2026年8月16日(日)、フランス・ドーヴィル競馬場でジャックルマロワ賞(G1)が行われます。
舞台は芝1600メートルの直線コース。日本時間の発走予定は22時50分です。
今年は日本から、安田記念を制したシックスペンスと、海外遠征を続けているシュトラウスが参戦。1998年タイキシャトル以来となる日本調教馬の勝利にも期待がかかります。
◎ 10 プリサイス
○ 5 モアサンダー
▲ 3 シックスペンス
☆ 9 ザシークレットアドヴァーサリー
△ 1 ゼウスオリンピオス
当初は欧州マイル戦線の中心的存在だったボウエコーも有力候補と見ていましたが、同馬は不在。10頭立てとなったことで、今年のジャックルマロワ賞は一気に混戦色が強くなりました。
そこで今回は、単純なG1実績だけではなく、斤量・年齢・ドーヴィル適性・近走内容・ゲート・血統・レースの流れまで含めて最終的な評価を組み立てています。
- ジャックルマロワ賞2026 出馬表・ゲート順
- まず押さえたい「直線1600m」という特殊性
- 過去10年は3歳・4歳が独占
- ◎10 プリサイス|同舞台実績と55kgを高評価
- ○5 モアサンダー|レーティング120はメンバー最高
- ▲3 シックスペンス|安田記念馬が世界へ挑む
- ☆9 ザシークレットアドヴァーサリー|急上昇中の3歳馬
- △1 ゼウスオリンピオス|前走でモアサンダーを撃破
- ライフは無印でも怖い|仏2000ギニー馬
- シュトラウスは最内ゲート|能力より折り合いが鍵
- その他の出走馬を短評
- 想定するレース展開
- 馬場状態も重要|現時点では極端な道悪想定はしない
- 最終予想|本命はプリサイス
- 馬券は単勝を中心にシンプルに
- まとめ|日本馬2頭にも十分チャンスあり
ジャックルマロワ賞2026 出馬表・ゲート順
| 馬番 | ゲート | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | Rating |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 6 | ゼウスオリンピオス | 牡4 | 59.5kg | C.リー | 118 |
| 2 | 2 | ドリームライナー | 牡4 | 59.5kg | T.バシュロ | 112 |
| 3 | 5 | シックスペンス | 牡5 | 59.5kg | 武豊 | 118 |
| 4 | 1 | シュトラウス | 牡5 | 59.5kg | J.モレイラ | 115 |
| 5 | 8 | モアサンダー | 牡5 | 59.5kg | T.マーカンド | 120 |
| 6 | 3 | ノーランチ | 牡5 | 59.5kg | M.ギュイヨン | 114 |
| 7 | 7 | サートミーセン | 牡4 | 59.5kg | A.ルメートル | 104 |
| 8 | 10 | ライフ | 牡3 | 56.5kg | M.バルザローナ | 117 |
| 9 | 9 | ザシークレットアドヴァーサリー | 牡3 | 56.5kg | C.スミヨン | 115 |
| 10 | 4 | プリサイス | 牝3 | 55kg | R.ムーア | 115 |
※馬番とゲート番号は別です。海外競馬では日本の「枠番」と感覚が異なるため、馬券購入時は馬番を確認してください。
まず押さえたい「直線1600m」という特殊性
ジャックルマロワ賞で最も重要なのは、ドーヴィルの芝1600メートルがスタートからゴールまで直線という点です。
日本の東京芝1600メートルのようにコーナーを回って直線勝負になるのではなく、最初から最後まで長くスピードを維持し続ける能力が求められます。
- 折り合いを欠かずに走れること
- 長時間トップスピードに近い脚を維持できること
- 欧州芝に対応できるパワー
- 馬群の中で進路を確保する判断力
- 直線競馬特有の集団形成への対応
そのため、単純に「内ゲートだから有利」「外ゲートだから不利」と決めつけるのは危険です。
むしろ重要なのは、レース中にどの馬の近くで運ぶか。直線競馬では馬群が複数のグループに分かれるケースもあり、能力の高い馬の後ろを取れるかどうかが結果を左右します。
過去10年は3歳・4歳が独占
今回の予想で無視できないのが年齢です。
