2026年8月16日(日)、中京競馬場で行われる中京記念(GIII・芝1600メートル)。
今年はサトノシャイニング、ラヴァンダ、キープカルムをはじめ、3歳牝馬のナムラコスモス、リリージョワなど、能力比較の難しいメンバーがそろいました。
最終追い切りでは、単純な時計の速さだけではなく、1週前追い切りからの調整過程、馬なりでの手応え、ラストの伸び、暑い時期だけに馬の活気が維持されているかを重視して評価していきます。
中京記念は登録17頭に対してフルゲート16頭。出馬投票確定前のため、最終的な出走馬・騎手・枠順についてはJRA発表をご確認ください。現時点ではリラエンブレムが除外対象となっています。
中京記念2026 最終追い切り評価一覧
| 評価 | 馬名 | 追い切りのポイント |
|---|---|---|
| S | ナムラコスモス | 馬なりで圧巻の伸び |
| S | リリージョワ | 軽快な回転力と抜群の反応 |
| A+ | ラヴァンダ | 1週前から高負荷・好気配 |
| A | サトノシャイニング | 長期休養明けでも態勢整う |
| A | キープカルム | 坂路51秒1・状態維持 |
| A | ミニトランザット | 前進気勢と走りの弾み良好 |
| A- | カネラフィーナ | 1週前好内容、最終は調整 |
| B+ | カンシン | 状態上昇を感じる内容 |
| B+ | スイープアワーズ | 中間の不安から持ち直す |
| B+ | ブエナオンダ | 使いつつ状態安定 |
| B | ミナデオロ | 夏場向きで順調 |
| B | チェルビアット | 体質強化、動きも順調 |
| B | カズミクラーシュ | 前向きさが戻る |
| B | ショウナンアデイブ | 暑さの影響小さく安定 |
| B- | ケイズレーヴ | 順調だが強調材料は少なめ |
| C+ | ファントムシーフ | 能力上位も脚元を慎重に調整 |
S評価|今回最も良く見えた2頭
今回の最終追い切りで最も強く評価したい1頭です。
前にクリノセーラーマンを置いて追走。直線で内から並びかけると、ほぼ馬なりのまま一気に抜け出しました。
時計そのものも悪くありませんが、それ以上に評価したいのがラストまで余力を残したまま11秒3まで伸びていることです。併走馬との能力差は考慮する必要がありますが、それでも直線での反応は非常に良く見えます。
桜花賞以来の実戦となりますが、1週前に長めから負荷をかけ、最終追い切りでは反応を確認する形。休み明けとして非常にきれいな調整過程です。
今回は3歳牝馬で52キロ。追い切りだけで勝負が決まるわけではありませんが、状態面からは積極的に評価したい存在です。
ナムラコスモスと並んで高評価。
半マイルからの追い切りでしたが、非常に回転の速いフットワークで、馬なりのままラスト1ハロン11秒1。無理に追われて出した時計ではなく、馬自身が走る気になっている点を評価したいところです。
桜花賞以来の4カ月ぶりになりますが、1週前にもCWで5F67秒1、ラスト11秒2を馬なりでマーク。最終追い切りでも動きの質を落としていません。
気性面の強さがあるタイプなので、久々でも仕上げやすい反面、レースで力み過ぎないかはポイント。
それでも52キロで出走できる3歳牝馬という点を考えると、調教面では非常に魅力のある1頭です。
A+評価|ラヴァンダは高いレベルで安定
1週前追い切りから非常に良い内容でした。
6ハロン80秒0と全体からしっかり負荷をかけながら、最後も11秒1。長めから追って最後まで脚を使えている点は、中京芝1600メートルで求められる持続力を考えても好印象です。
最終追い切り後も陣営から「動きは良く見えた」「暑さがこたえている感じもない」と順調さを強調するコメントが出ています。
夏場の重賞だけに、単に速い時計を出した馬よりも、暑さの影響が小さく、調教後も状態を維持できている馬を評価したいところ。
ラヴァンダはその条件にかなり合致しています。
追い切り診断としては、S評価2頭に続く単独A+評価とします。
A評価|実績馬もしっかり仕上がる
最終:栗東坂路 4F54.9-1F12.1 馬なり
久々の実戦ということで、今回最も「仕上がり度」の判断が難しい1頭です。
ただし調整過程そのものは悪くありません。
1週前追い切りではCWで6ハロン81秒2、ラスト1ハロン11秒0までしっかり追われ、ここで必要な負荷をかけています。
