春の盾へ向けた最終追い切りが終了した。2026年の天皇賞春は、ダービー馬クロワデュノール、阪神大賞典をレコード勝ちしたアドマイヤテラ、昨年覇者ヘデントール、ダイヤモンドS覇者スティンガーグラスなど、長距離実績と絶対能力がぶつかる非常に見応えのある一戦になる。
ただし、京都芝3200mは単純なスピード勝負ではない。最終追い切りで重視したいのは、派手な時計だけでなく、折り合い、反応、長く脚を使えるフォーム、そして当週に余力を残した仕上げである。
今回は4月30日朝時点で判明している最終追い切り情報をもとに、各馬の状態面を整理していく。時計の良し悪しだけでなく、京都3200mへ向けた調整意図まで含めて評価したい。
4月30日朝時点で判明した最新追い切り情報
最終追い切り後に出てきた追加情報を整理すると、今回の天皇賞春は「速いラストを出した馬」よりも、3200m仕様にどう整えてきたかを重視したい一戦になってきた。
最新情報で特に注目したいポイント
・クロワデュノールは栗東CWで7F99.7-11.3。長めから負荷をかけ、距離延長を強く意識した内容。
・アドマイヤテラは栗東Pで6F81.9-11.9。阪神大賞典後でも活気十分で、完成度は高い。
・ヘデントールは美浦Wで5F68.9-11.4。3頭併せで折り合いと持続力を確認。
・スティンガーグラスは栗東坂路で4F55.0-13.2。時計は平凡でも、長距離馬らしい整え方。
・ヴェルミセルは栗東坂路で4F51.9-12.9。人気以上に状態面で怖い穴候補。
・ホーエリートは美浦Wで6F85.3-11.3。牝馬ながら長距離仕様の仕上げは順調。
・マイネルカンパーナは美浦Wで5F67.1-11.9。併せ先着で反応の良さが目立つ。
・タガノデュードは栗東坂路で4F53.2-12.0。状態は良いが、最大の焦点は3200mへの対応。
クロワデュノールは大阪杯から中3週のローテーションながら、当週に7Fから追われている点が大きい。中距離型のスピードで押し切るだけでなく、スタミナ面にも刺激を入れてきた調整と見ていい。
一方、アドマイヤテラはポリトラック単走でラスト11秒9。阪神大賞典を勝った後だけに、無理に攻め切る必要はないが、それでも直線でしっかり伸びた点は好印象。長距離戦へ向けた完成度は高い。
ヘデントールは派手な先着ではないが、道中の折り合いを確認しながら最後まで脚を伸ばした。昨年の天皇賞春を勝ったステイヤーとして、今回も舞台適性は最上位級。叩き2走目でどこまで状態を戻しているかが焦点になる。
天皇賞春の追い切りで重視したいポイント
京都芝3200mは、コーナーを6回通過し、序盤から終盤まで折り合いとリズムが問われる特殊な長距離GⅠである。最終追い切りで速いラスト1Fを出していても、力みが強すぎる馬は本番で折り合いを欠く危険がある。
今回の診断基準
・当週に無理をしすぎていないか
・1週前追い切りから上積みがあるか
・終いの反応が鋭いだけでなく、長く脚を使える雰囲気があるか
・3200mを意識した余力残しの調整になっているか
・馬体、気配、折り合い面に不安が出ていないか
短距離やマイル戦のように「ラストだけ速ければ良い」という見方は危険。春の天皇賞では、時計の派手さよりも、長距離仕様として整っているかを重視したい。
最終追い切り評価まとめ
7F99.7-11.3。長めから負荷をかけ、距離延長を意識した仕上げ。上昇度は最上位。
栗東Pで6F81.9-11.9。阪神大賞典後でも活気十分。完成度と安定感は高い。
坂路51.9-12.9。時計、登坂の力強さともに優秀。穴で最も面白い一頭。
Wで5F67.1-11.9。併せ先着で反応良好。長距離適性込みで警戒。
Wで5F68.9-11.4。折り合い確認の内容としては好感。叩き2走目で上昇。
Wで6F85.3-11.3。牝馬ながら長距離適性は十分。折り合いが鍵。
坂路55.0-13.2。時計は地味でも、長距離型としては順調な整え方。
