:A)
- スターアニス|坂路53.5-12.1、距離延長でも余力十分(評価:A-)
- タイセイボーグ|坂路56.5-12.0、アルテミスS最速上がりからさらに前進(評価:A)
- ミツカネベネラ|1週前W82.5、最終週は輸送前の軽め調整(評価:B+)
- ヒズマスターピース|美浦W84.0-12.1、国枝厩舎らしいキッチリ仕上げ(評価:A)
- マーゴットラヴミー|中1週でも坂路57.3、テンション管理しつつ活気十分(評価:A)
- ラスティングスノー|美浦W83.3-12.0、単騎逃げなら一気に怖い一頭(評価:A-)
- ローズカリス|坂路55.3-12.5、気合乗り良く“雰囲気の良さ”が目立つ(評価:B+)
- 3. まとめ|追い切り的「三強候補」として挙げたい馬
1. 全体傾向|「栗東滞在組VS美浦遠征組」&脚質バランス
賞金上位11頭をざっくり分けると、
栗東滞在組(アランカール・アルバンヌ・スターアニス・マーゴットラヴミー・ローズカリス・アンヘリータスなど)と、
美浦からの遠征組(ショウナンカリス・タイセイボーグ・ミツカネベネラ・ヒズマスターピース・ラスティングスノー)に二分されます。
今週の最終追い切りは、栗東勢がCWコースか坂路でしっかりと負荷+仕上げ、関東馬は美浦ウッド・坂路で輸送を意識した調整という構図でした。
脚質面では、逃げ・先行タイプ(マーゴットラヴミー、ラスティングスノー、ヒズマスターピースなど)と、
差し・追い込み型(アランカール、ショウナンカリス、スターアニス、タイセイボーグ、ミツカネベネラ)がバランスよく混在。
例年通り差し有利の阪神外回りですが、今年は前に行きたい馬も多く、
ペース次第で「前残り」も「差し決着」もあり得るメンバー構成です。
ここからは、賞金上位のおおよその順序に沿って、1頭ずつ最終追い切りレビューを見ていきます。
2. 各馬別 最終追い切りレビュー(賞金上位順)
アランカール|CW81.6-11.8、良血らしい伸びやかなフォーム(評価:A)
父:エピファネイア/母:シンハライト(オークス馬)
戦績:2戦2勝(新馬▶野路菊S)/所属:栗東・斉藤崇史厩舎
最終追い切りは栗東CW(良)で6F81.6-66.0-51.4-36.9-11.8(馬なり)。
併せた古馬を内から追走してクビ差遅れましたが、これは外の相手をしっかり追わせた形で、
手応え的にはこちらが余裕ある動きでした。
1週前にもCWでしっかり負荷をかけており、今週は反応とフットワークの確認という印象。
大きなストライドで加速していく様子は、まさに母シンハライト譲りのバランスの良さで、
阪神外回り1600mへの適性も十分。
折り合いとゲートが課題ですが、仕上がりという意味ではA評価を与えられる内容です。
アルバンヌ|栗東滞在でCW7F97.0、ストライド大きくS寄り評価(評価:S)
父:アドマイヤマーズ/母:プティフォリー
戦績:3戦2勝(サフラン賞)/所属:美浦・田中博康厩舎(栗東滞在)
関東馬ながら栗東滞在で調整し、最終追い切りは栗東CWで7F97.0-65.6-51.5-37.0-11.6。
終い重点とはいえ、長めからしっかり攻めてラスト1Fまで減速せずにまとめており、
持久力+瞬発力の両方を感じさせる内容でした。
1週前の美浦ウッドでも好時計を出しており、遠征→滞在の過程でむしろ気配が上向き。
直線でストライドがグンと伸びるフォームは、阪神外回りでこそ威力を発揮するタイプで、
調教だけを見れば「1頭だけ一段階上」と評していい出来。
総合的に見て、この馬だけS評価としました。
アンヘリータス|CW→坂路でメリハリ、まだ伸びしろ残す仕上げ(評価:B+)
戦績:3戦2勝/所属:栗東・吉村圭司厩舎
