DLSS 5でゲーム映像はどう変わる?Switch 2のフレーム生成・PS5 Pro・PS6まで徹底解説

GameNews

ゲームのグラフィック競争が、大きく変わろうとしています。

これまでは「GPUが何TFLOPSあるのか」「ネイティブ4Kで動くのか」「60fpsを維持できるのか」といった、ハードウェアの生性能が注目されてきました。

ところが2026年現在、NVIDIAのDLSS、AMDのFSR、PS5 ProのPSSR、さらにフレーム生成など、AIや画像再構成技術によって“実際に描画する以上の映像を作り出す”技術が急速に重要になっています。

今回の記事では、DLSS 5を中心に、Switch 2のフレーム生成、PS5・PS5 Pro、AMDのFSR、そして将来のPS6までまとめて考えていきます。

特に、「Switch 2はDLSSでフレーム生成しているの?」「PS5では使えないの?」「AMDはNVIDIAにかなり遅れている?」「PS6はDLSS 5に負ける?」という疑問を整理します。

先に結論

・DLSS 5最大の新機軸は「フレーム生成」ではなく、AIによる新しいニューラルレンダリング
・Switch 2でもフレーム生成は使えるが、必ずしもDLSSによるものではない
・PS5でもすでにFSR 3によるフレーム生成の実績がある
・現在のAIグラフィックス技術はNVIDIAが先行している
・ただしAMDもFSR Redstoneでかなり本格的に追い始めた
・PS6世代ではSony+AMDの「Project Amethyst」が非常に重要になる

この記事の内容
  1. DLSS 5は何がすごいのか
  2. DLSS 5とフレーム生成は別の技術
  3. フレーム生成の仕組み
  4. Switch 2で「DLSS+FSR」という異例の組み合わせ
  5. カプコンもSwitch 2でフレーム生成を採用
  6. モンハンワイルズSwitch 2版は60fpsなのか
  7. PS5でもフレーム生成は使える
  8. それでもPS5で多用されない理由
  9. PS5 Proと進化版PSSR
  10. AMDはNVIDIAにどれほど遅れているのか
  11. Project AmethystとPS6
  12. 今後「ネイティブ4K」は重要ではなくなる?
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DLSS 5登場。ゲーム映像は「AIが作る」段階へ

NVIDIAは2026年9月1日、最新技術「DLSS 5」を正式発表しました。

DLSSというと、これまでは低い内部解像度でゲームをレンダリングし、それをAIによって4Kなどの高解像度へ再構成する技術というイメージが強かったと思います。

さらにDLSS 3以降ではフレーム生成が加わり、GPUが実際には描いていない中間フレームまで生成することで、表示フレームレートを大幅に引き上げることが可能になりました。

しかしDLSS 5は、さらに先へ進みます。

DLSS 5の重要ポイントは「3D-Guided Neural Rendering」

ゲームエンジンから得られる3D情報とAIモデルを利用し、従来のリアルタイムレンダリングだけでは表現コストが高かった「見た目」そのものを生成・補完していく技術です。

NVIDIAは、DLSS 5によって例えば次のような表現を強化できるとしています。

  • 人間の肌に光が入り込む表現
  • 髪を通過・散乱する光
  • 葉や植物を通過する光
  • 細かな接触影
  • 素材ごとの複雑な光の反応
  • 従来のリアルタイム処理では重かったフォトリアル表現

これは従来のアップスケーリングとは考え方が違います。

従来のDLSS
ゲームが作った映像 → AIで高解像度・高品質に再構成

DLSS 5
ゲームが持つ3D情報 → AIも最終的な見た目の生成に参加

つまり、「AIが映像を綺麗にする」から「AIも映像を作る」へ進み始めたとも言えます。

2026年9月には『NBA 2K27』で最初の実ゲーム導入が始まっており、GeForce RTX 50シリーズで利用できます。

まだ始まったばかりの技術ですが、今後のゲームグラフィックスを考えるうえでは非常に大きな転換点になる可能性があります。

注意:DLSS 5=フレーム生成ではない

ここは非常に混同しやすいところです。

DLSS 5そのものを「新しいフレーム生成技術」と考えるのは正確ではありません。

NVIDIAのDLSSは現在、複数の技術をまとめた大きなファミリーになっています。

技術 役割 簡単に言えば
DLSS Super Resolution アップスケーリング 低解像度から高解像度映像を再構成
Frame Generation フレーム生成 描画フレームの間に新しい画像を作る
Ray Reconstruction RT画像再構成 少ないレイ情報から高品質な映像を再構成
DLSS 5 3D-Guided Neural Rendering AIが最終的な外観表現の生成にも関与

つまり、フレーム生成はDLSSファミリーに含まれる重要技術ではありますが、DLSS 5の最大の新機軸は、そのさらに先にあるニューラルレンダリングです。

そもそも「フレーム生成」とは何なのか?

