〖馬体診断〗チャンピオンズカップ2025|3歳新星ナルカミ&ルクソールカフェは本物か
対象レース:第25回チャンピオンズカップ 2025(中京・ダート1800m)|3歳以上|GⅠ
※出走予定馬・想定メンバーを前提とした内容です。
本記事では、各馬の立ち写真(競馬専門メディア・公式サイト掲載写真)をもとにした、
管理人による主観的な馬体診断をまとめました。
写真の転載は行わず、「体型」「筋肉の付き方」「張り・毛ヅヤ」「年齢による変化」
などの印象を文章で整理しています。
今年のチャンピオンズカップは、レモンポップ引退後のダート界の序列を占う意味でも注目の一戦。
3歳世代からはナルカミ・ルクソールカフェら新星が挑戦し、これに
ウィルソンテソーロ・ペプチドナイル・ハギノアレグリアスなどの実績馬が立ちはだかる構図です。
今回は中京ダ1800mへの適性と今回の仕上がり具合を中心に、
写真から受けた印象を整理してみました。
評価にあたっては、おおまかに次のポイントを意識しています。
- ① 距離&コース適性…胴の長さ、重心の位置、前後のバランス
- ② パワーと持続力…トモ(後肢)や前腕の筋肉量・張り
- ③ スピード感…首差し〜肩の角度、ストライドのイメージ
- ④ 仕上がり具合…腹回りの絞れ具合、毛ヅヤ・皮膚の薄さ
- ⑤ メンタル面…立ち姿の安定感、耳や目つきなどの雰囲気
※本記事は全頭診断ではなく、今年のチャンピオンズCで特に気になった馬を中心にピックアップしています。
※基本的には、すべて「2025年チャンピオンズC週に撮影された立ち写真」をもとに評価していますが、
一部の馬については前走(南部杯・みやこS・フェブラリーSなど)の写真も参考にし、
馬体の変化や上積みに触れています。
※評価ランクは、おおよそS > A+ > A > A− > B+ > Bのイメージです。
ここでの評価はあくまで静止画ベースの『馬体から分かるヒント』に過ぎません。
実際のレースでは、これまでの戦績や調教内容、枠順・展開・馬場状態など多くの要素が絡み合って結果が決まります。
最終的な取捨は、パドック気配や当日の馬体重も踏まえつつ、ご自身の判断でお願いします。
- ナルカミ|3歳にしてGⅠ級の完成度とスケール【A+】
- ルクソールカフェ|兄カフェファラオ以上の迫力を備えた大器【A】
- ウィルソンテソーロ|連戦ローテでも張りを維持する昨年2着馬【A−】
- サンライズジパング|大型でパワフルな中距離型、フェブラリーS時よりメリハリ増【B+】
- シックスペンス|芝マイラー体型だが南部杯でダート適性証明【B】
- ダブルハートボンド|牝馬らしい軽さにパワーが乗った上昇株【A−】
- テンカジョウ|前駆勝ちのパワー型で、中京替わりは好材料【B+】
- ハギノアレグリアス|8歳でもシルエット崩れない古豪キズナ産駒【B】
- ペプチドナイル|大型で力強い「地力勝負歓迎」タイプ【B+】
- ペリエール|ダートマイラー体型も、仕上がりはGⅠ仕様【B】
- ラムジェット|大柄でもスラッと見せるロングスパート型【B】
- アウトレンジ|コンパクトなパワー型で、中京1800は守備範囲【B】
- まとめ|馬体だけならナルカミ&ルクソールカフェが双璧
ナルカミ|3歳にしてGⅠ級の完成度とスケール【A+】
父:サンダースノー 母:オムニプレゼンス(母父ディープインパクト)
500kg近い馬格ながら、写真では数字ほど重く映らず、背中が詰まったシャープな中距離型シルエット。胴はほどよい長さで、背中から腰へのラインも滑らか。大きなフレームにキュッと締まった馬体が乗った「良血の一流馬」という印象です。
首差しはスラッと長く、それでいて付け根には太さがあり、肩の角度も理想的。スタートからスムーズにスピードに乗せつつ、そのまま長く脚を使えそうな前躯です。トモは厚み・幅とも十分で、パンパンに張り切るというより柔らかさを残した筋肉。一瞬の切れとロングスパートの両方に対応できるタイプでしょう。
腹回りは無駄肉のないシルエットで、毛ヅヤも抜群。3歳秋としては完成度・スケールともにGⅠ級で、馬体だけ見れば世代のトップランナーと評価したい存在です。
総合評価:A+(馬体だけなら本命級)
ルクソールカフェ|兄カフェファラオ以上の迫力を備えた大器【A】
父:American Pharoah 母:Mary’s Follies(母父More Than Ready)
