数字上はMペース(前後半差-0.6)でも、体感は「内有利+前残り」。
2着10番ダイヤモンドノットが前で止まらず、勝ち馬8番カヴァレリッツォは直線で“内”を通して差し切り。
1人気12番アドマイヤクワッズはほぼ大外を回され、ジリジリ伸びて3着――進路取り(内外の差)が着順に直結した一戦でした。
レース結果まとめ
基本データ(追記枠あり)
| レース | 朝日杯FS(阪神 芝1600m 外) |
|---|---|
| 馬場 / 天候 | 重馬場 小雨 |
| 勝ち時計 | 1:33.2 |
| 上がり | 4F 46.9 / 3F 35.0 |
| ペース判定 | Mペース(前後半差 -0.6) |
※今回のポイントは“ペース”より内外の伸び差でした。
上位6頭(着順・時計・上がり)
| 着 | 馬 | 人気 | 時計 | 上がり | 着差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 8 カヴァレリッツォ | 2 | 1:33.2 | 34.3 | — |
| 2 | 10 ダイヤモンドノット | 5 | 1:33.3 | 35.1 | 3/4 |
| 3 | 12 アドマイヤクワッズ | 1 | 1:33.5 | 34.6 | 1 |
| 4 | 3 エコロアルバ | 3 | 1:33.5 | 34.7 | 1/2 |
| 5 | 13 リアライズシリウス | 4 | 1:34.0 | 35.4 | 2 1/2 |
| 6 | 1 グッドピース | (追記) | 1:34.2 | 35.5 | 1 1/4 |
馬場とトラックバイアス:内と外の差
今回は内枠(内めの進路)が明確に有利に見えるレースでした。
前で運べた10番ダイヤモンドノットが「止まらない」印象で粘り込み、勝った8番は直線で内からスムーズに伸びる形。
対照的に、12番アドマイヤクワッズはほぼ大外からジリジリ。エコロアルバを差し切ったのは地力ですが、勝ち切るには厳しい進路取りでした。
内でスムーズ=8番の勝ち筋/前で粘る=10番の負けない競馬/外を回す=12番の“負けて強い”要素
ラップで読む:勝負所はどこか
ラップ(200m)
12.4
10.8
11.4
11.7
11.9
11.6
11.2
12.2
勝負所は残り3F(11.2)の再加速。ここで前がもう一段上げるので、後ろは「外を回して追う」とロスが増えます。
さらにラストは12.2まで落ちる。だからこそ、直線は内でスムーズに脚を使えるかが重要で、今回の内外差とも一致します。
通過順で読む:隊列と動き
3〜4コーナー通過
3コーナー:10(6,11)(1,7,13)(3,8,9,14) – 12,2,4,5
4コーナー:10(6,11)(1,7,13,14)(8,9,3,12) – 2 – 4 – 5
10番が前でレースを作り、8番はその直後の塊から進路を選べる位置。
12番は4角で同じ塊に入ったものの、直線では外に持ち出す形になりやすく、内有利の馬場ではその差が響いた――という見立てが自然です。
上位馬の評価(勝ち筋/負けない理由)
1着:8 カヴァレリッツォ(34.3)
内の伸びる進路をスムーズに通せたのが最大の勝ち筋。
その上で、再加速(11.2)に乗って、L1失速(12.2)でも減速し切らずに差し切ったのが強い内容です。
デイリー杯2歳Sでアドマイヤクワッズと互角にやり合った内容は伊達じゃなかった。ここでも同じ“勝負所で踏める力”を見せて、G1を取り切った。
- ポイント:内でロスが少ない=馬場の利を最大化
- 評価:馬場がフラットでも“勝負所の反応”が武器になるタイプ
2着:10 ダイヤモンドノット(35.1)
「スムーズに逃げ(もしくは前で運んで)止まらない」印象そのままに、前残り+内有利の恩恵を受けて粘り込み。
それでも3/4差の2着なので、単なるバイアスだけでなく地力の裏付けがある競馬でした。
- 次走の狙い:同じく前が残りやすい条件で“軸”向き
3着:12 アドマイヤクワッズ(34.6/1人気)
今回は外を回すロスが大きく、それでも34.6で伸びて3着。
勝ち切れなかったというより、内外差が出る馬場で“いちばん厳しい進路”になったのが痛かった。
だからこそ評価は下げず、次走で条件が噛めば巻き返し濃厚です。
- 買いメモ:馬場がフラット/内外差が小さい時に信頼度アップ
4着:3 エコロアルバ(34.7)
12番に差された形だが、上がり34.7でしっかり伸びている。
内有利の中で外を通していたなら評価は上げたいし、逆に内を通して伸び切れないなら課題も見える――
“どこを通ったか”が次走のカギ。
5着:13 リアライズシリウス(外枠の不利が出た形)
いつも通り出遅れ気味でも、外枠から好位を取れるのは長所。ただ今回は内有利に見える馬場で、道中〜勝負所まで外々を回す場面が多く、直線の伸びはもう一つでした。
それでも5着に残したのは地力。負け方としては悪くありません。
リアライズシリウスは「外から好位を取る=道中で脚を使う」タイプ。
今回はその分、直線の余力が削られた可能性が高く、外枠のロスも重なって“決め手負け”に見えた。
- もし“押して行く”なら:前残りが濃い日に、思い切って主導権を取りに行く(展開利を取りに行く)
- 今回のような形だと:外を回して脚を使う→直線で甘くなりやすい(内有利だと特に不利)
次走は内を通せる枠、もしくは馬場がフラットな日に見直し。外枠で同じ形になるなら、前目で思い切るか、いっそ脚を溜めるかの“作戦一発”が欲しいタイプ。
次走で狙う馬メモ
回顧の結論=次走の買い条件。今回は「内有利」の反動で、条件替わりが最大の狙い目です。
- アドマイヤクワッズ:内外差が小さい馬場/内を通せる枠・隊列なら勝ち切りまで
- ダイヤモンドノット:前が残る舞台(やや時計のかかる馬場・展開)で軸向き
- エコロアルバ:進路が噛めば上位。次走は“枠と隊列”を最優先で判断
- リアライズシリウス:内を通せる枠/馬場フラットなら見直し。外枠なら作戦(押すor溜める)が鍵
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