ホラー×アクション
ネタバレ控えめ
【バイオハザード レクイエム クリアレビュー】グレース編は怖いが許容範囲|レオン編の爽快アクションも光る意欲作
『バイオハザード レクイエム』をクリア。結論から言えば、本作はグレース編の緊張感あるホラーと
レオン編の爽快な戦闘アクションを両立した作品だった。グレース編はしっかり怖いが、
バイオハザードファンなら十分に許容範囲で、『バイオハザード7』ほどの“怖すぎて前に出にくい”方向ではない。
一方でレオン編に入ると、銃撃・トマホーク・パリィが噛み合い、アクションゲームとしての面白さが一気に前へ出てくる。
ボリュームは周回前提なら納得感があり、ラストは人によって少し物足りなさを感じるかもしれないが、
DLCを期待したくなるだけの完成度はしっかり感じられた。
『バイオハザード レクイエム』は、前半はホラー、後半はアクションというメリハリが効いた1本。
グレース編は不気味さと緊張感が強いが、シリーズファンなら受け止めやすい怖さに収まっており、
レオン編ではしっかり戦って突破する爽快感も味わえる。怖さだけで押し切る作品ではなく、
プレイヤーに勇気を出して前へ進ませる物語性も含めて印象に残る作品だった。
8.6 / 10
8.8 / 10
8.5 / 10
7.6 / 10
本作の魅力は「怖さ」と「爽快感」の切り替えにある
本作をプレイしてまず印象に残ったのは、同じタイトルの中でここまでプレイ感が変わるのか、という点だ。
グレース編では、暗さや静けさ、何かが潜んでいそうな空気に包まれながら進むことになり、
ホラーゲームとしての緊張感が前面に出てくる。進めるのに少し勇気が要る場面もあり、
“怖いゲームを遊んでいる”実感はかなり強い。
ただし、その怖さはシリーズファンなら十分に受け止めやすい範囲に収まっている印象だ。
強烈な恐怖で押し潰しにくるというより、じわじわ不安を積み重ねていくタイプで、
『バイオハザード7』のような、怖すぎて進むのが本当にきつい方向とは少し違う。
バイオらしい緊張感をしっかり味わいつつ、完全に手が止まるほどではない絶妙なバランスだった。
そしてレオン編に入ると、空気は大きく変わる。レオン自身の戦闘スキルが高く、
銃を使ってしっかり押し返せる場面が増えるため、ただ逃げるだけではないアクションの気持ちよさが際立つ。
本作は、怖さを耐えた先に戦う楽しさが待っている構成がうまく、ホラーとアクションの両面で満足感を作れていた。
三人称視点にすると怖さは少し軽減される
個人的にかなり大きかったのが、三人称視点にすることで恐怖感が少し和らぐ点だ。
一人称視点のような圧迫感がやや薄れ、周囲の把握もしやすくなるため、怖さで手が止まりやすい人でも進めやすい。
ホラーゲームでは「見えない」「近すぎる」「音だけで不安になる」といった要素が恐怖を増幅させるが、
三人称視点では視界が広くなり、心理的な余裕が少し生まれる。本作はその差が体感しやすく、
ホラーが苦手でも遊び方次第で印象が変わるのは良い点だった。
もちろん怖さそのものがなくなるわけではないが、グレース編のような緊張感の強い場面では、
視点の違いがしっかり助けになる。怖いけれど前に進ける、その絶妙なラインに三人称視点がうまく機能していた。
グレース編は怖いが、シリーズファンなら許容しやすいホラー体験
グレース編は、本作のホラー要素を象徴するパートだ。暗所の使い方、環境音、視界の悪さ、
そして“何かがいそう”という気配の出し方が上手く、派手な演出だけに頼らない怖さがある。
一歩ずつ進むたびに緊張感が高まっていく作りで、ホラーゲームとしての完成度は高い。
ただ、ここで重要なのは「怖い=耐えられない」ではないことだ。グレース編は確かに怖いが、