1週前に栗東CWで6F83.1(馬なり)と長めから負荷をかけ、今週は坂路で53.9-39.5-25.9-13.2。
末を少し強めに追われており、中身は先週、今週は微調整+反応確認という典型的なGⅠ前のパターンです。
まだ完成しきったというより、良くなりつつある途上という印象で、
大きく崩れるイメージはない一方、他の有力どころと比べるとインパクトはやや控えめ。
伸びしろ込みでB+評価とし、馬場傾向や展開次第での穴候補と見ます。
ショウナンカリス|美浦坂路51.8、前走の切れ味を裏付ける動き(評価:A)
父:リアルスティール/母:ロシアンサモワール
戦績:5戦1勝(ファンタジーS2着)/所属:美浦・加藤士津八厩舎
1週前に美浦ウッド5F64.7-49.6-35.5-11.5(一杯)としっかり追われ、
最終追い切りは美浦坂路で51.8-37.9-25.4-12.5(強め)。
併せ馬を追走して終いでしっかりと先着し、時計・内容ともに文句なしです。
前走ファンタジーSで見せた速い上がりと立ち回りの上手さに加え、
今回は坂路での動きからパワー面の上積みも感じられます。
折り合いさえつけば、阪神外1600mでも末脚勝負に対応できる仕上がりと見てA評価。
スターアニス|坂路53.5-12.1、距離延長でも余力十分(評価:A-)
父:ドレフォン/母:アルーリングライフ
戦績:3戦1勝(中京2歳S2着)/所属:栗東・高野友和厩舎
1週前に坂路54.4-39.6-25.2-12.0を馬なりでこなし、
最終追い切りは坂路53.5-38.9-25.3-12.1(馬なり)。
ラストまでしっかり脚色が衰えず、時計以上にリズムとフォームが良いタイプの動きです。
これまで短いところ中心のローテですが、
追い切りの内容からはマイルでも十分こなせる余裕を感じさせます。
距離延長分の不安を考慮してA-評価ですが、
動きそのものは上位と遜色なく、ハマれば一発もある存在です。
タイセイボーグ|坂路56.5-12.0、アルテミスS最速上がりからさらに前進(評価:A)
戦績:3戦1勝(アルテミスS3着・上がり最速)/所属:栗東・松下武士厩舎
1週前は栗東CWで7F93.9-63.8-50.1-36.7-11.3(一杯)とビッシリ追われ、
今週は坂路で56.5-40.2-25.1-12.0(馬なり)。
先週にしっかり負荷をかけていることもあり、最終追いは調整程度ながら脚取りはしっかりしています。
アルテミスSで見せた差し脚の鋭さに加え、
調教師も「使われつつ良くなっている」とコメント。
阪神外回りへの替わりもプラス材料と見て、A評価としました。
ミツカネベネラ|1週前W82.5、最終週は輸送前の軽め調整(評価:B+)
戦績:3戦1勝(アルテミスS2着)/所属:美浦・鈴木伸尋厩舎
1週前に美浦ウッドで6F82.5-67.2-52.3-38.3-11.7(馬なり)としっかり負荷をかけ、
今週は坂路でキャンター中心のごく軽め調整。時計は出しておらず、
「先週の段階で仕上がっているので、テンションを上げないことを優先」という陣営の方針です。
もともと気性面にテンションの高さがあるタイプで、
阪神までの長距離輸送を見据えた“我慢の調整”と言えます。
調教映えという意味では派手さはありませんが、
アルテミスS2着の実績+長く脚を使えるタイプで、馬場や展開ひとつで怖い存在。
最終追い切り単体ではB+評価ですが、
トータルの仕上がりは十分レベルにあると見ています。
ヒズマスターピース|美浦W84.0-12.1、国枝厩舎らしいキッチリ仕上げ(評価:A)
父:スクリーンヒーロー/戦績:3戦2勝(赤松賞)
所属:美浦・国枝栄厩舎
最終追い切りは美浦ウッドで6F84.0-67.4-52.1-37.6-12.1(馬なり)。
