最終更新:2026年10月29日夜|第174回 天皇賞(秋)|11月1日(日)東京芝2000m・発走15:40
3強の仕上がりに差はあるのか? 天皇賞・秋2026の追い切りを比較すると、マスカレードボールは1週前に切れ味を見せ、クロワデュノールは最終までしっかり負荷をかけ、ダノンデサイルは走りのバランスを確認するなど、調整の狙いに違いが見えてきた。
当ブログの調教評価トップはシェイクユアハートのS。 3強ではマスカレードボールをA+で最上位とした。さらに、木曜追い切りで良化が鮮明になったセイウンハーデスもA+評価へ引き上げた。
今回は10月29日に確定した全17頭の馬番・騎手・最終追い切りを反映。時計の速さだけでなく、1週前とのつながり、追われ方、血統、東京2000mでの戦い方まで検討する。
天皇賞・秋2026|全17頭の確定枠順と最終追い切り評価
横にスクロールすると時計まで確認できる。馬番は10月29日確定の出馬表に準拠。
| 馬番 | 馬名 | 騎手 | 評価 | 最終追い切り |
|---|---|---|---|---|
| 1 | クロワデュノール | C.デムーロ | A | 10/28 栗東CW 6F81.7-1F11.6(一杯) |
| 2 | エルトンバローズ | 松若 | A− | 10/28 栗東坂路 4F58.0-1F12.7(馬なり) |
| 3 | レガレイラ | 岩田望 | A | 10/28 美浦W 6F84.0-1F11.2(直線仕掛け) |
| 4 | レディネス | 横山典 | B+ | 10/28 栗東CW 7F93.1-1F12.4(馬なり) |
| 5 | シャンパンカラー | 内田博 | A− | 10/28 美浦坂路 4F50.8-1F12.1(馬なり) |
| 6 | セイウンハーデス | 幸 | A+ | 10/29 栗東坂路 4F54.5-1F12.5(馬なり) |
| 7 | マスカレードボール | ルメール | A+ | 10/28 美浦坂路 4F54.1-1F12.4(馬なり) |
| 8 | ジュンブロッサム | 杉原 | B | 10/28 栗東坂路 4F54.7-1F12.8(馬なり) |
| 9 | ホウオウビスケッツ | 岩田康 | A | 10/28 美浦W 5F69.8-1F12.0(馬なり) |
| 10 | ネブラディスク | 川田 | A− | 10/28 栗東CW 4F52.0-1F11.4(馬なり) |
| 11 | シェイクユアハート | 古川吉 | S | 10/28 栗東CW 6F81.3-1F11.4(馬なり) |
| 12 | コスモキュランダ | 丹内 | B+ | 10/28 美浦坂路 4F52.4-1F11.9(馬なり) |
| 13 | リアライズシリウス | 津村 | A− | 10/28 美浦坂路 4F53.0-1F12.0(馬なり) |
| 14 | タガノデュード | M.デムーロ | A− | 10/28 栗東CW 6F83.8-1F12.0(馬なり) |
| 15 | サクラファレル | 佐々木 | B+ | 10/29 美浦W 4F52.9-1F11.8(馬なり) |
| 16 | ジョバンニ | 松山 | B+ | 10/28 栗東坂路 4F59.0-1F13.0(馬なり) |
| 17 | ダノンデサイル | 戸崎圭 | B+ | 10/28 栗東CW 6F82.6-1F11.6(馬なり) |
※F=ハロン(1F約200m)。6F・4F・7Fの時計を同じ距離として比較しないこと。調教馬場、走行位置、併せ馬の有無、騎乗者で時計の意味は変わる。
3強の最終追い切りを徹底比較
7番 マスカレードボール|A+:3強で最も安心感
1週前:美浦W 6F82.4-1F11.0
最終:美浦坂路 4F54.1-1F12.4(馬なり)
海外遠征からの帰国初戦。最大の評価材料は1週前にラスト11秒0を計時したことだ。最終追い切りは坂路で控えめな全体時計にとどまったが、追走した僚馬に余力十分で先着。決して仕上がり不足を意味するものではない。