544kgの大型馬ながら、背中は詰まり気味で腹側のラインも後躯に向かって引き締まった「締まりのある大型馬」。全兄カフェファラオ以上にフレームが大きく、骨量・筋肉量ともに迫力十分です。
太く力強い首差しと、よく寝た肩、分厚い前胸から、ダートの砂をグイグイ押していくパワーとスピードを感じます。トモはメンバーでもトップクラスのボリュームで、前後の連動性も良好。高いトップスピードに乗せてからそのまま押し切るタイプの砂中距離馬と見て良さそうです。
まだ3歳で経験値こそ古馬勢に劣るものの、腹回りはスッキリで毛ヅヤも上々。ポテンシャルと将来性ならメンバー随一と言ってよい一頭で、ここでどこまで通用するか非常に楽しみです。
総合評価:A(ポテンシャルはGⅠ級・経験値が鍵)
ウィルソンテソーロ|連戦ローテでも張りを維持する昨年2着馬【A−】
父:キタサンブラック 母:チェストケローズ(母父Uncle Mo)
キタサンブラック産駒らしく、胴にゆとりのある中距離向きの体型。昨年のチャンピオンズC時と比べても、腹回り・トモの張りはしっかり維持できており、連戦ローテながら大きな消耗は感じません。
前躯は骨量豊富で首差しも太く、肩の角度も良く寝ていて、先行して長く脚を使うスタイルと噛み合う造り。トモは丸みと幅があり、一瞬の切れというよりコーナーからじわじわと加速する持続力型です。
使い詰めの不安よりも「叩きつつ良さを出すタフなタイプ」という印象の方が強く、今年も崩れにくい軸候補の一頭と見ています。
総合評価:A−(状態維持なら今年も上位争い)
サンライズジパング|大型でパワフルな中距離型、フェブラリーS時よりメリハリ増【B+】
父:キズナ 母:サイマー(母父Zoffany)
骨格のサイズが大きく、胸前と腹袋の容量も十分なパワー&スタミナ型の中距離馬体。胴にゆとりがあり、マイルよりダ1800〜2000mがベストレンジという体型です。
フェブラリーS時の写真と比べると、今回は腹回りがより引き締まり、トモの筋肉の輪郭もくっきり。余分な肉が削れて中距離戦仕様のメリハリあるシルエットになっており、仕上がりは明らかに上向きです。
大柄でパワフルな造りは中京ダ1800にフィット。展開さえ噛み合えば、上位食い込みの可能性を秘めた一頭と評価します。
総合評価:B+(状態良好、展開次第で一発あり)
シックスペンス|芝マイラー体型だが南部杯でダート適性証明【B】
父:キズナ 母:フィンレイズラッキーチャーム(母父Twirling Candy)
胴がやや詰まり気味で、スラッとした芝マイラー〜1800m型のシルエット。サンライズジパングやペプチドナイルほどの骨太さはなく、ベースはあくまで芝マイル寄りの体型です。
とはいえ安田記念時と比べると、腹回りとトモに厚みが出てきており、初ダートの南部杯では昨年チャンピオンズC2着のウィルソンテソーロに4馬身差の2着。レース内容からはダート一級線でも通用するポテンシャルを見せています。
課題はマイルから1800m&コーナー4つの形への対応。馬体は良くても条件替わりは楽ではなく、能力はGⅠ級だが“適性未知”のチャレンジャーという評価になります。
総合評価:B(能力高いが距離・コース替わりがカギ)
ダブルハートボンド|牝馬らしい軽さにパワーが乗った上昇株【A−】
父:キズナ 母:パーシステントリー(母父Smoke Glacken)
スラッとしたシルエットの4歳牝馬ながら、キズナ産駒らしいトモのボリュームも兼ね備えた中距離タイプ。胴はやや短めで、コーナー4つのダ1800m向きのバランスです。
みやこS時と比べると、今回の写真では腹回りがさらに締まり、トモの輪郭も一段とくっきり。叩いての上積みという意味ではメンバー屈指で、牝馬特有のしなやかさとパワーがうまく両立してきた印象です。
まだキャリア7戦で6勝[6-1-0-0]と底を見せておらず、勢いと伸びしろでは最も魅力的な一頭。展開次第でGⅠでもいきなり通用して不思議ありません。
総合評価:A−(上昇度◎の伏兵筆頭格)
テンカジョウ|前駆勝ちのパワー型で、中京替わりは好材料【B+】
父:サンダースノー 母:フィオレロ(母父エンパイアメーカー)
前肢がやや詰まり、後肢がスッと長い前駆勝ちのシルエットで、重心は前寄り。斜尻気味のトモと長い後肢から、一完歩ごとの推進力と持続力に優れたタイプです。