ジャックルマロワ賞の過去10年の勝ち馬を見ると、3歳馬が5勝、4歳馬が5勝。つまり、この期間は5歳以上の馬が勝っていません。
もちろん10年間という限られたサンプルなので絶対視はできませんが、欧州のトップクラスの若いマイラーが強いレースであることは間違いありません。
今年の主要馬では、
- プリサイス:3歳
- ライフ:3歳
- ザシークレットアドヴァーサリー:3歳
- ゼウスオリンピオス:4歳
- ドリームライナー:4歳
- サートミーセン:4歳
がこの年齢傾向に該当します。
一方、シックスペンス、シュトラウス、モアサンダー、ノーランチは5歳。この点は少し割り引いて考えました。
◎10 プリサイス|同舞台実績と55kgを高評価
今回の本命はプリサイスです。
2026年は愛1000ギニー、コロネーションステークスを連勝。すでに3歳牝馬として欧州マイル路線のトップクラスにいることを証明しています。
さらに見逃せないのが近2走です。
- ファルマスS(G1)2着
- ロートシルト賞(G1)2着
勝ち切れてはいませんが、いずれもG1。しかも前走ロートシルト賞は今回と同じドーヴィル芝1600メートルでした。
そこで勝ち馬ブルーボルトとわずか0.1秒差。今回、そのブルーボルトは出走していません。
初めてドーヴィルを走る馬が多い中、わずか2週間前に同じ舞台のG1で好走している経験は大きな材料です。
負担重量も55kg。古馬牡馬の59.5kgとは4.5kg差があります。
これは3歳牝馬に設定された年齢・性別による重量差ではありますが、長い直線で最後まで脚を持続させるという意味では、軽い斤量で走れること自体はプラス材料です。
鞍上はR.ムーア。ゲートも4番と極端ではありません。
能力、実績、年齢、斤量、コース経験を総合し、最も崩れる可能性が低い馬と判断しました。
○5 モアサンダー|レーティング120はメンバー最高
対抗はモアサンダー。
今年のロッキンジS2着、クイーンアンS2着と、欧州マイルG1で続けて好走しています。
何よりレーティング120は今回のメンバーでトップ。
G1勝利こそありませんが、トップクラスの古馬マイラーと繰り返し戦ってきた実績は非常に高く評価できます。
前走サマーマイルSは1番人気で4着でしたが、スローペースの後方から差し切れず。能力を出し切った敗戦とは考えにくい内容でした。
ジャックルマロワ賞で流れが締まり、長く脚を使う展開になれば巻き返し可能でしょう。
父Night Of Thunderは欧州芝への適性について説明する必要がないほどの実績を残している種牡馬。血統面からも直線マイルは魅力があります。
唯一気になるのは、過去10年で勝ち馬が出ていない5歳という年齢。
それでも純粋な能力比較なら、今回のメンバーで最上位級と判断します。
▲3 シックスペンス|安田記念馬が世界へ挑む
日本馬ではシックスペンスを上位評価します。
前走の安田記念では、17頭立ての8番人気という評価を覆してG1初制覇。
東京芝1600メートルを1分32秒1で走り切り、日本トップクラスのマイラーを相手に結果を残しました。
レーティング118も今回のメンバーでは上位です。
血統は父キズナ、母父Twirling Candy。
キズナ自身が欧州遠征でニエル賞を制しており、産駒も単なる日本型の高速芝専用というタイプではありません。母系からは米国的なスピードとパワーも補われています。
そして今回、ゲートは5番。10頭のほぼ中央に近く、周囲の動きを見ながらポジションを選択しやすい配置になりました。
現地では本番と同じドーヴィルの直線芝1600メートルを使って調整。時計を求めるというより、馬場への対応を確認する内容でした。
関係者からは落ち着いて調教できているとのコメントも出ており、海外遠征による大きな精神面の不安は今のところ感じません。
最大のポイントは、日本の高速マイルから欧州の直線マイルへ替わっても、安田記念と同じように折り合えるかです。
武豊騎手が無理にポジションを取りに行かず、前に馬を置いてリズム良く運べれば十分に勝負になると見ます。
☆9 ザシークレットアドヴァーサリー|急上昇中の3歳馬
穴というより、上位人気候補の一角として警戒したいのがザシークレットアドヴァーサリーです。
春の英2000ギニーでは5着、愛2000ギニーでは6着とクラシックでは結果を残せませんでした。
