2026年の函館2歳ステークスには、函館で圧勝したシグレやイモージェン、阪神で速い勝ち時計を記録したロンドンガーズ、8馬身差で初戦を飾ったフレイコンなど、デビュー戦から強いインパクトを残した馬が集まりました。
一方で、2歳夏の重賞はキャリアの浅い馬同士の対戦です。新馬戦の着差や勝ち時計だけでは測れない部分も多く、初めて経験する速い流れ、多頭数、洋芝への適性、短い間隔での上積みと反動まで考える必要があります。
今回は、現時点で確認できるレース成績、血統、馬体重、想定人気、函館芝1200mの特徴を整理しながら、枠順確定前の段階で注目したい馬を考察します。
2026年7月15日時点の登録情報をもとに作成しています。枠順、出走馬、騎手、馬場状態、想定人気は今後変わる可能性があります。
函館2歳ステークス2026のレース概要
| 開催日 | 2026年7月19日(日) |
|---|---|
| 競馬場 | 函館競馬場 |
| コース | 芝1200m |
| 条件 | 2歳オープン・GIII・馬齢戦 |
| 登録頭数 | 15頭 |
| 使用コース | Bコース使用予定 |
| 枠順発表 | 7月16日(木)予定 |
函館2歳ステークスは、その世代で最初に行われるJRA重賞です。出走馬の大半がキャリア1戦か2戦であり、能力差だけでなく、初めて経験する条件への対応力が結果を大きく左右します。
函館芝1200mは最後の直線が約262mと短く、基本的には先行力が重要です。ただし、今年は逃げや先行で新馬戦を勝った馬が多く、序盤からポジション争いが激しくなる可能性があります。
単純に「前に行ける馬」を選ぶのではなく、速い流れに巻き込まれても最後まで踏ん張れる馬や、好位で脚をためられる馬を重視したい組み合わせです。
現時点の想定人気
7月14日時点のAI予想オッズでは、函館芝1200mの新馬戦を6馬身差で圧勝したシグレが1番人気候補。ロンドンガーズ、イモージェン、ダイメイビッグボスが続く想定です。
| 想定順位 | 馬名 | 予想オッズ |
|---|---|---|
| 1 | シグレ | 2.1倍 |
| 2 | ロンドンガーズ | 4.8倍 |
| 3 | イモージェン | 5.3倍 |
| 4 | ダイメイビッグボス | 8.2倍 |
| 5 | フレイコン | 13.4倍 |
| 6 | フェリチタ | 19.9倍 |
| 7 | アルテクィーン | 23.3倍 |
| 8 | ノリヤンモーニン | 24.9倍 |
| 9 | ショウナンカノア | 26.0倍 |
| 10 | ダイシンドラゴン | 36.8倍 |
| 11 | セタキト | 57.3倍 |
| 12 | クロリス | 61.4倍 |
| 13 | ダマスク | 127.6倍 |
| 14 | ウンスイ | 240.5倍 |
| 15 | アイルドフルール | 625.1倍 |
※上記は7月14日時点の予想値であり、実際の前売りオッズではありません。
過去10年から見える函館2歳ステークスの傾向
上位人気だけでは決まりにくい
過去10年の3着以内馬30頭中19頭は1~4番人気でしたが、毎年少なくとも1頭は6番人気以下が馬券に絡んでいます。
二桁人気馬にも注意
10番人気以下からも過去10年で2勝、3着以内6回。完成度の比較が難しい2歳戦らしく、人気薄の食い込みが珍しくありません。
馬格もひとつの判断材料
過去10年の3着以内馬30頭中21頭は、前走時の馬体重が450キロ以上でした。洋芝を走り切るパワーや体力が問われやすい傾向です。
勝ち馬は外寄りの枠が優勢
過去10年の勝ち馬10頭中8頭が5~8枠。反対に3着馬はすべて1~4枠から出ており、枠順によって評価を調整したいレースです。
| 人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 3着内率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1番人気 | 2 | 2 | 0 | 6 | 40.0% |
| 2番人気 | 2 | 2 | 2 | 4 | 60.0% |