坂路53.2-12.0。状態は良い。あとは3200mへの距離延長をどう見るか。
| 馬名 | 最終追い切り内容 | 評価 | 診断ポイント |
|---|---|---|---|
| クロワデュノール | 栗東CW 99.7-82.7-67.3-52.2-36.9-11.3 | S | 7Fから長めに追われ、終いも11秒3。距離延長を見据えた負荷で、状態面は最上位。 |
| アドマイヤテラ | 栗東P 81.9-65.5-51.5-38.3-11.9 | A+ | ポリトラック単走で伸び伸びとした動き。阪神大賞典後でもダメージを感じさせない。 |
| ヘデントール | 美浦W 68.9-53.4-38.0-11.4 | A- | 3頭併せで折り合い確認。派手さよりもリズム重視で、叩き2走目の上積みは見込める。 |
| スティンガーグラス | 栗東坂路 55.0-39.4-26.1-13.2 | B+ | 時計は目立たないが、調教で派手に動くタイプではない。長距離適性込みで評価。 |
| ヴェルミセル | 栗東坂路 51.9-38.9-25.7-12.9 | A | 坂路で好時計。ゴールドシップ産駒らしい持続力があり、タフな馬場ならさらに怖い。 |
| ホーエリート | 美浦W 85.3-68.7-53.3-37.7-11.3 | A- | 終いの反応は良好。牝馬ながらスタミナ型で、折り合いがつけば面白い。 |
| マイネルカンパーナ | 美浦W 67.1-52.1-37.7-11.9 | A | 併せ先着で反応良好。長距離でこそ味が出るタイプで、伏兵として警戒。 |
| タガノデュード | 栗東坂路 53.2-37.9-24.1-12.0 | B+ | 活気ある動き。状態は良いが、最大の焦点は3200mへの距離延長。 |
| シンエンペラー | 栗東CW 84.8-69.5-54.0-38.5-11.2 | B+ | 終いの脚は目立つが、併せ遅れの形。能力は高いが、長距離適性は見極めたい。 |
| ミステリーウェイ | 栗東CW 83.1-67.3-52.2-37.0-11.3 | B | 動きは悪くない。勝ち負け評価よりも、展開を作る存在として注目。 |
※評価は追い切り内容・中間過程・距離適性を加味した状態面の診断です。最終的な予想印は枠順、馬場、当日の気配を確認して判断したいところです。
有力馬の最終追い切り診断
クロワデュノール|7F99.7で長距離仕様を明確に意識
最終追い切りで最も評価を上げたいのはクロワデュノール。栗東CWで7F99.7-82.7-67.3-52.2-36.9-11.3。7Fから長めに入って、最後までしっかり脚を伸ばした。
この馬にとって最大のテーマは、やはり3200mへの距離延長である。大阪杯を勝った直後の中3週で、当週にここまで長めから負荷をかけられたことは大きい。単に状態を維持しているだけではなく、春の盾へ向けてスタミナ面にも刺激を入れてきた調整と見ていい。
1週前にもCWでしっかり動いており、最終追い切りはその延長線上で長距離仕様へ整える内容。直線での反応も良く、終い11秒3なら時計面にも不満はない。
もちろん、実戦で3200mを走り切るまでは距離不安が完全に消えるわけではない。ただ、追い切り過程だけを見れば、距離延長に対してかなり丁寧に準備されている。
評価S。状態面、上昇度、調整意図の明確さを含めて、今回の最終追い切りでは最上位に置きたい。
アドマイヤテラ|派手さより完成度。長距離馬としての安定感は抜群
アドマイヤテラは栗東ポリトラックで6F81.9-65.5-51.5-38.3-11.9。単走で伸び伸びと走り、直線で仕掛けられるとしっかり反応した。
阪神大賞典をレコード勝ちした後だけに、当週で無理に攻め切る必要はない。むしろ、ポリトラックで馬のリズムを整えながら、終いに11秒9を出せた点を評価したい。
