【2025年12月7日時点】JRA 種牡馬リーディングTOP10一覧|血統で読む“勢力図

種牡馬ランキング

【2025年12月7日時点】JRA 種牡馬リーディングTOP10一覧|血統で読む“勢力図”

作成日:2025年12月14日(日)
対象:JRA(中央)総合リーディング(賞金順)
データ更新:中央総合リーディング(更新日:2025年12月7日)を主に使用
※種牡馬リーディングは日々の開催で増減します。最新の更新日もあわせてご確認ください。

このランキング、どこが面白い?
種牡馬リーディングは「強い1頭」を当てる話ではなく、“どの血の流れが、どんな距離・条件で、どう稼いでいるか”の勢力図です。
2025年はディープ系×米国スピードキングカメハメハ系の多面展開、そしてダート&海外実績の伸長が、上位の顔ぶれにもはっきり出ています。

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2025年 種牡馬リーディングTOP10 一覧

※種牡馬ランキング一覧は横にスクロールできます(スマホは左右にスワイプ)。

順位 種牡馬 獲得賞金
(約・億円)
出走頭数 勝利回数 勝馬率 AEI 平均勝距離
芝 / ダ
主な産駒(例)
1 キズナ 約41.8 330 156 .370 1.97 1869m / 1745m ダブルハートボンド
2 ロードカナロア 約37.7 315 125 .311 1.86 1547m / 1490m ベラジオオペラ
3 ドゥラメンテ 約25.9 201 73 .269 2.00 1926m / 1736m マスカレードボール
4 キタサンブラック 約25.7 196 83 .296 2.04 1855m / 1708m クロワデュノール
5 エピファネイア 約22.9 304 115 .306 1.17 1781m / 1660m ダノンデサイル
6 ドレフォン 約19.3 247 91 .271 1.21 1580m / 1575m ウォーターリヒト
7 リアルスティール 約15.9 211 88 .303 1.17 1782m / 1681m ビダーヤ
8 モーリス 約15.9 255 70 .251 0.97 1580m / 1446m シゲルショウグン
9 リオンディーズ 約15.2 193 60 .249 1.23 1646m / 1573m ミュージアムマイル
10 レイデオロ 約14.8 181 64 .243 1.27 1941m / 1700m サンライズアース
AEIって何?
AEI(Average Earnings Index)は、ざっくり言うと「産駒の平均的な稼ぎが、全体平均よりどれくらい上か」の指数です。
1.00を超えるほど“平均以上に稼ぐ産駒が多い”イメージ。上位でもAEIが高い種牡馬は「質」で勝ち、AEIが並でも順位が高い種牡馬は「層と量」で稼ぐ——この対比が面白いところ。

TOP10を1頭ずつコメント|血統ファン向け深掘り

1位 キズナ|万能型の“厚み”でリーディングを奪る
血統ディープインパクト × Storm Cat
数字勝馬率 .370/AEI 1.97/平均勝距離 芝1869m・ダ1745m

2025年の首位は、芝・ダートともに“中距離寄り”の平均勝距離が示す通り、守備範囲の広さが最大の武器。
しかも勝馬率が高く、AEIも上位。つまり「数で押す」だけではなく「質でも押す」タイプです。

血統の読みどころは、ディープ系らしい瞬発力のイメージを残しつつ、母系に入る米国スピードが“勝ち切る脚”を補強している点。
馬券的には、極端なスプリント専用機というより、1600〜2400mで持続力が問われる条件で「人気でも崩れにくい」土台を作りやすい種牡馬です。

2位 ロードカナロア|スピードで稼ぎ、質でも抜ける“王道”
血統キングカメハメハ × Storm Cat
数字AEI 1.86/平均勝距離 芝1547m・ダ1490m

平均勝距離が端的に表す通り、スプリント〜マイルの勝ち上がりが強い。それでいてAEIも高く、
“短いところで量産して稼ぐ”だけに留まらず、重賞級が継続的に出るのが強みです。

血統的にはキングカメハメハのパワーと、母系の米国スピードが噛み合う配合。
馬券では、高速馬場の瞬発勝負、または前半から流れての平均ペースで「速度の違い」を出せる条件が狙いどころ。

3位 ドゥラメンテ|“少数精鋭”で上位に居座る、完成度の高さ
血統キングカメハメハ × サンデーサイレンス
数字出走頭数201でも3位/AEI 2.00/平均勝距離 芝1926m

出走頭数が上位勢の中では少ないのに3位。これは「1頭あたりが稼ぐ」ことの証明です。AEI 2.00は、
単なる上振れではなく、産駒全体の打率と上限が高いタイプ。

馬券的には、2000m前後で底力が問われる戦い、もしくは“速い上がり+最後に踏ん張れる”レースで信頼しやすい。
「能力が高い馬は距離を問わない」方向に寄りやすいので、血統で距離を決め打ちしすぎないのがコツです。

4位 キタサンブラック|“時代の本流”を牽引する持続型クラシック血統
血統ブラックタイド × サクラバクシンオー
数字AEI 2.04/1走あたり賞金が高い/平均勝距離 芝1855m

AEI 2.04が示すように、“走る産駒が走る”だけでなく、全体の稼ぎが強い。しかも勝利回数も多く、
上位で最も「質×量」のバランスが良い一頭です。

産駒傾向としては、瞬発力で一瞬だけ切れるというより、長く脚を使って押し切る持続質になりやすい印象。
馬券では、直線一気よりも“早めに動いて止まらない”展開、コースなら中山内回りや阪神内回りの持続戦で映えます。

5位 エピファネイア|層の厚さで稼ぐ。スターが出ると一気に跳ねる
血統シンボリクリスエス × スペシャルウィーク
数字出走頭数304/勝利回数115/AEI 1.17