| 3番人気 | 1 | 1 | 2 | 6 | 40.0% |
| 4番人気 | 2 | 1 | 2 | 5 | 50.0% |
| 5番人気 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0.0% |
| 6~9番人気 | 1 | 3 | 1 | 35 | 12.5% |
| 10番人気以下 | 2 | 1 | 3 | 46 | 11.5% |
2025年は9番人気のエイシンディードが優勝し、2023年も10番人気のゼルトザームが勝利しました。実績の少ない時期だけに、新馬戦の着差や人気だけで序列を固定しないことが重要です。
函館芝1200mの特徴と展開予想
函館芝1200mは2コーナー奥のポケットからスタートし、3コーナーまで約490mあります。序盤の直線が長いため外枠でも前へ行く時間はありますが、先行馬が多い年はペースが落ち着きにくくなります。
ゴール前の直線は短いものの、コース全体には緩やかな起伏があり、洋芝も軽い芝とは異なる力を必要とします。スピードだけで押し切るには、最後まで脚を維持する体力が欠かせません。
前へ行く可能性が高い馬
シグレ、ロンドンガーズ、フレイコン、フェリチタ、セタキト、ノリヤンモーニン
好位から運べそうな馬
イモージェン、ダイメイビッグボス、ダイシンドラゴン、アルテクィーン
展開のポイント
逃げたい馬が複数いるため、前半から極端に緩む可能性は低そうです。前走で逃げ切った馬の着差だけでなく、好位や馬群の中でもリズムを崩さず走れるかが重要になります。
有力馬の個別考察
イモージェン
母父:キングカメハメハ
前走:函館芝1200m新馬1着
前走馬体重:442キロ
初戦は函館芝1200mを1分09秒0で勝利。逃げ馬を見る形の4番手付近から進み、直線で抜け出して上がり3ハロン33秒6を記録しました。
逃げ切り勝ちが多いメンバーの中で、前の馬を目標にしながら脚をためる競馬ができた点は大きな強みです。重賞で先行争いが激しくなっても、自分のリズムを守りやすいタイプと考えられます。
父サリオスはハーツクライ産駒ながら、現役時代は朝日杯フューチュリティステークスを勝ったスピード型。母系にはシーザリオが入り、血統面の奥行きも十分です。
不安材料:前走442キロと、過去の好走傾向ではやや小柄な部類。雨で力の要る馬場になった場合は、馬格のある相手との比較が必要です。
ダイメイビッグボス
母父:イントゥミスチーフ
前走:函館芝1200m新馬1着
前走馬体重:460キロ
稍重の函館芝1200mで行われた新馬戦を1分09秒4で勝利。序盤は6番手付近に控え、徐々に位置を上げて直線で抜け出しました。
前走は逃げずに勝っており、先行争いが激しくなりそうな今年の組み合わせでは展開面の融通が利きます。460キロの馬格があり、時計のかかる洋芝や多少の雨にも対応できそうです。
半姉にはファンタジーステークスを勝ったダンツエランがいます。スピードだけでなく、実戦での立ち回りや完成度を含めて評価したい一頭です。
不安材料:前走の勝ち時計は上位人気候補より目立ちません。良馬場で極端な高速決着になった場合は、純粋な時計比較で見劣る可能性があります。
シグレ
母父:ジャイアンツコーズウェイ
前走:函館芝1200m新馬1着
前走馬体重:440キロ
新馬戦ではスタート直後から先頭に立ち、後続を6馬身離して1分09秒3で圧勝しました。直線でも手応えには余裕があり、初戦の内容だけを見れば最上位級です。
父トワーリングキャンディ、母父ジャイアンツコーズウェイという米国色の強い血統で、函館の洋芝を力強く走れた点にも納得できます。スピードの持続力と先行力は、函館芝1200mに合っています。
ただし、今回は同じように前へ行きたい馬が多く、楽に単騎で運べた新馬戦とは流れが変わる可能性があります。能力は高く評価しつつ、1番人気になるなら展開面まで慎重に確認したいところです。
不安材料:前走440キロと小柄で、初めて他馬から強く競りかけられた際の対応は未知数です。
ロンドンガーズ
母父:ストロール
前走:阪神芝1200m新馬1着