この馬の強みは、長距離戦での操縦性と持続力。武豊騎手とのコンビも魅力で、阪神大賞典ではロスなく運び、最後まで脚を使い切った。今回も京都3200mという舞台に対して、不安よりも期待が大きい。
クロワデュノールのような急上昇感ではないが、アドマイヤテラはすでに長距離馬として完成されている。追い切り内容も、その完成度を崩さず本番へ向かう理想的な流れに見える。
評価A+。勝負仕上げというより、良い状態を維持して本番へ向かう安定感を高く評価したい。
ヘデントール|折り合い確認の好内容。昨年覇者らしい上昇気配
昨年の天皇賞春覇者ヘデントールは、美浦Wで5F68.9-53.4-38.0-11.4。3頭併せの真ん中で、道中は折り合いを確認しながら、直線で脚を伸ばした。
見た目の派手さだけでいえば、クロワデュノールやアドマイヤテラほど目立つわけではない。ただし、京都3200mを考えると、道中で力まず、最後まで脚を使う内容は非常に大事である。
前走の京都記念は休み明けで8着。ブランク明けに加えて距離も短く、本来の持ち味を出し切れなかった。今回は叩き2走目で条件も一気に良くなる。昨年の勝ち馬であり、芝3000m以上の実績を考えれば、舞台適性はメンバー上位だ。
一方で、昨年の絶好調時と比べてどこまで戻っているかは慎重に見たい。追い切り評価は上方修正できるが、最終的には当日の気配も確認したい一頭である。
評価A-。遅れや見た目の地味さよりも、折り合いと持続力を確認できた点を評価する。
スティンガーグラス|時計は地味でも、実戦向きのステイヤー
スティンガーグラスは栗東坂路で4F55.0-39.4-26.1-13.2。時計そのものは目立たない。ただ、この馬は調教で派手に動くタイプというより、実戦の長丁場で良さが出るステイヤーである。
ダイヤモンドSを勝っているように、スタミナと持続力は今回のメンバーでも上位。最終追い切りは折り合いとリズムを重視した内容で、無理に時計を出しにいかなかった点は悪くない。
クロワデュノールやアドマイヤテラに比べると、追い切りの迫力では見劣る。ただ、レースが消耗戦寄りになれば、実戦適性で浮上してくる余地はある。
評価B+。追い切り評価だけで強く推すタイプではないが、長距離適性込みで軽視はできない。
ホーエリート|牝馬ながら長距離適性は十分。折り合いが鍵
ホーエリートは美浦Wで6F85.3-68.7-53.3-37.7-11.3。終いまでしっかり伸びており、状態面は良い。
ステイヤーズSを勝っているように、距離そのものへの不安は小さい。ルーラーシップ産駒らしい持続力があり、京都3200mでもリズム良く運べれば面白い存在になる。
課題は折り合い。前向きさが良い方向に出れば武器になるが、序盤から力んでしまうと最後に甘くなる。牝馬でこのメンバーに入る以上、当日のテンションも重要になる。
評価A-。状態は良く、長距離適性も評価できる。人気次第では相手候補として十分に面白い。
穴で面白い追い切り馬
ヴェルミセル|坂路51.9は穴候補としてかなり魅力
今回、穴で最も目を引くのはヴェルミセル。栗東坂路で4F51.9-38.9-25.7-12.9。単走ながら力強く登坂できており、状態面ではかなり目立つ内容だった。
ゴールドシップ産駒らしい持続力と渋太さがあり、馬場が少しでもタフになれば評価を上げたいタイプ。相手は強くなるが、追い切りの動きだけなら人気以上に評価できる。
1週前のCWでも反応の良さを見せており、中間から最終追い切りまで流れが良い。上位人気馬を力でねじ伏せるには展開の助けが必要だが、馬券の相手としてはかなり面白い。
評価A。穴で拾うなら、今回の最終追い切りから最も注目したい一頭。
マイネルカンパーナ|反応の良さが目立つ伏兵
マイネルカンパーナは美浦Wで5F67.1-52.1-37.7-11.9。併せ馬で先着しており、反応の良さが目立った。
