阪神ジュベナイルフィリーズ〖過去10年〗トレンド|人気・ローテ・血統の傾向まとめ

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阪神ジュベナイルフィリーズ〖過去10年〗トレンド|人気・ローテ・血統の傾向まとめ

対象レース:阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)
施行条件:芝1600m・外回り(2024年は京都芝1600m外回りで代替開催)
分析対象:2015〜2024年の過去10回

2歳牝馬のチャンピオン決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズ。
近年はリバティアイランドソウルスターリングソダシなど、のちのGⅠ馬を多数輩出している出世レースです。
ここでは、過去10年(2015〜2024年)の結果から
人気・ローテーション・血統のトレンドを整理し、今年の予想に活かせるポイントをまとめておきます。


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1. 過去10年の結果と人気傾向

まずは過去10年の勝ち馬と人気の関係をざっくり見ると、下のようなイメージになります。

  • 1番人気:4勝(2015メジャーエンブレム、2016ソウルスターリング、2018ダノンファンタジー、2020ソダシ)
  • 2番人気:3勝(2017ラッキーライラック、2022リバティアイランド、2023アスコリピチェーノ)
  • 3番人気:1勝(2021サークルオブライフ)
  • 4番人気:1勝(2019レシステンシア)
  • 5番人気:1勝(2024アルマヴェローチェ)

勝ち馬10頭中8頭が1〜3番人気で、4〜5番人気から2頭という構図。
「超大穴の激荒れ」よりも、上位人気馬の中から能力上位が順当に勝ち切るレースと言えます。

ただし、2019年レシステンシア(4番人気)や2024年アルマヴェローチェ(5番人気)のように、
前哨戦で強い内容を見せていながら、オッズ的には“ちょい人気薄”の馬が勝ち切るケースもあり、
「データ的に買える素質馬」を人気の盲点から拾えるかどうかもポイントになってきます。


2. 前走ローテーションの傾向

過去10年の勝ち馬の前走ローテを整理すると、以下のような分布になります。

  • アルテミスS組:5勝
    └ 2015メジャーエンブレム(2着)/2017ラッキーライラック(1着)/2020ソダシ(1着)/
    2021サークルオブライフ(1着)/2022リバティアイランド(2着)
  • ファンタジーS組:2勝
    └ 2018ダノンファンタジー(1着)/2019レシステンシア(1着)
  • 新潟2歳S組:1勝
    └ 2023アスコリピチェーノ(1着)
  • 札幌2歳S組:1勝
    └ 2024アルマヴェローチェ(2着)
  • アイビーS(OP)組:1勝
    └ 2016ソウルスターリング(1着)

特に東京マイルのアルテミスS組が5勝と抜けているのが最大の特徴。
「直線の長いワンターン1600mで、ペースが上がったラストも脚を使えるか」が
そのまま阪神(2024年は京都)の本番につながっている印象です。

次点でファンタジーS(京都/阪神1400m)組が2勝
こちらはスピード能力が問われる1400m戦ですが、先行力+ラストもしっかり伸びるタイプなら本番マイルでも十分対応可能。
レシステンシアのように「1400mで圧倒的なパフォーマンスを見せたスピード馬」が、その勢いで押し切るパターンもあります。

一方で、新潟2歳Sや札幌2歳Sからの直行組もそれぞれ1頭ずつ優勝しており、
早い時期から完成度の高い馬なら、距離やコース替わりを苦にせずGⅠタイトルをつかめることも示しています。

ローテまとめ

  • 王道はアルテミスS組(特に1〜2着馬)
  • スピードに秀でたファンタジーS好走馬も要注意
  • 新潟2歳S・札幌2歳Sなど、早期重賞で高いパフォーマンスを見せた馬は直行でも軽視禁物

3. 血統トレンド(父系・母系の傾向)

3-1. 父系別のざっくり傾向

勝ち馬10頭の父系を分類すると、以下のようにほぼ半々に分かれます。

  • サンデーサイレンス系:5頭
    └ ダイワメジャー産駒…メジャーエンブレム、レシステンシア、アスコリピチェーノ
    └ ディープインパクト産駒…ダノンファンタジー
    └ オルフェーヴル産駒…ラッキーライラック
  • 非サンデー系:5頭
    └ Frankel産駒…ソウルスターリング(Galileo系)
    └ クロフネ産駒…ソダシ(Northern Dancer系)
    └ エピファネイア産駒…サークルオブライフ(Roberto系)
    └ ドゥラメンテ産駒…リバティアイランド(キングマンボ系)
    └ ハービンジャー産駒…アルマヴェローチェ(Danehill=ND系)