前走馬体重:442キロ
阪神芝1200mの新馬戦を1分08秒2で逃げ切り、2着に3馬身差をつけました。上がり3ハロンも33秒8でまとめており、前走の走破時計は登録馬の中でも目立ちます。
父グレーターロンドンはスピードと瞬発力を伝える種牡馬で、本馬も軽快な脚さばきが魅力です。内回りコースでスピードを維持した内容から、函館の短い直線にも対応できるでしょう。
一方、阪神の良馬場と函館の洋芝では求められる適性が異なります。時計の数字だけでシグレやイモージェンより上と判断するのは危険です。
不安材料:初めての洋芝に加え、前走442キロ。雨が降って馬場が重くなるほど、パワー面が課題になる可能性があります。
フレイコン
母父:コディアック
前走:函館芝1200m新馬1着
前走馬体重:490キロ
7月11日の新馬戦を1分09秒3で逃げ切り、後続に8馬身差をつけました。490キロの恵まれた馬体を持ち、序盤から最後までスピードを落とさなかった内容には高い素質を感じます。
父ブルーポイントは欧州の短距離G1を4勝した快速馬。母父コディアックも短距離色が強く、函館2歳ステークスに向く早熟性とスピードを備えた血統です。
能力だけなら上位人気馬と遜色ありません。ただし、新馬戦から8日後となる連闘での出走予定です。キャリアの浅い2歳馬だけに、圧勝後の反動や輸送を伴わない滞在効果をどう判断するかが難しいところです。
不安材料:連闘と激しい先行争い。前走の8馬身差だけで過度に人気する場合は、慎重に扱いたい一頭です。
フェリチタ
母父:ハーツクライ
前走:函館芝1200m新馬1着
前走馬体重:440キロ
新馬戦では好スタートから主導権を握り、1分09秒5で3馬身差の勝利。短距離G1馬タワーオブロンドン産駒らしいスピードを見せました。
すでに函館の洋芝で結果を残しており、コース適性に大きな不安はありません。想定人気が上位4頭より控えめなら、相手候補として面白い存在です。
不安材料:シグレやフレイコンなど速い先行馬との兼ね合い。前走440キロで、馬場が悪化した際のパワーにも注意が必要です。
ノリヤンモーニン
母父:キングカメハメハ
前走:函館ダート1000m新馬1着
前走馬体重:462キロ
函館ダート1000mの新馬戦を5馬身差で逃げ切り、59秒2を記録しました。芝実績はありませんが、スタートの速さと462キロの馬格は魅力です。
2023年の勝ち馬ゼルトザームも函館ダート1000mの新馬戦から参戦しており、ダート組というだけで割り引く必要はありません。雨で芝が重くなれば、ダートで示したパワーが生きる可能性があります。
不安材料:芝での走りは未知数。良馬場で速い上がりを要求された場合は、芝組に切れ負けする可能性があります。
ダイシンドラゴン
母父:ハーツクライ
前走:函館芝1200m未勝利1着
前走馬体重:446キロ
新馬戦ではダイメイビッグボスの5着でしたが、続く未勝利戦を1分10秒2で勝利しました。すでに2戦を経験しており、初戦からの修正力と実戦経験はキャリア1戦馬に対する強みです。
前走は3番手から抜け出しており、逃げなくても競馬ができます。前が速くなった際に好位で立ち回れれば、上位争いへ加わる余地があります。
不安材料:勝ち時計は上位候補に見劣ります。時計を短縮できるかが重賞での課題です。
人気薄を含むその他の注目馬
ショウナンカノア
デビュー戦ではスタートに課題を見せましたが、2戦目は発馬を決めて後方から差し切りました。先行馬がそろった今回は、脚をためられる点が展開面の魅力。前崩れになれば浮上する穴候補です。
アルテクィーン
函館芝1200mで2戦連続2着。まだ未勝利ですが、ダイメイビッグボスと対戦した初戦でも大きく崩れていません。勝ち切れない反面、安定した先行力とコース経験は評価できます。
セタキト
函館芝1000mの新馬戦を57秒7で勝利し、最後の3ハロンを11秒6-11秒1-11秒0と加速しました。200mの距離延長には対応できそうですが、今回は同型が多く、前半で脚を使いすぎないことが条件です。
クロリス
阪神ダート1400mの新馬戦を勝利。芝への対応が最大の課題ですが、1200m組とは異なる距離経験と体力を持っています。雨でパワーを求められる馬場になれば注意したい存在です。