最近はSwitch 2関連の記事でも「フレーム生成」「フレームジェネレーション」という言葉を見ることが増えてきました。

仕組み自体は比較的分かりやすいものです。

本来のフレームA

生成された中間フレーム

本来のフレームB

GPUが本当に描画した2枚の画像の間に、新しい画像を生成して挿入します。

例えばゲームが毎秒30枚の映像を実際に描画している場合、各フレーム間に1枚ずつ新しいフレームを追加できれば、画面上では約60fps相当の表示が可能になります。

実60fps

ゲームそのものを毎秒60回描画。
入力やゲーム処理も高い更新頻度で動かせるため、操作レスポンスでは有利。

30fps+フレーム生成

基礎となるゲーム描画は30fps。
中間画像を生成することで、見た目を60fps相当に滑らかにする。

ここで重要なのは、

「画面に60枚表示される」ことと、「ゲームそのものが本当の60fpsで動いている」ことは同じではない

ということです。

フレーム生成は非常に強力ですが、元となるフレームレートが低い場合、入力遅延や補間ミス、残像などが問題になる場合があります。

Switch 2で驚きの「DLSS+AMD FSR」

Nintendo Switch 2はNVIDIA製GPUを採用しており、NVIDIAのDLSSを利用できます。

そのため、「Switch 2ではDLSSを使ってフレーム生成している」と考えがちですが、実際にはそう単純ではありません。

非常に興味深い例が、Switch 2版『Stellar Blade』です。

開発元Shift Upは、Switch 2版で次のような構成を採用していることを明らかにしています。

ゲーム本体:約30fpsを基礎に動作

NVIDIA DLSS
解像度をアップスケーリング

AMD FSR 3.1
フレーム補間を利用

60fpsをターゲット

つまり、非常に珍しいことに、

NVIDIA製GPU
+ NVIDIA DLSS
+ AMD FSR Frame Generation系技術

というライバル企業の技術が同じゲーム内で協力しているのです。

Shift Upの技術責任者は、Switch 2で使用しているDLSSにはフレーム生成機能がないため、PC向けFSR 3.1のフレーム補間機能を利用したと説明しています。

これはSwitch 2という比較的限られた消費電力・GPU性能のゲーム機で高品質なゲームを動かすための、かなり面白いアプローチです。

カプコンもSwitch 2でフレーム生成を本格採用

そして東京ゲームショウ2026で、さらに興味深い事例が出てきました。

カプコンの『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』Switch 2版です。

TGS2026の開発者インタビューでは、Switch 2版についてベースとなる動作は携帯モード・TVモードとも30fpsであることが説明されています。

そこにPCで使われているFSRのフレーム生成技術をSwitch 2向けに調整し、中間フレームを1枚追加することで、60fps相当の滑らかな表示を実現しています。

実際のゲーム描画:30fps

FSRで中間フレーム生成

見た目は60fps相当

さらに興味深いのは、開発者によればカプコンとしてSwitch 2でフレーム生成を実装するのは初めてという点です。

ただし開発者自身も、フレーム生成が万能ではないことを説明しています。

エフェクトやUIが大きく動く場面では、補間した画像に「アーティファクト」と呼ばれる残像のような乱れが発生する場合があります。

そのため製品版では、フレーム生成をオン・オフできるようになっています。

ここはかなり重要

Switch 2がPS5以上のGPU性能を持っているわけではありません。

むしろ「GPU性能が限られているからこそ、アップスケーリングやフレーム生成を積極的に利用して、実性能以上の見た目を作る」という方向へ進んでいます。

では『モンハンワイルズ』Switch 2版も60fpsなのか?

