2026年10月10日(土)、東京競馬場では2歳マイル重賞サウジアラビアロイヤルカップ(GIII)が行われます。
今年はフィリオソラーレ、ベルウッドディープ、デミアンなど、デビュー戦で素質を見せた馬たちが集まりました。
キャリアの浅い2歳馬同士の対戦だけに、過去のレース内容だけでは能力差を判断しにくい一戦です。そこで重要になるのが、1週前から最終追い切りまでの調整過程です。
今回の最終追い切りでは、ベルウッドディープの鋭い反応と、サトノハクマイの状態面の充実が特に目立ちました。
- サウジアラビアRC2026の全頭追い切り評価
- 1週前・最終追い切りの時計と内容
- 状態が良さそうな馬と注意したい馬
- 事前考察から評価を上げたい馬
- 最終予想に向けた注目ポイント
なお、今回の記事は追い切りを中心とした状態診断です。最終的な予想では、近走内容・能力 > 距離適性 > コース適性 > 追い切り > 展開という基本方針を大切にします。
※2026年10月8日時点の情報に基づく分析です。馬名は特別登録12頭を対象としており、出走確定後に変更となる可能性があります。
サウジアラビアRC2026|レース概要
開催日:2026年10月10日(土)
競馬場:東京競馬場
発走予定:15時45分
距離:芝1600m・左回り
格付け:GIII
出走条件:2歳・馬齢重量
特別登録:12頭
東京芝1600mは直線が長く、最後の瞬発力が問われやすいコースです。
ただし、瞬発力が優秀でも、後方からの競馬では展開に左右される場合があります。
個人的には、好位で折り合い、直線でも速い脚を使える馬が安定して力を発揮しやすいと考えています。
追い切りでもラスト1Fの時計だけでなく、道中の折り合い、全体時計、追われてからの反応、余力を含めて評価したいところです。
最終追い切り診断|全頭評価一覧
10月7日の最終追い切りと、それ以前の調整内容を合わせて独自に評価しました。
S=非常に良好、A=高評価、B=順調・標準的、C=調教面では強調材料が少ない、という目安です。
C評価でもレース能力が低いという意味ではありません。追い切りの負荷や前走からの間隔も考慮しています。
今回の追い切りで注目したいポイント
ベルウッドディープ
1週前に6F80秒8、ラスト11秒2という好時計。最終追い切りでも馬なりで鋭い反応を見せており、調整過程が非常に優秀です。
サトノハクマイ
2週続けてラスト11秒台前半。最終追い切りは馬なりで11秒1を記録しており、初戦からの成長を感じさせます。
フィリオソラーレ
重賞勝ち馬との併せ馬で併入。仕上がりは良好で、東京マイルを勝っている実績と合わせて高く評価できます。
ジップスパーク
1週前にしっかり負荷をかけ、最終追い切りは余力を残して好時計。初戦からの上積みが期待できる1頭です。
次に、注目馬の追い切り内容を詳しく見ていきます。
S評価|ベルウッドディープ
追い切り最上位
ベルウッドディープ
父:エフフォーリア
母:ディープビヨンド
母父:ディープインパクト
美浦W・6F80.8-1F11.2
ゴール前仕掛け・併せ馬先着
美浦W・5F67.1-1F11.4
馬なり・併せ馬先着
今回、調教面で最も高く評価したいのがベルウッドディープです。
1週前は6F80秒8という優秀な全体時計を記録し、ラスト1Fも11秒2。古馬を相手に大きく追走する形から先着しており、負荷と反応の両面で高い評価ができます。
最終追い切りではミカッテヨンデイイを追走し、直線で内から鋭く加速。馬なりのまま先着して、ラスト11秒4を記録しました。
特に好印象なのは、1週前にしっかり負荷をかけたうえで、最終追い切りでは無理に追わずとも速い脚を使えている点です。
室井調教師も順調な調整過程と精神面の成長を評価しています。
1週前の負荷、最終追い切りの反応、精神面の成長がそろっており、今回の追い切りでは最も減点材料が少ない1頭です。
東京芝1600mの新馬戦では、好位で脚をためて2馬身半差の快勝。前につけながら直線でも伸びたレース内容は今回の舞台でも魅力です。
父エフフォーリア、母父ディープインパクトという血統も興味深く、これからの成長が楽しみな存在です。
総合診断:S
休み明けでも仕上がりは高水準。最終予想ではフィリオソラーレと並ぶ本命候補として考えたい馬です。
A+評価|サトノハクマイ
上積み注目
サトノハクマイ
父:シルバーステート
母:ポールポジションⅡ
母父:Pivotal
美浦W・6F83.5-1F11.2
馬なり・併せ馬先着
美浦W・6F83.2-1F11.1