大きな特徴は“層の厚さ”。出走頭数が多く、勝利回数もしっかり稼ぐ一方で、AEIは上位の中では控えめ。
これは「平均点が高い集団」であることを示しつつ、トップオブトップの割合は種牡馬の年によって波が出やすい構造でもあります。

馬券で狙うなら、パワーを活かせる馬場・展開で人気薄の“持続力型”が浮上するケース
逆に、極端な切れ味勝負一本になると「末脚の質」で他系統に譲ることもあるので、馬場と展開の見極めが大事です。

6位 ドレフォン|“芝ダ両用のマイル前後”で稼ぐ、現代型の効率
血統Gio Ponti × Ghostzapper
数字平均勝距離 芝1580m・ダ1575m/AEI 1.21

平均勝距離が芝もダもほぼ同じ。これは「マイル前後の適性で、舞台を選ばず稼ぐ」という分かりやすい強みです。
ダートの上級条件だけでなく、芝でも走れる個体が混ざることで、リーディング順位が安定しやすい。

馬券的には、スローの瞬発戦よりも流れて脚力勝負で信頼度が上がるタイプ。
牝系にパワーが強い配合だと、ダートの伸びしろが大きく出る印象です。

7位 リアルスティール|“世界基準のダート”が評価を押し上げる
血統ディープインパクト × Storm Cat
数字勝馬率 .303/平均勝距離 芝1782m・ダ1681m

2025年のリアルスティールは、国内だけでなく海外大舞台での産駒活躍が“ブランド”を上げたのが大きい。
例えばフォーエバーヤングが国際的な大レースを勝ったことは象徴的で、父としての評価を一段引き上げました。

※フォーエバーヤングの父がリアルスティールであることはnetkeibaのコラム等でも確認できます。

馬券の狙いどころは、ダートの1600〜2000mで“スピードの持続”が問われる条件。
ディープ系のキレに、母系米国スピードが乗ることで、芝寄りの感覚を持つダート馬が出やすいのも面白い点です。

8位 モーリス|尖らせて当てる“マイル〜中距離の機動力”
血統スクリーンヒーロー × Carnegie
数字出走頭数255/AEI 0.97/平均勝距離 芝1580m

上位10頭の中でAEIが1.00を割っているのはモーリスのみ。にもかかわらず8位にいるのは、
出走頭数の厚みで総賞金を積み上げている構造があるからです。

馬券では、万能扱いよりも「得意条件に寄せたときの破壊力」を狙うのがコツ。
例えば、馬場・展開がハマった時に“人気薄の一撃”が出る一方、条件がズレると凡走も出やすい。
血統というより、個体差の見極め(体型・気性・レースぶり)まで踏み込むと回収率が上がりやすいタイプです。

9位 リオンディーズ|中距離×機動力で“穴”も作れるバランス型
血統キングカメハメハ × スペシャルウィーク(母:シーザリオ)
数字AEI 1.23/平均勝距離 芝1646m・ダ1573m

AEI 1.23は上位でも優秀。リオンディーズは「これ!」という一点突破というより、
マイル〜2000m前後で“機動力と持続”のバランスが取れた産駒が出やすい印象です。

馬券では、上位人気の決め手勝負より、先に動ける展開で真価を発揮しがち。
“脚をためるだけ”の競馬より、位置を取りにいく競馬ができる馬の方が狙いやすいです。

10位 レイデオロ|平均勝距離が示す“スタミナ寄り”の設計図
血統キングカメハメハ × シンボリクリスエス
数字平均勝距離 芝1941m(TOP10最長級)/AEI 1.27

TOP10の中でも平均勝距離(芝)が長めで、“中距離〜クラシック寄り”の方向性が数字に出ています。
それでAEI 1.27。つまり「距離が延びて良いタイプが一定数いて、しかも平均以上に稼いでいる」。

馬券では、距離短縮で追走に苦労するより、“適距離に戻ったとき”が買い時になりやすい。
直線勝負一本というより、長く脚を使えるコースで評価を上げたい種牡馬です。


2025トップ10から見える血統トレンド 3つ

1)サンデー系は“ディープ系の厚み”と“キタサンの本流”が二枚看板

キズナ(ディープ系)とキタサンブラック(ブラックタイド系)が上位で存在感。
「瞬発力」か「持続力」か…という雑な二択ではなく、“勝ち筋の種類が増えたサンデー系”として見た方が、今の勢力図にフィットします。

2)キングカメハメハ系は“距離レンジ別の完成度”が強い

ロードカナロア(短〜マイル)、ドゥラメンテ(中距離の総合力)、リオンディーズ/レイデオロ(中距離〜)と、
同じ父系でも「得意レンジが分かれ、役割分担が成立している」のが特徴です。

3)ダートの価値が“国内だけで完結しない”時代に

ドレフォンの安定感、リアルスティールの国際的評価の上昇。
ダート路線は日本国内の体系だけでなく、海外大レースの価値が直結する時代へ。
血統ファンとしては、「どの父系が世界のダート基準に近いか」を追う楽しみが増えています。

注意:本記事は“血統と数字からの傾向整理”です。個々の馬の適性は、馬体・気性・ローテ・馬場・展開で簡単に上書きされます。
「血統で決め打ち」ではなく、“血統で候補を絞って、最後は個体と条件で詰める”のが王道です。

参考データ

  • 中央総合リーディングサイアー(データ更新日:2025年12月7日)…サラブレッド血統センター(DATABOX)
  • JRA 種牡馬リーディング(2025年12月8日更新)…ウマニティ
  • リアルスティール産駒フォーエバーヤング(父:リアルスティールの確認)…netkeibaコラム等

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