昔ながらのイメージだと「2歳牝馬GⅠ=サンデー系の切れ味」という印象がありますが、
近10年に限って言えば非サンデー系も同じくらい勝ち切っているのがポイント。
特に欧州芝中距離色の強い血統(Frankel・エピファネイア・ハービンジャーなど)が目立ちます。

3-2. 母系・配合のイメージ

母系まで眺めると、

  • 母父が欧州or米国のマイラー〜中距離血統…Danehill Dancer、Flower Alley、Kingmambo系など
  • 日本の主流血統と欧州スタミナ血統のミックス…エピファネイア×アドマイヤジャパン(サークルオブライフ)など
  • スピード型×底力型のバランス配合が多い

「瞬発力だけ」の軽い配合というより、
直線の長いマイルを高いレベルで“持続して”走れる血統が主流になっているイメージです。

血統面のチェックポイント

  • 父がサンデー系マイラー〜中距離型 or 欧州芝中距離血統
  • 母系に欧州or米国の底力血統が入っているとベター
  • 「スピード+スタミナ+持続力」のバランス型配合が理想

4. 生産牧場・厩舎・脚質のざっくり傾向

4-1. 生産牧場・厩舎の傾向

生産牧場で見ると、

  • ノーザンファーム生産馬:8頭
    └ メジャーエンブレム/ラッキーライラック/ダノンファンタジー/レシステンシア/ソダシ/リバティアイランド/アスコリピチェーノ/アルマヴェローチェ
  • その他:2頭
    └ ソウルスターリング(社台ファーム)/サークルオブライフ(千代田牧場)

2歳牝馬の頂上決戦らしく、大手牧場の良血牝馬が中心
厩舎も関東・関西のトップクラスが並び、育成〜ローテーションまで含めた「陣営力」の重要性がうかがえます。

4-2. 脚質・レースぶりのイメージ

レースぶりとしては、好位〜差しの馬が中心ですが、
レシステンシアのようにハイラップを自分で刻んで押し切る逃げ・先行タイプも勝ち切っています。

いずれにせよ、ペースが上がったラスト3Fでも脚を落とさずに伸び続けられるかが最重要。
新馬戦や前哨戦で「最後までフォームが崩れない」「長く良い脚を使っている」タイプは、本番でも信頼度が高いです。


5. 2025年版・今年見るべきポイント

以上のトレンドを踏まえて、2025年の阪神ジュベナイルフィリーズで意識したいポイントを整理すると――

  • 基本線は1〜3番人気の素質馬から本命を選ぶ(ただし4〜5番人気の“実績馬”にも要注意)
  • アルテミスS組、次点でファンタジーS組・札幌2歳S組・新潟2歳S組の好走馬を重視
  • 血統的にはサンデー系マイラー×欧州or米国の底力か、欧州芝中距離血統の持続型が狙い目
  • ノーザンFなど大手牧場&一流厩舎+充実ローテの組み合わせは、多少人気でも軽視しづらい

こうした「過去10年の型」に今年の出走予定馬を当てはめていくと、
単純なオッズだけでは見えない買い材料・不安材料が見えてきます。
馬体写真や調教、枠順と合わせて、今年の2歳女王候補を絞り込んでいきましょう。


付録:過去10年の優勝馬一覧(2015〜2024年)

馬名 母父 人気 タイム 前走 前走着順
2024年 アルマヴェローチェ ハービンジャー ダイワメジャー 5番人気 1:33.4(京都・良) 札幌2歳S(GⅢ) 2着
2023年 アスコリピチェーノ ダイワメジャー Danehill Dancer 2番人気 1:32.6(阪神・良) 新潟2歳S(GⅢ) 1着
2022年 リバティアイランド ドゥラメンテ All American 2番人気 1:33.1(阪神・良) アルテミスS(GⅢ) 2着
2021年 サークルオブライフ エピファネイア アドマイヤジャパン 3番人気 1:33.8(阪神・良) アルテミスS(GⅢ) 1着
2020年 ソダシ クロフネ キングカメハメハ 1番人気 1:33.1(阪神・良) アルテミスS(GⅢ) 1着
2019年 レシステンシア ダイワメジャー Lizard Island 4番人気 1:32.7(阪神・良) ファンタジーS(GⅢ) 1着
2018年 ダノンファンタジー ディープインパクト Not for Sale 1番人気 1:34.1(阪神・良) ファンタジーS(GⅢ) 1着
2017年 ラッキーライラック オルフェーヴル Flower Alley 2番人気 1:34.3(阪神・良) アルテミスS(GⅢ) 1着
2016年 ソウルスターリング Frankel Smart Strike 1番人気 1:34.0(阪神・良) アイビーS(OP) 1着
2015年 メジャーエンブレム ダイワメジャー オペラハウス 1番人気 1:34.5(阪神・良) アルテミスS(GⅢ) 2着
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