しかし、その後のジャージーステークスを勝利すると、前走ジャンプラ賞ではG1初制覇。
しかも舞台は今回と同じドーヴィルでした。
父St Mark’s Basilicaは現役時代に仏2000ギニー、仏ダービー、エクリプスSなどを制した欧州の名馬。母父GleneaglesもマイルG1で活躍した馬で、血統から見ても欧州マイルG1は合っています。
前走は1400メートルだったため、今回は200メートル延長がポイントになりますが、春に1600メートルのクラシックを経験しているため距離そのものへの不安は大きくありません。
3歳馬の56.5kgも魅力。
勢いという意味では今回のメンバーでも上位で、一気のG1連勝まで警戒します。
△1 ゼウスオリンピオス|前走でモアサンダーを撃破
ゼウスオリンピオスも軽視できません。
前走サマーマイルSではモアサンダーを退けて勝利。昨年のジョエルSも制しており、マイル重賞での安定感があります。
今年はロッキンジS3着、クイーンアンS4着。G1で勝ち切れてはいないものの、大きく崩れていません。
父はモアサンダーと同じNight Of Thunder。
ゲート6も極端な位置ではなく、今回の条件で大きなマイナス材料はありません。
レーティング118はシックスペンスと同値。能力的には十分に馬券圏内候補です。
ただし前走は展開面で恵まれた部分もあり、モアサンダーとの比較では今回はモアサンダーの逆転を上位に取りました。
ライフは無印でも怖い|仏2000ギニー馬
印を5頭に絞ったため無印としましたが、最も切るのが怖かったのがライフです。
今年の仏2000ギニー勝ち馬で、3歳馬ながらレーティング117。
昨年にはドーヴィルのフランソワブータン賞を勝っており、競馬場への適性もあります。
前走ジャンプラ賞は5着でしたが、本来は1400メートルより1600メートルの方が良い可能性があります。
仏2000ギニーを勝った能力を考えれば、巻き返しても不思議ではありません。
今回はゲート10と最も外側。直線競馬なので日本の外枠のように単純な距離損が発生するわけではありませんが、スタート後にどの馬群へ入るかは重要になります。
馬場や当日のオッズ次第では相手に追加してもいい馬です。
シュトラウスは最内ゲート|能力より折り合いが鍵
4 シュトラウス ゲート1
もう1頭の日本馬シュトラウスはゲート1に入りました。
シュトラウスを考える上で最大の問題は、能力そのものより折り合いです。
今年2月のアブダビゴールドCでは好内容で勝利。その時に3着だったコマンチェブレーブが後にジュライCを勝ったことを考えると、海外でも通用するだけのスピード能力を持っているのは確かです。
一方、前走チャンピオンズマイルでは12着。
序盤に力み、勝負どころでもスムーズさを欠くなど、この馬の難しい部分が出てしまいました。
今回はJ.モレイラ騎手が引き続き騎乗。
現地の最終調整では約5ハロンを単走で追われ、武井調教師から動きについて高い評価が出ています。
直線1600メートルならコーナーで力むリスクがなく、伸び伸び走れる点はプラス。
ただしゲート1から周囲に馬が少ない形になると、前に馬を置けず行きたがる可能性もあります。
能力を出し切れば上位争いまであっても驚きませんが、安定感という点で今回は印を回しませんでした。
その他の出走馬を短評
2 ドリームライナー
今年3月のエドモンブラン賞を重馬場で勝利。昨年にはドーヴィルのカンセー賞も勝っており、フランスでの実績は十分です。
ただ、今回はG1初挑戦で相手が一気に強化。レーティング112という点からも、上位陣をまとめて負かすにはさらなる上積みが必要でしょう。
6 ノーランチ
今年に入って連勝を重ね、ミュゲ賞まで勝利しましたが、前走サマーマイルSでは8着。
父Dubawi、母父Shamardalという欧州マイル向きの良血は魅力ですが、前走内容からは一度評価を下げます。
7 サートミーセン
直近2戦を連勝している上がり馬です。
前走バーデンマイルではG3を勝利しており勢いはありますが、レーティング104は今回最下位。
一気の相手強化となるG1で、どこまで差を詰められるかが試金石となります。
想定するレース展開
10頭立ての直線競馬だけに、日本の競馬のような「逃げ馬がハナを切り、その後ろに先行馬」という隊列が綺麗に形成されるとは限りません。