ダマスク
函館ダート1000mの新馬戦勝ちから参戦。ノリヤンモーニンと同様に芝適性が鍵ですが、ダート短距離を勝ち切る先行力は持っています。枠順と当日の馬場状態を確認したい一頭です。
ウンスイ
ホッカイドウ競馬からの参戦。中央の芝や速い流れへの対応は未知数ですが、地方競馬で実戦経験を積んでいる点はキャリアの浅い中央馬にはない強みです。
アイルドフルール
函館芝1200mの未勝利戦では7着。現時点の実績では上位候補との差があります。重賞で一変するには、枠順や展開の助けに加えて大幅な上積みが必要です。
馬場状態によって評価したい馬
7月15日時点の函館市の予報では、レース当日の7月19日は雨の可能性があります。予報は変化するため断定はできませんが、良馬場と道悪の両方を想定しておきたいところです。
良馬場~稍重の場合
- イモージェン:好位から速い上がりを使った内容を評価
- シグレ:先行力とスピードの持続力が魅力
- ロンドンガーズ:1分08秒2のスピードを生かせる
- フレイコン:馬格と先行力で押し切る可能性
- ショウナンカノア:速い流れなら差し脚が生きる
重馬場に近づいた場合
- ダイメイビッグボス:稍重で勝利し、馬格も十分
- ノリヤンモーニン:ダートで示したパワーが生きる
- シグレ:米国色の強い血統背景
- ダイシンドラゴン:ビッグアーサー産駒の持続力
- クロリス:ダート1400mを走り切った体力に注目
現時点の暫定評価
| 評価 | 馬名 | 評価ポイント |
|---|---|---|
| S | イモージェン | コース適性、好位での立ち回り、上がりの速さ |
| A | ダイメイビッグボス | 馬格、稍重実績、展開への対応力 |
| シグレ | 6馬身差の内容とスピード持続力 | |
| ロンドンガーズ | 走破時計と速い上がり | |
| B+ | フレイコン | 8馬身差、490キロの馬格、短距離血統 |
| フェリチタ | 函館適性と先行力 | |
| ノリヤンモーニン | 馬格と道悪でのパワー | |
| B | ダイシンドラゴン | 実戦経験と好位で運べる点 |
| ショウナンカノア | 差す競馬ができる展開面の魅力 | |
| アルテクィーン | 函館芝1200mでの安定感 | |
| C+ | セタキト、クロリス、ダマスク | 展開や道悪次第で評価を上げたい |
| C | ウンスイ、アイルドフルール | 現時点では大幅な上積みが必要 |
函館2歳ステークス2026考察まとめ
現時点で中心に考えたいのはイモージェンです。
函館芝1200mをすでに経験し、逃げ馬を見ながら好位で脚をため、上がり33秒6で抜け出した内容を評価しました。逃げ切り勝ちの馬が多い今年の組み合わせでは、前に行くだけでなく、他馬を目標にして走れた経験が強みになります。
相手候補では、稍重を好位から勝ったダイメイビッグボス、圧勝したシグレ、阪神で速い時計を記録したロンドンガーズを上位評価。フレイコンも能力は高そうですが、連闘と先行争いを考えると、人気とのバランスを見ながら判断したいところです。
穴候補としては、雨が降ればノリヤンモーニン、良馬場で前が速くなればショウナンカノアに注目します。
ただし、函館2歳ステークスは枠順による有利不利が結果に表れやすいレースです。特にシグレ、ロンドンガーズ、フレイコン、フェリチタなど先行タイプは、枠の並びによって序盤の負担が変わります。最終的な印は枠順、追い切り、当日の馬場状態を確認してから決めたいところです。
枠順確定後に確認したいポイント
- 先行馬が内枠に集中していないか
- シグレが無理なく先手を取れる並びか
- イモージェンが好位で包まれず運べる枠か
- フレイコンに連闘の疲れが見られないか
- 雨量と芝の傷み具合
- 馬体重が前走から大きく減っていないか
参考:JRA公式発表、JRA過去10年データ、各馬の公式レース結果、予想オッズ、2026年7月15日時点の気象予報をもとに作成。
※馬券の購入は20歳になってから。無理のない範囲で競馬を楽しみましょう。