今回のカプコン開発者インタビューを読んでいると、『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』と『モンスターハンターワイルズ』の情報が混同しやすくなっています。

2026年9月19日時点で、『モンスターハンターワイルズ』Switch 2版についてカプコンが説明している目標は、安定した30fpsです。

開発者は、単なる「劣化版」「移植版」に見えない自然なグラフィックスを維持しながら、安定した30fpsで遊べるところを目標として調整していると説明しています。

TVモードでは解像度優先・パフォーマンス優先の選択肢も用意されますが、現時点でカプコンから

「Switch 2版モンハンワイルズがフレーム生成によって60fpsになる」

という発表はされていません。

今回話題になったカプコンの「30fps→60fps相当」というフレーム生成の話は、『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』Switch 2版です。

ただし、カプコンがRE ENGINEタイトルでSwitch 2向けフレーム生成のノウハウを得たことは重要でしょう。

今後、別のSwitch 2タイトルで同様の技術が使われる可能性には注目したいところです。

PS5はフレーム生成を使えない? 実はすでに使っている

Switch 2でフレーム生成という言葉を聞くと、次に出てくる疑問がこれです。

「Switch 2でできるなら、なぜPS5では使わないの?」

結論から言えば、PS5でもフレーム生成は利用できます。

しかも、すでに実際のゲームで使われています。

代表的なのが『Immortals of Aveum(アヴェウムの騎士団)』です。

2024年5月のアップデートで、PlayStation 5とXbox Series X|SにAMD FSR 3 Frame Generationが導入されました。

EAは同作について、FSR 3のフレーム生成をコンソールへ導入した最初のタイトルと説明しています。

つまり──

Switch 2だけがフレーム生成できる → ×
PS5ではフレーム生成できない → ×

PS5でもFSR 3 Frame Generationはすでに実用化されている → ○

したがって、Switch 2がフレーム生成を使っているからといって、「Switch 2の方がPS5より先進的」「PS5は技術的に負けている」と考えるのは正確ではありません。

それなら、なぜPS5ゲームでもっとフレーム生成を使わない?

ここは非常に面白いポイントです。

最大の理由は、フレーム生成は“本物の高フレームレート”を完全に置き換える技術ではないからです。

30fpsから60fpsを生成する場合

ゲーム内部:約30fps

中間フレームを生成

画面表示:約60fps相当

映像そのものはかなり滑らかになります。

しかしゲームロジックや入力処理まで本物の60fpsになったわけではありません。

本物の60fpsの場合

ゲーム内部:60fps

入力・ゲーム処理:高頻度

画面表示:60fps

アクションゲームではこちらの方が基本的に有利です。

例えば『モンスターハンターワイルズ』では、回避、ガード、カウンター、照準、カメラ操作など、操作レスポンスがゲーム体験に直結します。

PS5の性能で実際の60fpsを狙えるのであれば、

30fps+フレーム生成=60fps相当

よりも

ゲーム自体を60fpsで動かす

方が理想的です。

フレーム生成は「実60fpsの代用品」というより、GPU性能だけでは届かない表示フレームレートを補う技術と考えた方が分かりやすいでしょう。

フレーム生成にも弱点がある

  • 元フレームレートが低いほど補間が難しくなる
  • 入力遅延を完全には解決できない
  • 高速なカメラ移動で映像が乱れる場合がある
  • UIや文字周辺で補間ミスが発生する場合がある
  • エフェクトの多い場面で残像が見える場合がある

『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』の開発者も、こうした問題を認識したうえで、Switch 2版では生成倍率を2倍に留め、遅延を感じにくいよう調整していると説明しています。

PS5 ProのPSSRはどこまで進化した?

一方、SonyがAIグラフィックスの中心として推しているのが、PS5 Proに搭載されたPSSR(PlayStation Spectral Super Resolution)です。

PSSRはAIを利用して低い内部解像度から高品質な映像へ再構成する技術です。

考え方としては、NVIDIAのDLSS Super Resolutionに近いものです。

さらに2026年3月16日には、Sonyがアップグレード版PSSRをPS5 Pro向けに展開しました。

Sonyによれば、新しいPSSRでは、

  • 細部の明瞭さ向上
  • 動いている映像の安定性改善
  • 画像再構成精度の向上
  • 開発者が画質と性能を調整できる幅の拡大

などが実現しています。

主な役割 現在の位置づけ
DLSS Super Resolution AIアップスケーリング NVIDIAの成熟した技術
PSSR AIアップスケーリング・画像再構成 PS5 Pro専用
FSR Upscaling MLアップスケーリング AMD系GPUを中心に展開
Frame Generation 中間フレーム生成 上記とは別系統の機能

ここでも注意したいのは、PSSR自体にフレーム生成機能が組み込まれているわけではないということです。

つまり現在のPS5 Proでは、

PSSR
主に高品質な画像再構成

FSRなどの別技術
ゲーム側が必要ならフレーム生成を導入

という考え方になります。

ではAMDはNVIDIAに相当遅れているのか?