そのため最終追い切りは坂路で全体時計を出さず、終いだけ反応を見る形。54秒9-12秒1という数字以上に、1週前と最終追い切りをセットで評価する必要があります。
馬なりでも鞍上を引っ張るような前進気勢があり、久々としては動ける状態まで仕上がってきた印象です。
一方、休養明けであることに加え、もともと折り合いや口向きに難しさを見せる馬。調教が良かったから即本命というタイプではありません。
それでも能力そのものは今回のメンバーでも上位。追い切り段階では「休み明けだから消し」と判断する必要はないでしょう。
坂路で51秒1。全体時計は非常に優秀です。
ラストは12秒7までかかっていますが、序盤からしっかり負荷をかけた追い切りであり、単純に「終いが遅い」と評価を下げる必要はありません。
フットワークにも力強さがあり、しらさぎステークス2着時の状態を維持できている印象。
もともと調教では動くタイプなので時計だけを過大評価するのは禁物ですが、少なくとも状態下降を示す材料はほぼありません。
実戦を使われながら状態を維持している点では、久々の馬より安心感があります。
時計以上に、走りの弾みと前進気勢を評価しました。
前走時の状態がかなり良かった馬ですが、今回もそこから大きく落としている印象はありません。
陣営からも全体時計自体は想定より少し遅かったとしながら、走りには弾みがあり、前向きさも十分だったとの評価。
暑い時期だけに、無理に時計を求めるより馬の活気を維持したままレースを迎える調整はプラスに見たいところです。
中京のマイル戦は直線だけの瞬発力勝負ではなく、長く脚を使う能力も必要。調教の雰囲気からも、状態面で大きな不安はありません。
最終:美浦坂路 4F57.2-1F12.7 馬なり
最終追い切りの57秒2という全体時計だけを見ると物足りなく見えます。
ただし今回は前日の雨で馬場が重く、併走馬のペースも遅かったことに加え、1週前追い切りですでに十分な負荷をかけています。
美浦Wで外を回りながら6ハロン80秒9、ラスト11秒4を記録した1週前の内容は優秀でした。
さらに中京までの輸送も控えるため、最終追い切りで余力を残したこと自体はマイナスではありません。
最終時計だけで評価を落とす馬ではなく、1週前を含めた総合評価ならAクラスに近い仕上がりと判断します。
B+評価|十分に勝負できる仕上がり
今回は最終追い切りで前半を我慢させ、後半に脚を伸ばす形。
陣営からも「動きはすごく良かった」「状態は上がってきている」と前向きなコメントが出ています。
速い時計を強調するタイプの追い切りではありませんが、マイル挑戦を意識して折り合いと終いの反応を確認した点は好印象です。
1400メートルを中心に使われてきただけに距離延長への対応は実戦で確認したいところですが、状態そのものは良好とみます。
中間に骨瘤が出たことで一度調整を緩めた点は気になります。
ただし1週前追い切りでは坂路51秒8-12秒6。軽快なフットワークで登坂しており、その後も負荷をかけることができました。
陣営も「いい状態まで上がってきた」と話しており、追い切りの動きからは大きな悪化は感じません。
中間に一度順調さを欠いた分だけA評価にはしませんでしたが、直前の雰囲気はむしろ持ち直していると判断します。
大きく目立つ追い切りというより、使われながら状態を高いところで維持しているタイプです。
陣営からも「具合は本当にいい」「体がしっかりしてきた」と状態面に対する評価は高め。
今回58キロを背負う点はレース予想では考慮したいところですが、調教診断だけなら割り引く必要はありません。
前走からの疲れを強く感じさせる動きでもなく、力を出せる状態にあるとみます。
B評価|状態は悪くないが強調材料は一段落ちる
夏場に汗をかくことで体を作りやすいタイプで、陣営も現在の時期は合っているとの見方。
ボテッとした印象もなく、ここを目標に順調に調整されています。
逃げる形で結果を残してきただけに、追い切り以上に本番で自分のリズムを作れるかが重要になりそうです。
状態面に大きな問題はありません。
最終追い切りでは吉村騎手が騎乗し、本番を意識した感触を確認。
以前に比べて体質が強くなっているとのことで、マイルという距離についても陣営は好感触を持っています。
一方で暑さに強いタイプではないとの話もあり、真夏の中京という条件は注意したいところ。
現時点では悪い材料より良い材料の方が多く、平均以上の仕上がりと判断します。