写真からは腹回りが締まり、毛ヅヤも良好。4歳牝馬らしいフレッシュさを保ちつつ、ダートGⅠでも見劣らないだけのパワーを備えています。好位から徐々に押し上げていく競馬が合いそうで、タフな中京ダ1800は舞台としてプラス材料と見て良さそうです。
総合評価:B+(条件好転で一発候補)
ハギノアレグリアス|8歳でもシルエット崩れない古豪キズナ産駒【B】
父:キズナ 母:タニノカリス(母父ジェネラス)
胴にゆとりのある中距離型で、背中〜腰のラインもスムーズ。昨年チャンピオンズC時の写真と比べても、腹回り・トモの張りは大きく変わらず、8歳にしてはシルエットの維持が目立ちます。
トモは丸みよりも長さが目立つしなやかな筋肉で、一瞬のキレよりジワジワとスピードに乗っていくロングスパート型。爆発力は若い世代に譲るものの、タフな持久力勝負になればまだまだ侮れない古豪です。
総合評価:B(年齢を差し引いても地力侮れず)
ペプチドナイル|大型で力強い「地力勝負歓迎」タイプ【B+】
父:キングカメハメハ 母:クイーンオリーブ(母父マンハッタンカフェ)
530kgの大型馬で、胸前とトモのボリュームはさすがの迫力。胴は極端に長くなく、背中〜腰のラインもスッとつながり、中距離ダートで地力を問う展開を得意とする体型です。
フェブラリーS時と比べて大きな緩みはなく、むしろ中距離戦を意識した絞り込み。瞬発力勝負よりも、3〜4コーナーから早めに動いてロングスパートに持ち込む形が理想で、ペースが厳しくなればなるほど真価を発揮するタイプでしょう。
総合評価:B+(消耗戦になれば浮上)
ペリエール|ダートマイラー体型も、仕上がりはGⅠ仕様【B】
父:ヘニーヒューズ 母:ソフトライム(母父フジキセキ)
482kgの数字以上にコンパクトで締まったシルエット。背中は短く胴も詰まり気味で、いかにもダートマイラーらしい体型です。腰つきはしっかりしており、1800mも守備範囲ながらベストはマイル寄りかもしれません。
みやこS時と比べて腹回りがさらにタイトになり、トモの輪郭もよりくっきり。無駄肉のないGⅠ仕様の仕上がりであることは間違いありません。距離延長と中京コースへの対応が課題ですが、状態の良さでどこまでカバーできるか注目です。
総合評価:B(仕上がりは上々・距離との兼ね合い)
ラムジェット|大柄でもスラッと見せるロングスパート型【B】
父:マジェスティックウォリアー 母:ネフェルティティ(母父ゴールドアリュール)
516kgの数字ながら、フレームに対して細身でスラッと見せるタイプ。胴はやや長めで脚も長く、中距離寄りのストライド型です。マジェスティックウォリアー×ゴールドアリュールらしい、パワーと持久力を兼ね備えた配合どおりのシルエット。
みやこS時と比べると腹回りが締まり、トモの輪郭もややシャープに。使われつつ引き締まってきた上昇気配が感じられます。一瞬の切れ味よりも、3〜4コーナーから徐々に加速していくロングスパート戦で真価を発揮しそうです。
総合評価:B(流れが厳しくなれば怖い存在)
アウトレンジ|コンパクトなパワー型で、中京1800は守備範囲【B】
父:レガーロ 母:クイーンパイレーツ(母父キングカメハメハ)
背中がキュッと詰まっており、腹側のラインもスッと長く見せるコンパクトなパワー型。胴が詰まっているぶん、2400m以上のスタミナ戦よりもダート1200〜1800mあたりの中距離寄りマイラーというイメージです。
首差しは太く、肩もよく寝ていて、先行してからもう一段ギアを上げる形が合いそう。みやこS時と比べて大きな変化はなく、状態維持でチャンピオンズCに臨めている印象です。地力の高さは疑いなく、展開ひとつで馬券圏内も。
総合評価:B(パワー十分・展開待ちの立場)
まとめ|馬体だけならナルカミ&ルクソールカフェが双璧
馬体だけの印象で言えば、三歳のナルカミとルクソールカフェがスケール・完成度ともに頭一つリード。そこに、連戦でも張りを保つウィルソンテソーロ、上昇著しいダブルハートボンド、地力勝負歓迎のペプチドナイル&サンライズジパングが続く構図です。
一方で、ハギノアレグリアスやラムジェットといった古豪・実績馬勢もシルエット自体は大きく崩れておらず、タフな中京ダ1800で消耗戦になれば経験値の差がモノを言う場面も考えられます。
最終的な印や買い目を組み立てる際は、ここでの馬体診断に加えて、枠順・展開・調教内容・当日の気配なども総合的に加味していただければ幸いです。
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