AIグラフィックスについては、これまでNVIDIAが長期間先行してきたのは確かです。

NVIDIAはGeForce RTXシリーズでTensor CoreやRT Coreを早い段階から投入し、DLSSについても何世代にもわたって改良してきました。

特にDLSS 5の3D-Guided Neural Renderingまで含めると、2026年現在でもNVIDIAがAIレンダリング技術の先頭を走っていると考えてよいでしょう。

しかし、AMDが何もできていないわけではありません。

むしろ2025年末から2026年にかけて、かなり大きく方向転換しています。

AMD FSR「Redstone」

現在のAMDは、FSRを単なるアップスケーラーではなく、複数の機械学習技術をまとめたFSR「Redstone」として展開しています。

FSR Redstone技術 役割
FSR Upscaling 低解像度から高品質な映像をMLで再構成
FSR Frame Generation レンダリング済みフレームの間に新しいフレームを生成
FSR Ray Regeneration 少ないレイトレーシング情報から高品質なRT映像を再構成
FSR Radiance Caching 光の挙動を予測し、間接照明処理を効率化

つまりAMDも、

アップスケーリングだけ

フレーム生成

レイトレーシング再構成

AI・MLによる光表現

へと進み始めています。

数年前の「DLSS対FSR」と、2026年の「DLSS対FSR」はかなり状況が違います。

NVIDIA優勢なのは変わりませんが、AMDも本格的なニューラルレンダリングへ移行しています。

それでもDLSS 5はAMDより一歩先

AMDが急速に追い上げているとはいえ、DLSS 5が始めた領域はさらにその先です。

FSR Redstoneは、アップスケーリング、フレーム生成、レイトレーシング再構成などをML化しています。

一方のDLSS 5は、従来のゲームエンジンが作り出した映像を再構成するだけではなく、AIが現実世界から学習した外観情報を利用して最終映像そのものを生成・補完する方向へ踏み込みました。

分野 NVIDIA AMD
AIアップスケーリング 非常に成熟 急速に改善
フレーム生成 成熟 実用段階
RT再構成 先行 Redstoneで追撃
AIによる光処理 強い Radiance Cachingなどを展開
生成ニューラルレンダリング DLSS 5で実用化開始 現時点では直接同等とは言いにくい

そのため現時点では、

NVIDIA:一歩先の世代へ進んだ
AMD:かなり速いペースで追いかけている

という表現が一番近いと思います。

PS6は大丈夫? 鍵を握る「Project Amethyst」

ここで将来のPlayStationに話がつながります。

PS5とPS5 ProはいずれもAMD製GPUをベースにしています。

そうなると、

「AMDがNVIDIAより遅れているなら、PS6もDLSS 5に負けるのでは?」

という心配が出てきます。

しかしSonyもこの状況を認識しているようで、AMDとの共同研究をかなり深めています。

その中心が「Project Amethyst」です。

Sony Interactive EntertainmentとAMDは、ゲームにおける機械学習・AIグラフィックス技術を共同研究しています。

2024年にMark Cerny氏からこの協業が明らかにされ、その後、将来のGPU技術としていくつか興味深い構想が公表されています。

Neural Arrays

AI処理において複数のGPU演算ユニットを協調動作させ、より大きなニューラルネットワークを効率的に処理するための構想です。

将来的には画面のより広い範囲をAI処理することにつながる可能性があります。

Radiance Cores

レイトレーシングやパストレーシングで必要になる光線処理を専用ハードウェア側へ移す構想です。

NVIDIAが長年専用RTハードウェアを強化してきたのに対し、AMD+Sony側も本格的にRT処理効率を高めようとしていることが分かります。

Universal Compression

GPU内で扱うデータを広範囲に圧縮し、限られたメモリ帯域を有効利用する技術です。

ゲーム機ではPC以上に消費電力・メモリ帯域・製造コストの制約が厳しいため、このような効率化は非常に重要になります。

注意

Neural Arrays、Radiance Cores、Universal Compressionは将来のGPU・ゲーム機を見据えた技術として公開されているものです。

「PS6の正式仕様」とSonyが発表したわけではありません。

PS6はDLSS 5に負けるのか?