最終追い切りではいつも通りの調整。
陣営が「自分からやる気になっている感じ」と話しているように、精神面での前向きさが出てきた点は好材料です。
突出した時計や動きではありませんが、調子落ちを感じる内容でもありません。
追い切りだけで強く狙いたいほどではないものの、状態面を理由に評価を落とす必要もなさそうです。
夏場でも暑さを気にしている様子は少なく、体調は安定しています。
追い切りの動きも平常通りで、この馬なりに力を出せる状態。
大きな上積みを感じるというより、安定したコンディションを維持している印象です。
地方からの参戦となりますが、前走後も大きなトラブルなく調整されています。
陣営からは「抜群の気配というほどではない」としながら、暑さによるパフォーマンス低下は感じないとのコメント。
仕上がり自体は悪くありませんが、中央重賞の相手関係を考えると、追い切り段階で積極的に評価を引き上げる材料までは見つかりませんでした。
C+評価|能力は怖いが慎重に見たい
能力だけなら今回のメンバーでも上位クラス。
ただし今回は爪や脚元をケアしながらの調整となっています。
カイ食い自体は良く、陣営も状態は悪くないとしていますが、「まずは無事に帰ってきてほしい」というコメントからも、万全一歩手前というより慎重に復帰戦を迎えるニュアンスを感じます。
長期休養明けの実績馬だけに、調教時計以上に実戦勘や息遣いがポイント。
能力で走られても不思議ではありませんが、今回の「追い切り診断」という観点では強気な評価にはしませんでした。
追い切りから特に買いたい3頭
1位 ナムラコスモス
馬なりで併走馬を一気にかわし、ラスト11秒3。余力と反応の良さを最も高く評価しました。
2位 リリージョワ
4F51秒9-11秒1を馬なり。久々でも動きに重さがなく、3歳牝馬らしい軽快さが際立ちます。
3位 ラヴァンダ
1週前に6F80秒0-11秒1としっかり負荷をかけ、その後も暑さの影響なく順調。調整過程の完成度を評価します。
サトノシャイニングをどう見る?
今回の追い切り診断で悩ましいのがサトノシャイニングです。
能力だけを考えれば当然上位。ただし昨秋以来の実戦となるため、追い切りで動いたからといって100%の能力を発揮できるとは限りません。
一方で、1週前にCWで6F81秒2-11秒0までしっかり追い、最終追い切りは坂路で軽めに整えるという調整過程は理にかなっています。
つまり今回のサトノシャイニングは、「追い切りが足りない休み明け」ではありません。
実戦感覚という不確定要素は残りますが、最終予想で簡単に消せる状態ではないでしょう。
3歳牝馬2頭が追い切りで存在感
今年の中京記念で非常に興味深いのが、ナムラコスモスとリリージョワという3歳牝馬2頭です。
ともに52キロで出走できるうえ、最終追い切りの動きも良好。
古馬との力関係は未知数ですが、夏場の別定戦ではこうした斤量差がレース終盤で効いてくる可能性があります。
特にナムラコスモスは調教で無理をしていないにもかかわらず、直線で非常に鋭い反応を見せました。
昨年の中京記念でも3歳牝馬が結果を残しているだけに、今年も軽視できない存在です。
最終追い切り診断まとめ
S評価
ナムラコスモス
リリージョワ
A+評価
ラヴァンダ
A評価
サトノシャイニング
キープカルム
ミニトランザット
A-評価
カネラフィーナ
今回の中京記念は、突出した1頭がいるというより、状態の良い馬が多い混戦という印象です。
その中でも追い切りだけを比較すると、ナムラコスモスの動きが最も印象的でした。
リリージョワも馬なりで鋭い時計を記録しており、3歳牝馬2頭が調教面では大きく浮上しています。
一方、実績上位のサトノシャイニングもしっかり態勢を整えており、長期休養明けを理由に大幅に評価を下げる必要はなさそうです。
ラヴァンダ、キープカルム、ミニトランザットも状態面に大きな不安はありません。
最終的な本命については、ここから枠順、中京芝1600メートルへの適性、展開、当日の馬場状態まで加えて判断したいと思います。
追い切りは競走馬の状態を判断する材料のひとつです。速い時計を出した馬が必ず好走するわけではありません。当ブログでは時計だけでなく、調整過程・手応え・負荷・前走時との比較を重視して評価しています。
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