馬なり・併せ馬同入
今回の追い切りで評価を引き上げたいのがサトノハクマイです。
1週前は戸崎騎手を背に、馬なりでラスト11秒2。併せ馬にも先着する内容で、非常に軽快な動きを見せました。
最終追い切りでも6F83秒2、ラスト11秒1。古馬3勝クラスのサトノワーグナーと併入しています。
時計だけでも好印象ですが、2週続けて馬なりで鋭い伸びを記録している点は大きな魅力です。
陣営も一度使ったことによる良化を感じており、状態面での上積みが期待できます。
鋭いラスト1Fを2週連続で記録。完成度の高さに加えて、初戦を使った上積みが見込める仕上がりです。
新馬戦は中山芝1600mの重馬場で、2番手から抜け出して勝利しました。
今回は東京の軽い芝への対応が重要ですが、陣営はむしろ良い条件と捉えているようです。
先行力があり、追い切りでは速い脚も見せているだけに、スローペースからの瞬発力勝負でも侮れません。
総合診断:A+
今回の追い切りで注目度が大きく上昇。能力比較でも上位候補に加えたい1頭です。
A評価|フィリオソラーレ
能力上位
フィリオソラーレ
父:エピファネイア
母:フィリアプーラ
母父:ハービンジャー
美浦W・7F97.9-1F11.6
ゴール前仕掛け・併せ馬同入
美浦W・5F68.7-1F11.3
ゴール前仕掛け・併せ馬同入
前回の考察記事で本命候補として取り上げたフィリオソラーレ。
最終追い切りは美浦Wコースで3頭併せ。シンザン記念を勝ったサンダーストラックと併入し、ジュナベーラには先着しました。
ラスト11秒3を記録し、仕掛けられてからの反応も良好。4か月ぶりの実戦でもしっかり調整できています。
一方、陣営からは新馬戦当時と比べて走りの柔らかみがやや薄れているという指摘もありました。
これは無視できない材料ですが、現状の仕上がりを大きく疑うほどではないと考えます。
重賞勝ち馬との併せ馬で互角の動き。仕上がりは高水準ですが、追い切りによって評価をさらに大きく引き上げるほどではありません。
新馬戦は東京芝1600mで、好位3番手から上がり33秒3を使って快勝しました。
個人的にはこのレース内容が非常に魅力的です。
後方から差すだけでなく、前の位置を確保したうえで速い上がりを使えることは、東京マイルで大きな武器になります。
総合診断:A
追い切り最上位ではありませんが、近走内容・舞台適性を含めると依然として有力候補です。
A評価|ジップスパーク
上昇候補
ジップスパーク
父:オルフェーヴル
母:ジペッサ
母父:City Zip
美浦W・6F79.1-1F11.9
一杯・併せ馬同入
美浦W・6F84.2-1F11.4
馬なり・併せ馬同入
ジップスパークも状態面で注目したい馬です。
1週前には6F79秒1という速い全体時計を記録。しっかり負荷をかけた内容で、最終追い切りでは一転して馬なりでラスト11秒4を記録しました。
最終追い切りで余力を残せたことは好材料です。
新馬戦ではまだ余裕があったとされ、陣営も実戦を使って馬がしっかりしてきたと感じているようです。
1週前に強い負荷をかけ、最終追い切りで余裕を残す理想的な流れ。上積みを期待できます。
新潟芝1600mの新馬戦では、好位から抜け出して2馬身差で勝利しました。
長い直線を持つ左回りコースで結果を出しているため、東京替わりも悪くありません。
フィリオソラーレやベルウッドディープに人気が集中するようなら、相手候補として面白い存在です。
総合診断:A
前回は穴候補として評価しましたが、追い切り内容から相手上位候補に引き上げたい1頭です。
A−評価|アゴルディーノ
成長に注目
アゴルディーノ
父:エフフォーリア
母:モルトフェリーチェ
母父:ディープインパクト
美浦W・6F83.5-1F11.4
一杯・併せ馬先着
美浦W・5F68.3-1F11.3
ゴール前仕掛け
アゴルディーノは1週前に古馬相手の併せ馬で先着し、最終追い切りでもラスト11秒3を記録しました。
陣営からは前走時より馬体が大きく成長したとの話もあり、短期間での良化がうかがえます。
コスモス賞2着などキャリアの浅い2歳馬としては実戦経験もあり、状態面も悪くありません。
馬体の成長と調教内容は好材料。ただし東京マイルの速い上がり勝負への対応は見極めたいところです。
ベルウッドディープと同じ父エフフォーリア×母父ディープインパクトという配合ですが、現時点では少し違うタイプに見えます。
調教内容は評価できますが、瞬発力勝負への適性という意味ではベルウッドディープを上に取りたいと考えます。
総合診断:A−