ステイヤーズSで2着があるように、距離そのものは合う。前走ダイヤモンドSは7着だったが、長距離戦で自分のリズムを守れれば、巻き返しの余地はある。
追い切りの雰囲気は良く、人気が大きくないなら三連系の相手候補として検討したい。京都外回りで長く脚を使う展開になれば、浮上する可能性がある。
評価A。追い切りの反応だけなら、伏兵勢の中でも上位に評価できる。
ミステリーウェイ|展開面で不気味な存在
ミステリーウェイは栗東CWで6F83.1-11.3。時計面は悪くなく、併せ同入で整えられた。
この馬に関しては、追い切り評価そのものよりもレースでどのような形を取るかが焦点になる。京都3200mは隊列とペースが結果を大きく左右するだけに、前半の流れを作る存在として注意したい。
勝ち負けの中心評価ではないが、展開を読むうえでは必ず触れておきたい一頭である。
評価を分けたい馬
タガノデュード|状態は良いが、やはり距離が最大の壁
タガノデュードは栗東坂路で4F53.2-37.9-24.1-12.0。活気ある動きで、馬自身の充実ぶりは伝わってくる。
大阪杯でも差のない競馬をしており、ここにきての地力強化は確か。追い切りの動きだけなら評価を下げる必要はない。
ただし、最大の課題は3200m。中距離で見せている末脚を、春の天皇賞の長丁場で同じように使えるかは慎重に判断したい。状態は買えるが、馬券評価では距離適性とのバランスが必要になる。
評価B+。状態面は良好。距離をこなせば怖いが、現時点では過信禁物。
シンエンペラー|終いの脚は目立つが、長距離適性は見極めたい
シンエンペラーは栗東CWで6F84.8-69.5-54.0-38.5-11.2。終いの時計は優秀で、能力の高さを感じさせる内容だった。
一方で、併せ遅れの形になっている点、そして3200mへの適性は慎重に見たい。中距離での総合力は高いが、春の天皇賞はスタミナと折り合いの比重が大きい。
追い切りの終いだけなら評価できるが、馬券の中心に置くには距離面の判断が必要になる。
評価B+。能力は認めつつ、長距離戦としては少し評価を分けたい。
最終追い切りから見た結論
最終追い切りで最も評価したいのはクロワデュノール。
7F99.7-11.3という長めからの追い切りは、3200mへの距離延長を明確に意識した内容。大阪杯から中3週でもしっかり負荷をかけられており、状態面と上昇度は今回のメンバーで最上位に評価したい。
アドマイヤテラは、派手な上昇度というより完成度と安定感が魅力。阪神大賞典を勝った後でも活気は十分で、ポリトラック単走でラスト11秒9なら状態面に不安は少ない。京都3200mへの適性も高く、中心候補として信頼しやすい。
ヘデントールは昨年覇者として当然怖い。追い切りでは道中の折り合いを確認し、最後まで脚を伸ばした。前走からの上積みは見込めるが、昨年の絶好調時と比べてどこまで戻っているかは当日の気配も含めて確認したい。
穴で面白いのはヴェルミセルとマイネルカンパーナ。どちらも追い切り内容が良く、特にヴェルミセルは坂路51秒9の動きが目立つ。馬場がタフになれば、ゴールドシップ産駒らしい持続力が生きる可能性がある。
追い切り評価の最終まとめ
・状態最上位:クロワデュノール
・完成度と安定感:アドマイヤテラ
・叩き2走目で上昇:ヘデントール
・長距離適性で警戒:スティンガーグラス、ホーエリート
・穴で注目:ヴェルミセル、マイネルカンパーナ
・状態は良いが距離課題:タガノデュード
・能力は高いが距離判断が必要:シンエンペラー
・展開面で不気味:ミステリーウェイ
天皇賞春は、枠順と馬場で評価が大きく変わるレースでもある。現時点では、最終追い切りの上昇度を重視してクロワデュノールを高く評価しつつ、長距離適性と完成度のアドマイヤテラ、叩き2走目のヘデントール、そして状態の良い伏兵勢をどう組み込むかが馬券のポイントになりそうだ。
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