これは現時点では判断できません。

理由は単純で、PS6が発売される頃にはNVIDIA側もさらに進化している可能性が高いからです。

PS6が比較される相手は、現在のDLSS 5ではなく、さらに次の世代のDLSSになっているかもしれません。

したがって本当に重要なのは、

「PS6がDLSS 5に勝てるか?」ではなく、PS6発売時点のNVIDIAのAIレンダリング技術にSony+AMDがどこまで迫れるのか

という点でしょう。

ただしPlayStation側にもPCとは異なる強みがあります。

ゲーム機はハードウェアが固定されている

PCゲームの場合は、非常に多くのCPU・GPU・メモリ構成を想定する必要があります。

一方PS6なら、開発者は最初から、

  • CPU性能
  • GPU性能
  • AI演算性能
  • メモリ容量
  • メモリ帯域
  • SSD性能

などを完全に把握できます。

その固定された環境へ数年間かけて最適化できるのは、コンソールの大きな強みです。

そのため、仮にPS6の純粋なGPU性能がその時代の最上位GeForceより大幅に低かったとしても、

内部解像度で効率的にレンダリング

次世代PSSRで高解像度化

ニューラル処理で映像を補強

専用RTハードでレイトレーシング処理

必要に応じてフレーム生成

最終的には高画質・高fpsへ

というゲーム機ならではの設計が可能になります。

PS6では「4KをGPUだけで描く」必要がなくなる?

個人的に、次世代ゲーム機で最も大きく変わりそうなのがここです。

これまでは、

720p

1080p

1440p

4K

というように、ネイティブ解像度を上げていくこと自体がゲーム機の進化として分かりやすく語られてきました。

しかし4Kは単純に描画するだけでも非常に多くのGPU性能を消費します。

そこで例えば、

1440p前後でゲームを描画

AI画像再構成

高品質な4K相当映像

とした方が効率的です。

そこで余ったGPU性能を、

  • レイトレーシング
  • キャラクターのディテール
  • 物理演算
  • NPCの数
  • 広大なフィールド
  • 高度な破壊表現
  • ライティング

などへ使えます。

さらに、

ゲーム本体を60fpsで動作

AI・MLフレーム生成

120fpsクラスの表示

という使い方が一般化すれば、ゲーム機の性能の考え方そのものが変わります。

フレーム生成は30→60より60→120の方が期待できる

フレーム生成というと、性能の低いハードで30fpsを60fpsに見せるための技術という印象があります。

もちろんSwitch 2では、その使い方が非常に有効です。

しかし将来もっと面白いのは、元のフレームレートがすでに高い状態から、さらに表示フレーム数を増やす使い方でしょう。

30fps → 60fps生成

元になるフレーム間隔が長いため、予測しなければならない動きが大きい。入力レスポンスも30fps側の制約を受けやすい。

60fps → 120fps生成

元フレーム同士の時間差が小さく、補間しやすい。元の操作レスポンスも60fpsなので、より自然な体験を期待できる。

PS6世代では、こうした使い方がかなり重要になるかもしれません。

Switch 2は「性能以上に見せる技術」が重要なゲーム機

今回のSwitch 2の事例も、次世代ゲーム機の方向性を考えるうえで非常に面白いものです。

Switch 2の純粋なGPU性能はPS5を上回るものではありません。

しかし、

低めの内部解像度・フレームレート

DLSSでアップスケーリング

FSRなどでフレーム生成

本来のGPU性能以上に高品質な最終映像

という方法が使えます。

『Stellar Blade』でNVIDIA DLSSとAMD FSR 3.1を組み合わせて60fpsを狙う手法は、その象徴的な例と言えそうです。

『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』でも、30fpsをベースにフレーム生成で60fps相当へ引き上げるという新しい試みが始まっています。

Switch 2は、単純なGPU性能だけを見るよりも、DLSSやフレーム生成を含めた「最終的な映像生成能力」で評価すべきゲーム機になってきています。

ではPS5はSwitch 2に負けているのか?