状態面の上積みは評価。展開次第では上位争いに加わっても不思議ではありません。
A−評価|グルーヴェンス
時計良好
グルーヴェンス
父:カラヴァッジオ
母:グルーヴライン
母父:モーリス
美浦W・6F82.9-1F11.5
強め・併せ馬同入
美浦W・5F65.9-1F11.4
強め・併せ馬先着
最終追い切りの5F65秒9は、今回の出走予定馬の中でも速い部類に入ります。
ラストも11秒4でまとめ、併せ馬に先着。調教の動きそのものは十分評価できます。
ただし今回は初めての1600m戦です。
陣営も距離適性については慎重な見方をしており、マイルへの延長が課題になります。
調教時計は優秀。状態面は良好ですが、距離適性については追い切りだけで判断できません。
調教で速い時計を出せることと、東京1600mで最後まで脚を使えることは別の問題です。
能力を発揮できる距離なのか、実戦で確認したい1頭です。
総合診断:A−
仕上がりは良好。距離延長への対応が評価の分かれ目になります。
B+評価|デミアン
素質上位
デミアン
父:Flightline(フライトライン)
母:Mira Alta
母父:Curlin
美浦W・6F83.4-1F11.5
一杯・併せ馬同入
美浦W・6F83.2-1F11.8
馬なり・併せ馬同入
フライトライン産駒として注目されるデミアン。
1週前は斎藤新騎手が騎乗し、一杯に追われてラスト11秒5を記録。騎手からも反応の良さを評価されました。
最終追い切りは馬なりでラスト11秒8。古馬との併せ馬で同入しています。
1週前より最終追い切りのラスト時計は遅くなりましたが、今回は馬なりでの調整です。数字だけで状態が悪化したと判断する必要はありません。
一方で、最終追い切りでは行きたがる面が見られたという情報もあります。
今回は1400mから1600mへの延長だけに、道中でどれだけ折り合えるかが重要です。
順調な仕上がりですが、調教で大幅な上昇を確認できたとまでは言い切れません。折り合い面に注目です。
初戦は東京芝1400mを鋭い末脚で差し切り勝ち。父フライトライン譲りの能力を感じさせる走りでした。
今回の距離延長についても、陣営はこなせると見ています。
能力面では引き続き高く評価したいものの、今回の追い切り内容だけならベルウッドディープやサトノハクマイを上に取ります。
総合診断:B+
追い切りは順調。能力面の魅力は維持しつつ、折り合いとレース展開を確認したい馬です。
その他の登録馬|追い切り診断
アイファーマーリン
強め・併せ馬0.1秒遅れ
最終追い切りは松岡騎手が騎乗し、強めに追われてラスト11秒8。併せ馬にはわずかに遅れました。
数字だけで大きく評価を上げる内容ではありませんが、陣営は東京の長い直線への適性を評価しています。
新潟の新馬戦では上がり32秒8を記録しており、末脚の能力は軽視できません。
診断:状態はおおむね順調。差し脚を生かせる展開になれば警戒したい馬です。
ハンサム
馬なり・単走
最終追い切りは坂路で軽めの調整となりました。
前走からのレース間隔が短いため、強い負荷をかけなかったこと自体は不自然ではありません。
陣営も落ち着きがあり、良好な状態と評価しています。
診断:順調な仕上がり。大幅な上積みより、現状の能力を発揮できるかが焦点です。
ライーリーアース
馬なり・併せ馬先着
最終追い切りはアイファーマーリンを相手に先着しました。
馬なりで余力を残しており、調整自体は順調と考えられます。
ただし、今回の上位評価馬と比較すると、調教面で強く推せる材料はやや少ない印象です。
診断:順調な仕上がり。上位馬との能力比較を優先したいところです。
ギブリ
馬なり・併せ馬遅れ
最終追い切りは横山典弘騎手が騎乗し、軽めの内容でした。
併せ馬には遅れていますが、中1週のローテーションだけに、調教を抑えたことは考慮すべきです。
前走では馬群の中から勝負根性を見せており、レース内容には評価できる部分があります。
診断:調教面での強調材料は少なめ。ただし軽めの調整を理由に能力まで低く評価する必要はありません。
ニシノトラノスケ
強め・単走
1週前は6F80秒4と、しっかりした全体時計を記録しています。
ただし最終追い切りは強めに追われてラスト12秒2。終いの鋭さという点では、今回の高評価馬に一歩譲る内容です。
もちろん1週前に負荷をかけているため、最終時計だけで仕上がり不足と断定するべきではありません。
診断:中間の調整量は評価できますが、最終追い切りでの加点は控えめです。
事前考察から評価が変わった馬は?