バイオハザードファンなら十分に許容範囲と感じやすいはず。極端にプレイヤーを追い詰めるというより、
恐怖の中でも先へ進むための余白を残している印象で、遊びやすさとのバランスが取れている。
特に印象的だったのは、グレース自身が「グレース、頑張って」と自らを奮い立たせるような場面があることだ。
このシーンは単なるキャラクター描写に留まらず、プレイヤー側にも「よし、進もう」と勇気を与える役割を果たしていた。
ただ怖がらせるだけではなく、恐怖の中でも前へ進む気持ちを作ってくれるのは、本作の上手いところだと思う。
だからこそグレース編は、怖いのに嫌になりすぎない。プレイヤーとキャラクターの気持ちが重なることで、
“怖いけれど進みたい”という前向きな緊張感に変わっていく。この感覚は、新規プレイヤーにとっても入りやすく、
シリーズ経験者にとってもバイオらしい手応えとして受け取りやすいはずだ。
レオン編は銃撃・近接・パリィが噛み合う爽快アクション
レオン編の魅力は、何よりも戦えることの気持ちよさにある。レオンは戦闘スキルが高く、
銃をバンバン撃てるテンポの良さがあるため、グレース編で溜め込んだ緊張感を一気に吐き出すような爽快感がある。
シリーズファンが求める“頼れるレオン”をしっかり感じられるのも大きい。
さらに面白かったのが、近接のトマホークの存在だ。単なる使い切りの武器ではなく、
研いで何度でも使える仕様があることで、武器管理そのものが遊びに組み込まれている。
これにより、銃弾だけに頼らない立ち回りが生まれ、戦闘の幅が広がっていた。
そして本作ではパリィも用意されており、敵の攻撃を受け流しながら反撃につなげる駆け引きも楽しめる。
ただ撃つだけではなく、タイミングを見て防ぎ、近接と射撃を織り交ぜて主導権を握る感覚があり、
アクションゲームとしてもよく出来ていると感じた。
良かった点まとめ
1. グレース編とレオン編で手触りが大きく変わる
グレース編ではホラー、レオン編ではアクションと、作品内で役割が明確に分かれている。
そのため単調さが出にくく、1本の中で異なる魅力を味わえるのが強みだった。
2. 怖さの中にも“進みたくなる理由”がある
グレースが自分を励ます場面のように、プレイヤーの背中を押してくれる演出があるのが良かった。
ただ怖がらせるだけで終わらず、物語として前に進ませる力がある。
3. 三人称視点で遊びやすさが増す
視点の違いによって恐怖の体感が変わるため、プレイヤーごとの好みに合わせて楽しみやすい。
ホラーが苦手でも“少し頑張れば進める”ラインに調整しやすいのは大きい。
4. レオン編の戦闘がしっかり面白い
銃撃の気持ちよさ、トマホークの継続利用、パリィによる攻防の駆け引きがあり、
レオン編はアクション好きにも刺さる完成度だった。ホラーゲームでありながら、戦う楽しさもしっかりある。
5. 周回したくなる設計と余地がある
ボリューム自体は極端に長いわけではないが、繰り返して遊ぶ前提なら納得しやすい構成。
立ち回りや戦い方を変えて再挑戦したくなる余地はあり、1周で終わらせるだけでは少しもったいないタイプの作品だった。
気になった点
1. ストーリーのボリュームは人によって短く感じるかも
ストーリーのボリュームは、周回プレイを前提に考えれば“こんなものかな”と納得できる範囲。
ただし、近年の大型作品のような圧倒的な長さや密度を期待していると、やや物足りなく感じる人はいるはずだ。
1周の満足感はあるが、ボリューム面で驚くタイプではない。
2. ラストは人によって物足りなさが残る可能性
道中のホラー演出やレオン編のアクションは魅力的だっただけに、終盤からラストにかけては
もう一段の盛り上がりを求める人もいそうだ。まとまりが悪いわけではないが、
“もう少し見たかった”という感想が出やすい締め方ではある。