ここまでを見ると、「Switch 2の方が新しい技術を積極的に使っているのでPS5より上なのでは?」と感じるかもしれません。

しかし、そういう話ではありません。

機種 特徴 フレーム生成
Switch 2 DLSSが大きな武器。限られたGPU性能を再構成技術で補う FSRなどをゲーム側で利用可能
PS5 Switch 2より高い基本GPU性能 FSR 3導入実績あり
PS5 Pro 高性能GPU+専用ML処理+PSSR ゲーム側の技術として利用可能
RTX PC AI・RT専用ハードを長年強化 DLSS Frame Generationなどが充実

Switch 2の場合、30fpsしか出せないゲームを60fps相当に見せることにフレーム生成の大きな意味があります。

PS5で最初から実60fpsを狙えるなら、その方が望ましい場合も多いのです。

つまり、

フレーム生成を使っている=高性能
フレーム生成を使っていない=低性能

ではありません。

フレーム生成は、ゲームとハードウェアに応じて使い分ける技術です。

DLSS 5時代、ゲーム機の性能競争は変わる

今回いろいろ調べてみて感じるのは、ゲーム機の性能競争そのものが大きく変わり始めていることです。

以前なら、

高性能GPU

大量のピクセルを直接描画

高画質

という比較的分かりやすい構造でした。

これからは、

GPUで基礎となる映像を描画

AIで高解像度へ再構成

AI・MLでレイトレーシングを再構成

必要なら中間フレームを生成

AIが素材・ライティング表現まで補強

最終的なゲーム映像

という方向へ進んでいきます。

そう考えると、将来のゲーム機を「何TFLOPSなのか」だけで比較する意味は、今よりかなり小さくなるかもしれません。

まとめ:GPU性能だけを見る時代は終わりつつある

NVIDIAのDLSS 5は、ゲームグラフィックスにおける大きな転換点になる可能性があります。

従来のDLSSは、主に「GPUが描いたものをAIで綺麗に再構成する」技術でした。

DLSS 5ではそこから一歩進み、AI自身がゲームの最終的な外観表現の生成に参加する段階へ踏み込み始めました。

DLSS 5
AIによる3D-Guided Neural Renderingへ進化。現在はNVIDIAがこの分野で先行。
AMD FSR
Redstoneによって、アップスケーリング・フレーム生成・レイ再構成・光処理までML化。NVIDIAを急速に追っている。
Switch 2
DLSSによるアップスケーリングと、FSR系フレーム生成を組み合わせるゲームも登場。GPUの生性能以上の映像を作る方向へ。
PS5・PS5 Pro
PS5でもFSR 3フレーム生成は利用可能。PS5 ProではPSSRによるAI画像再構成も大きく進化。
PS6
正式仕様はまだ不明。ただしSony+AMDのProject Amethystを見る限り、次世代PlayStationでAI・ニューラルレンダリングが重要になる可能性は高い。

現時点では、AIグラフィックス技術でNVIDIAが先行しているのは間違いありません。

特にDLSS 5は、AMDやSonyよりさらに一歩先の領域へ踏み込みました。

しかしAMDもFSR Redstoneへ進化し、SonyとのProject Amethystも進んでいます。

そのため、単純に

「AMDだからPS6はDLSSに勝てない」

と決めつけるにはまだ早いでしょう。

むしろPS6世代で重要になるのは、

次世代PSSR
+ニューラルレンダリング
+レイトレーシング
+フレーム生成
+専用AIハードウェア

をSonyとAMDがどこまで一体化できるかだと思います。

Switch 2ですら、DLSSとFSRを組み合わせて「GPUが実際に描いた以上の映像」を作る時代になりました。

PS6が登場する頃には、

「ネイティブ4Kか?」

よりも、

「最終的にどれだけ綺麗で、滑らかで、入力遅延の少ない映像を作れるか?」

の方が重要になっているかもしれません。

ゲーム機の性能競争は、単純なTFLOPS競争から、いよいよ「AIレンダリング競争」へ移り始めています。

参考情報・出典

  • NVIDIA「DLSS 5 / 3D-Guided Neural Rendering」2026年9月1日発表
  • NVIDIA Research「DLSS 5: Generative Neural Rendering」
  • AMD「AMD FSR Technologies / FSR Redstone」
  • AMD Developer「Upscale Everything: Super-Resolution Across AMD Hardware」
  • PlayStation.Blog「Upgraded PSSR」2026年3月16日
  • PlayStation.Blog「PS5 Pro Technical Seminar / Project Amethyst」
  • EA「Immortals of Aveum AMD FSR 3 Console Support」
  • 4Gamer「ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン TGS2026開発者インタビュー」
  • 4Gamer / GAME Watch「モンスターハンターワイルズ:アセンダンス TGS2026開発者インタビュー」
  • Nintendo Everything「Stellar Blade Switch 2開発者インタビュー」

※記事内容は2026年9月19日時点で公表されている情報をもとに構成しています。PS6については正式な本体仕様が発表されていないため、Project Amethystなど公表済みの技術情報をもとに将来像を考察しています。

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