前回の考察記事では、フィリオソラーレを中心候補、ベルウッドディープをそれに近い評価、デミアンを能力上位、ジップスパークを穴候補としていました。
今回の追い切りを踏まえると、評価を少し変更したい部分があります。
フィリオソラーレ
変更:有力候補を維持
東京マイルの新馬戦で見せた内容は依然として優秀。調教も良好で、大きく評価を下げる必要はありません。
ベルウッドディープ
変更:本命候補として評価上昇
1週前と最終追い切りの内容が非常に優秀。フィリオソラーレとの差は小さく、状態面ではこちらを上位に取ります。
サトノハクマイ
変更:注目度上昇
2週続けて鋭い動きを見せた点は魅力。先行できる脚質も含め、上位候補として再評価したい馬です。
デミアン
変更:能力評価は維持
順調な追い切り内容ですが、追い切りだけで最上位と評価するほどではありません。素質と距離適性を重視して判断します。
ジップスパーク
変更:相手上位候補へ
1週前にしっかり負荷をかけ、最終は余裕のある内容。前回の穴候補評価から、少し積極的に取り上げたい馬です。
東京マイルで重要なのは追い切り時計だけではない
今回の追い切りでは、ベルウッドディープやサトノハクマイなどがラスト11秒台前半の鋭い時計を出しています。
ただし、調教で速いラップを記録することと、レースで上がり33秒台の末脚を使うことは同じではありません。
東京芝1600mでは、道中のペース、折り合い、位置取り、直線での進路など、さまざまな要素が関係します。
特に重視したいのは、前目の位置を確保しながら最後まで脚を使えるかという点です。
フィリオソラーレとベルウッドディープは、すでに東京マイルの新馬戦でそのような競馬を見せています。
サトノハクマイも先行力があり、最終追い切りで鋭い伸びを見せたことから、瞬発力勝負への対応が楽しみです。
一方、デミアンは初戦で見せた末脚が魅力ですが、東京マイルでその脚をどの位置から使えるかが鍵になるでしょう。
最終追い切り総評|特に注目したい4頭
追い切り最上位:ベルウッドディープ
1週前・最終とも高水準。調整過程、反応、余力のバランスが良く、今回の追い切りでは最高評価としました。
上積みに期待:サトノハクマイ
2週続けて鋭い末脚を見せており、初戦を使った成長も期待できます。今回の注目度が最も上がった馬の1頭です。
実戦内容も優秀:フィリオソラーレ
調教評価はAですが、東京1600mで見せたレース内容は高評価。最終予想では引き続き有力候補です。
上昇候補:ジップスパーク
1週前にしっかり負荷をかけ、最終は馬なりで好時計。状態面の上積みが期待できます。
なお、追い切り評価Sだから必ず本命にするというわけではありません。
ベルウッドディープとフィリオソラーレは、レース内容も含めると現段階ではかなり接近した評価です。
サトノハクマイやジップスパークにも上積みが期待でき、重賞で初めて顔を合わせる2歳馬同士の比較は簡単ではありません。
今回は追い切り診断として各馬の状態を整理しました。
最終予想では、枠順と当日の馬場傾向を確認し、近走能力と東京マイル適性を優先して本命馬を絞っていきたいと思います。
本記事は2026年10月8日時点の公表時計・調教取材情報をもとに作成した独自診断です。JRA公式の調教動画は10月9日公開予定のため、映像での最終確認は反映していません。出走取消や直前の変更についてはJRA公式情報をご確認ください。
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追い切り診断と合わせて、事前の能力比較や血統分析もご覧ください。
※評価は「血統で楽しむ競馬」による独自の見解です。調教時計の速さだけで競走能力や着順が決まるものではありません。
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