【朝日杯フューチュリティステークス】過去10年データ分析(2015-2024)|社台復調と「非重賞組」攻略のコツ
2歳マイル王決定戦・朝日杯FS。近年は「重賞実績がない=消し」が通用しにくくなり、“完成度と鮮度”で一気に頂点まで駆け上がるパターンも目立ちます。
ここでは2015〜2024年の直近10回(阪神・京都開催を含む)を、枠順・人気・ローテ・生産者中心に整理。2025年の馬券に直結する“買い筋テンプレ”まで落とし込みます。
※対象期間:2015年〜2024年(直近10回)
- 枠順:勝ち馬10頭中6頭が1〜4枠。まずは内〜中枠を優先したい。
- ローテ:王道のサウジRC(3勝)・デイリー杯2歳S(2勝)は強力。ただし新馬/未勝利/1勝クラスからの勝ち切りも同じく5勝で、“格”だけでは決まらない。
- 生産者:直近3回は非ノーザン系が3連勝。さらに直近2回は社台ファームが連覇しており、勢力図は固定ではない。
- 人気:勝ち馬は7番人気以内に集中。とはいえ6〜7番人気の勝利も2回あり、「ちょい穴」の台頭余地は十分。
- 2025年の実戦メモ:今年はマイル重賞で結果を出してきた組が強力。まずは“格と内容”を素直に尊重したい。加えて1400重賞勝ちでも血統的にマイルが守備範囲のタイプは、延長で評価を上げる選択肢。
「今年は重賞出走組が強力なので素直に重賞組から買いたい」――この方針は、過去10年の傾向(重賞組も直行組も勝ち切り数は同じ)を踏まえた上で、
“今年のメンバー構成が重賞組優勢なら、例年より重賞寄りに寄せる”という、かなり実戦的な調整です。
とくに「マイル重賞で結果を出してる組」は、能力比較がしやすく軸ブレを抑えやすい。さらにダイヤモンドノットのように、1400で勝っていても血統背景がマイルを後押しするタイプは、相手・ヒモで“押さえる理由”が立ちます。
(メモ欄)2025年:買い方の整理(重賞寄りver)
- 基本の軸:マイル重賞で勝ち負けした組(サウジRC/デイリー杯2歳S/新潟2歳Sなど)。
- 次点の評価:マイル重賞で掲示板・内容良(展開不利や位置取りで負けた馬は上げる)。
- 延長の押さえ:1400重賞勝ち+血統的に1600が守備範囲(=ダイヤモンドノット枠)。
- 最後の穴:直行組は“格”より勝ち方(手応え・余力・ラストの質)で取捨。人気が割れる年ほど旨味が出る。
1. 過去10年の勝ち馬一覧(2015-2024)
| 年 | 勝ち馬 | 枠 | 人気 | 前走(着順) | 生産者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | アドマイヤズーム | 2 | 5 | 未勝利(1) | 社台F |
| 2023 | ジャンタルマンタル | 3 | 1 | デイリー2S(1) | 社台F |
| 2022 | ドルチェモア | 2 | 1 | サウジRC(1) | 下河辺牧場 |
| 2021 | ドウデュース | 5 | 3 | アイビーS(1) | ノーザンF |
| 2020 | グレナディアガーズ | 2 | 7 | 未勝利(1) | ノーザンF |
| 2019 | サリオス | 6 | 1 | サウジRC(1) | ノーザンF |
| 2018 | アドマイヤマーズ | 3 | 2 | デイリー2S(1) | ノーザンF |
| 2017 | ダノンプレミアム | 1 | 1 | サウジRC(1) | ケイアイF |
| 2016 | サトノアレス | 8 | 6 | ベゴニア賞(1) | ノーザンF |
| 2015 | リオンディーズ | 8 | 2 | 新馬(1) | ノーザンF |
※表は横にスクロールできます
生産者の勢力図:直近は「社台ファーム連覇」+「非ノーザン系の伸長」
直近3回(2022〜2024)は非ノーザン系が3連勝。さらに2023・2024は社台ファームが連覇しており、「ノーザン一強」と決め打ちしにくい状況です。
もちろんノーザンファームも勝ち馬を多数出している舞台ですが、近年は生産者だけで単純に取捨しないほうが的中に近づきます。