序盤は折り合いを優先しながら、徐々に有力馬同士が近い位置へ集まっていく展開を想定します。
- プリサイスがムーア騎手の下で好位を確保できるか
- モアサンダーが前走より流れる展開で末脚を使えるか
- シックスペンスが前に馬を置いて折り合えるか
- シュトラウスがゲート1から掛からず運べるか
- 3歳勢が軽い斤量を生かして終盤まで脚を残せるか
プリサイスは自在性があり、最もレースを組み立てやすいタイプ。
モアサンダーはある程度流れた方が良く、逆に極端なスローになればゼウスオリンピオスや前に位置する馬の残り目が怖くなります。
シックスペンスについては、安田記念と同様にリズムを崩さず運べるかが全てと言っていいでしょう。
馬場状態も重要|現時点では極端な道悪想定はしない
8月14日時点の現地予報では、レース当日のドーヴィルは午後に大きな雨が降る予報にはなっていません。
ただし前日の天候が不安定になる可能性があり、欧州競馬では散水の影響もあります。
シックスペンスの現地調教でも、芝丈そのものは短い一方で、散水の影響と思われる馬場の緩さを感じるという趣旨のコメントが出ています。
良馬場に近ければシックスペンスの評価を維持。
雨の影響が強く時計を要する馬場になれば、欧州実績の豊富なプリサイス、モアサンダー、ゼウスオリンピオスなどをより重視したいところです。
最終予想|本命はプリサイス
| 印 | 馬番 | 馬名 | 評価ポイント |
|---|---|---|---|
| ◎ | 10 | プリサイス | G1実績・同舞台・3歳・55kg |
| ○ | 5 | モアサンダー | Rating120・G1連続2着 |
| ▲ | 3 | シックスペンス | 安田記念勝ち・Rating118 |
| ☆ | 9 | ザシークレットアドヴァーサリー | ジャンプラ賞勝ち・上昇3歳馬 |
| △ | 1 | ゼウスオリンピオス | サマーマイルS勝ち・安定感 |
本命は10番プリサイス。
4度のG1勝利実績を持ち、今年も愛1000ギニー、コロネーションSを制覇。さらに2週間前に同じドーヴィル芝1600メートルのG1で2着していることを最も高く評価しました。
モアサンダーはG1未勝利ながら純粋な能力では互角以上。レーティング120は今回のメンバーで最上位です。
そして日本馬シックスペンス。
安田記念で見せた走りを欧州の直線マイルでも再現できれば、タイキシャトル以来となる歴史的勝利も決して夢ではありません。
馬券は単勝を中心にシンプルに
10 プリサイス
単複で狙うなら
10 プリサイス
※最終オッズを見て判断
ワイド
10-5
10-3
三連複・少額
1頭軸:10 プリサイス
相手:1、3、5、9
計6点
まだJRAの国内オッズが出ていないため、馬券については当日のオッズを確認して最終判断したいところです。
プリサイスが極端な人気になった場合は、無理に複勝まで買う必要はありません。
個人的には海外G1だからと点数を広げすぎず、単勝・ワイドを中心に、三連複は少額くらいが合っていると考えています。
まとめ|日本馬2頭にも十分チャンスあり
今年のジャックルマロワ賞は、無敗のトップマイラーだったボウエコーが不在となったことで、絶対的な存在のいない10頭立てとなりました。
その中で本命に選んだのはプリサイス。
G1実績、近走内容、ドーヴィル経験、3歳という年齢を総合すると、現時点では最も信頼しやすいと判断します。
モアサンダーはレーティング120の能力があり、流れさえ向けばG1初制覇の可能性は十分。
そしてシックスペンスも安田記念を勝った日本のマイル王として、決して挑戦者というだけの存在ではありません。
ドーヴィルの直線1600メートルという日本にはない舞台で、安田記念馬がどこまで欧州トップマイラーと戦えるのか。
1998年タイキシャトル以来、日本調教馬28年ぶりのジャックルマロワ賞制覇が実現するのか。
日本時間8月16日(日)22時50分、非常に楽しみな一戦です。
※出走馬、ゲート、騎手、レーティング、近走成績などは2026年8月14日時点の公表情報をもとに作成しています。出走取消、馬場状態、オッズなどはレース当日の最新情報をご確認ください。
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