3頭併せの先導役としてスムーズに折り合い、終始リズムよく走り切りました。
ここまで在厩で中2週のローテですが、馬体はむしろシャープになってきた印象。
逃げても控えても競馬ができるタイプで、先行力+しぶとさを調教でもしっかり再確認できました。
国枝厩舎らしい“GⅠ仕様”の仕上げと見て、A評価です。
マーゴットラヴミー|中1週でも坂路57.3、テンション管理しつつ活気十分(評価:A)
戦績:2戦2勝(新馬&白菊賞)/所属:栗東・小林真也厩舎
鞍上予定:武豊騎手
白菊賞から中1週でのGⅠ挑戦となり、
最終追い切りは栗東坂路で57.3-40.5-26.0-13.0(馬なり)とかなり軽め。
それでも抑えつつも前向きさを感じさせる走りで、活気は十分です。
すでに前走の段階で仕上がりは高いレベルにあり、
今週はテンションを上げすぎないことを最優先したメニュー。
「中1週」自体はリスクですが、調教を見る限り、状態はむしろ前走以上とすら言えます。
ペース次第でそのまま押し切ってしまうシーンも十分想像できるA評価です。
ラスティングスノー|美浦W83.3-12.0、単騎逃げなら一気に怖い一頭(評価:A-)
父:モズアスコット/戦績:3戦2勝(りんどう賞)
所属:美浦・池上昌和厩舎
1週前に美浦ウッド6F85.3-12.2(馬なり)で折り合い重視の内容を消化し、
最終追い切りは美浦ウッドで6F83.3-66.7-52.0-38.2-12.0(馬なり)。
併せ馬を内から楽に先着し、前向きさと操縦性の両方を感じさせる走りでした。
りんどう賞同様にハナを切る形になれば、阪神外回りでもそう簡単には止まらない粘り強さを持っています。
先行勢がかみ合わずペースが速くなりすぎると苦しくなりますが、
マイル延長も調教の動きからはこなせそう。
条件付きで怖い存在としてA-評価としました。
ローズカリス|坂路55.3-12.5、気合乗り良く“雰囲気の良さ”が目立つ(評価:B+)
戦績:2歳戦で安定して好走する中距離寄りの牝馬/所属:栗東
最終追い切りは栗東坂路で55.3-40.0-25.7-12.5(馬なり)。
時計そのものは平凡ですが、前向きさとフォームのまとまりが印象的で、
専門紙のフォトパドックでも「気配の良さ」が高く評価されているタイプです。
まだ全体的に伸びしろを感じさせる余地を残しており、
ここでいきなりGⅠを勝ち切るかどうかは微妙なところですが、
馬の雰囲気自体は決して悪くありません。
現時点ではB+評価(穴で少し押さえておきたいタイプ)としておきます。
3. まとめ|追い切り的「三強候補」として挙げたい馬
賞金上位11頭の最終追い切りを一通りチェックした段階で、
調教から特に強く推せるのは以下の3頭です。
- アルバンヌ(評価S)…栗東CWで7Fからしっかり攻めてラスト11秒台。滞在効果も感じられ、「調教だけなら一枚上」の出来。
- アランカール(評価A)…CW81.6-11.8を馬なりでまとめ、良血らしい伸びやかなフォーム。能力通りに走れる態勢。
- ショウナンカリス(評価A)…美浦坂路51秒台の好時計で併せ先着。前走ファンタジーSの内容を裏付ける気配の良さ。
そこにタイセイボーグ・ヒズマスターピース・マーゴットラヴミー・ラスティングスノーが続き、
ミツカネベネラは「1週前Wコースで仕上げ→今週は輸送前の軽め」という調整パターンがハマれば、
アルテミスS以上のパフォーマンスも期待できる存在です。
今年の阪神JFは、重賞実績よりも「完成度+追い切り内容+コース適性」が問われる一戦。
オッズだけでなく、各馬の調教内容の“熱量の差”にも注目して馬券戦略を組み立てたいところです。
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