2. ローテーション:王道は強い。だが「非重賞直行」も同等に勝っている
勝ち馬10頭のうち、前走が新馬/未勝利/1勝クラス(特別含む)だった馬が5勝。重賞ステップ(5勝)と勝ち切り数は同じです。
- 2015年 リオンディーズ(新馬→直行)
- 2016年 サトノアレス(ベゴニア賞=1勝クラス相当→直行)
- 2020年 グレナディアガーズ(未勝利→直行)
- 2021年 ドウデュース(アイビーS→直行)
- 2024年 アドマイヤズーム(未勝利→直行)
ポイントは、“前走の格”よりも「勝ち方(内容)」。
直行組は総じて底を見せていないことが多く、人気が過度に落ちる年ほど“配当妙味の中心”になりやすいタイプです。
一方で王道のサウジRC(3勝)・デイリー杯2歳S(2勝)は今も強力。
逆に「勝ち馬の前走」としては、1400m色の強いステップが目立たない(=この10年の勝ち馬には登場しない)点も押さえておきたいところです。
※ただし今年のように“1400重賞勝ちでも血統的にマイルが守備範囲”の馬がいる場合は、距離延長での上積みを加点してOK。
3. 枠順・人気:内〜中枠優勢、勝ち馬は「7番人気以内」に集中
枠順:勝ち馬10頭中6頭が1〜4枠
勝ち馬の分布を見ると、1〜4枠で6勝。まずは距離ロスを抑えやすい内〜中枠を優先して評価したいレースです。
もちろん外枠から勝った年もありますが、軸馬選びでは「内〜中枠に入った人気〜中穴」を中心に組み立てるのがセオリーになります。
人気:1番人気は4勝。だが「6〜7番人気」の勝利もある
- 1番人気:この10年で4勝。軸として機能しやすい。
- 勝ち馬の上限:勝ち馬は7番人気以内に収まっている。
- 波乱サイン:それでも6番人気(2016)・7番人気(2020)の勝利があり、人気が割れる年は「ちょい穴」が勝ち切る余地がある。
4. 血統の見立て:いま求められるのは「2歳で完成するスピード」と持続力
朝日杯FSで重要なのは、単なる瞬発力よりも“2歳の時点でマイルを走り切れるスピードの完成度”。
近年の勝ち馬の父系を見ても、マイル適性の高いスピード型〜パワー型まで多彩で、ひとつの系統に偏りません。
そのぶん「血統だけで決め打ち」ではなく、前走内容(ペース耐性・手応え・ラストの持続)とセットで評価するのが近道です。
- 評価しやすい“血統のサイン”
- 父または母系にマイル向きスピードが明確(早い時期から動ける)
- 前走がマイルで余力のある勝ち方(着差よりも手応えとラストの質)
- 1400mで“忙しい競馬”になっていない(延長で我慢が利く形)
- ダイワメジャーの血
この舞台は「完成度の高いマイラー血統」と相性が良い傾向。父・母父など、どこかにダイワメジャーのスピードが入る配合はプラス材料になりやすい。 - (今年の注目ポイント)“1400重賞勝ち×マイル血統”
距離実績だけで「1400専」と決めつけず、血統がマイルを支えるなら延長で上げる。ダイヤモンドノットはまさにこの発想で拾える枠です。
5. まとめ:2025年朝日杯FSの「買い筋」テンプレート
- 軸の基本:まずは1〜5枠。勝ち馬の分布(1〜4枠6勝)を素直に尊重。
- ローテの結論:重賞ステップだけでなく、新馬/未勝利/1勝クラスからの直行も“勝ち切り例あり”。取捨の鍵は「格」ではなく「内容」。
- 2025年の微調整(重賞寄り):今年はマイル重賞で結果を出してきた組が強力なら、軸をそこに寄せてOK。さらにダイヤモンドノットのように距離短縮・延長を血統が支えるタイプは、距離実績だけで落とさない。
- 生産者チェック:直近は社台ファーム連覇+非ノーザン系の台頭。生産者は“加点要素”として扱い、決め打ちしすぎない。
- 穴の狙い方:人気が割れる年ほど、直行の中穴(5〜7番人気あたり)が面白い。前走が未勝利でも勝ち方が強い馬は警戒。
※本記事は、2015〜2024年の朝日杯FS(直近10回)の結果データをもとに整理しています。最終判断は当日の馬場・枠順・オッズ推移も合わせてご確認ください。


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