3. DLCへの期待が高まる終わり方
これは不満というより期待に近いが、本編を終えると「まだ遊びたい」「追加エピソードが欲しい」と感じやすい。
それだけ世界観やシステムの土台が良く、特にレオン編の戦闘はDLCでさらに広げられそうな余地がある。
レビュー早見表
| 項目 | 評価 | ひとこと |
|---|---|---|
| ホラー演出 | 強めだが許容範囲 | グレース編は怖いが、バイオファンなら受け止めやすいバランス |
| 怖さの方向性 | 緊張感重視 | 『バイオハザード7』ほどの強烈な恐怖一辺倒ではない |
| アクション性 | 高い | レオン編は銃撃・トマホーク・パリィが噛み合って爽快 |
| 視点の遊びやすさ | 良好 | 三人称視点にすると怖さが少し軽減される |
| 物語の力 | 好印象 | グレースが自らを奮い立たせる場面がプレイヤーの背中も押してくれる |
| ボリューム | 標準的 | 周回前提なら納得しやすいが、長編を期待するとやや物足りない可能性 |
| ラストの印象 | 好みが分かれる | 人によってはもうひと押し欲しいと感じるかも |
| DLC期待度 | 高い | 追加エピソードや高難度要素に期待したくなる完成度 |
ホラー演出
グレース編は怖いが、バイオファンなら十分に許容しやすいバランス。
怖さの方向性
『バイオハザード7』ほどの強烈な恐怖一辺倒ではなく、緊張感重視。
アクション性
レオン編は銃撃・トマホーク・パリィが噛み合い、爽快感が強い。
視点の遊びやすさ
三人称視点にすることで怖さが少し軽減され、進めやすくなる。
物語の力
グレースが自分を励ます場面が、プレイヤーにも前へ進む勇気を与えてくれる。
ボリューム
周回前提なら納得しやすいが、長編を期待するとやや短く感じる可能性もある。
ラストの印象
人によってはもう一段の盛り上がりを求めたくなる締め方。
DLC期待度
本編後に「まだ遊びたい」と思わせるだけの余地がしっかりある。
こんな人におすすめ
- 怖いが耐えられる範囲のバイオを遊びたい人
- 『バイオハザード7』ほどの強烈な恐怖一辺倒ではない作品を求める人
- レオンらしい爽快な戦闘アクションも味わいたい人
- ホラーとアクションの両方を1本で楽しみたい人
- 1周で終わりではなく、繰り返し遊ぶ楽しさも重視する人
逆に、最初から最後までアクション全振りのテンポを求める人や、
大ボリュームの長編ストーリーを期待している人は、やや印象が分かれるかもしれない。
ただ、怖さの中にも前へ進みたくなる理由があり、ホラーとアクションの切り替えを楽しみたいなら十分おすすめできる。
『バイオハザード レクイエム』は、グレース編の緊張感あるホラーと
レオン編の爽快な戦闘アクションを両立した意欲作だった。
グレース編はしっかり怖いが、シリーズファンなら許容しやすいラインに収まっており、
『バイオハザード7』のような“怖すぎて進めない”方向とは少し違う。さらに、
グレース自身が自らを励ます場面は、プレイヤーにも勇気を与え、恐怖の中でも前へ進みたい気持ちを作ってくれる。
レオン編に入れば、銃撃・トマホーク・パリィを活かした手応えのあるアクションが待っており、
ホラーだけでは終わらない満足感がある。ストーリーのボリュームは周回前提なら納得感がある一方、
ラストは人によってやや物足りなさが残るかもしれないが、だからこそDLCを期待したくなる。
怖さを味わい、勇気を出して前へ進み、最後はしっかり戦って突破する――
それが本作の魅力だと思う。
総合評価:8.6 / 10
※ネタバレを避けつつ、クリア後の所感を中心にまとめています。


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