昨年の天皇賞・秋を勝った舞台で4枠7番。東京2000mの適性は実績で裏付けられており、父ドゥラメンテの血統背景からも末脚の持続を期待したい。一方、久々の実戦と海外遠征の影響は当日の気配でも確かめたい。調整のメリハリが明確で、3強の中ではA+評価。
1番 クロワデュノール|A:十分な負荷、内枠の立ち回りが重要
1週前:栗東CW 6F80.4-1F11.6(強め)
最終:栗東CW 6F81.7-1F11.6(一杯)
最終はC.デムーロ騎手を背に3頭併せ。稍重のCWで最後まで追われ、最先着した。騎手は昨年と比較して操縦性やバランスの良化を感じ取っており、調教量も十分。単純なラスト1Fの数字だけでは測れない力強さがあった。
一方、最終までしっかり追われた分、当週に余力を残したマスカレードボールとは調整の形が違う。1枠1番からロスなく運べるか、包まれず進路を確保できるかが鍵。父キタサンブラックらしい持続力を、好位から生かせれば怖い。
17番 ダノンデサイル|B+:猛稽古を消化、残る確認点はバランス
1週前:栗東CW 6F78.1-1F11.6(強め)
最終:栗東CW 6F82.6-1F11.6(馬なり)
1週前には6F78秒台の強い負荷をかけ、最終は安田翔伍調教師が自ら騎乗してリズムを確認した。陣営によると、2週前と比べ走りのバランスは改善。一方、良かった時と比べれば改善の余地もあるという。
ここを不調と断定するのは適切ではない。十分な調教量があり、直線の加速にも問題は見えにくい。ただし今回は大外8枠17番。東京2000mのスタートから最初のコーナーまでの運びにも注意したい。B+は能力への疑問ではなく、仕上がりを厳しく見た評価だ。
調教S評価の伏兵|シェイクユアハート
11番 シェイクユアハート|S:負荷と反応がそろった好仕上がり
1週前:栗東CW 6F79.2-1F11.4(一杯)
最終:栗東CW 6F81.3-1F11.4(馬なり)
今回の独自評価で最上位としたのがこの馬。1週前にはタガノデュードらを追走して先着し、6F79秒2という強い負荷を消化。最終は古川吉洋騎手を背に単走で、スムーズな走りからラスト11秒4。直前に無理なく動けた点を重視した。
父ハーツクライ。年齢を重ねながら力をつけてきた印象があり、前走までの重賞戦線で示した地力も侮れない。6枠11番から流れに乗れれば、好調ぶりを実戦につなげる可能性はある。
木曜追い切りを反映|新たな注目の2頭
6番 セイウンハーデス|A+:ラストランに向けて上積み大
1週前:栗東CW 6F80.0-1F11.7(一杯)
10/29最終:栗東坂路 4F54.5-1F12.5(馬なり)
今回のリライトで最も評価を引き上げた1頭。毎日王冠を勝った後、最終追い切りは坂路で軽めにまとめた。時計そのものは派手ではないが、橋口慎介調教師は前走時と比べて動き・馬体の張りが大きく違うと手応えを示している。
本番が引退レースと発表されている点も見逃せない。調教面ではしっかりと上積みがうかがえ、前走以上の状態で東京に向かえそうだ。3枠6番も極端な外枠を引かなかったという意味で悪くない。調教A+、3強を脅かすもう1頭として注目したい。
15番 サクラファレル|B+:折り合い改善、左へのもたれが課題
1週前:美浦W 5F66.2-1F11.2(馬なり)
10/29最終:美浦W 4F52.9-1F11.8(馬なり)
木曜の最終追い切りは佐々木大輔騎手が騎乗し、僚馬に併入。1週前よりも折り合いや道中の力みが改善しているという。前走・札幌記念2着の実績からも、大舞台で軽視できない存在だ。
ただし、左にもたれる面は完全には消えていないとの説明がある。8枠15番からどう折り合いをつけて運ぶかが重要で、調教評価はB+。動きの良化は認めつつ、実戦上の課題は残すという整理にした。
その他の出走馬|全頭個別診断
3番 レガレイラ|A:前走からの上積みを評価
最終:美浦W 6F84.0-1F11.2(直線仕掛け)
3頭併せで終いにしっかり加速。ラスト11秒2に加え、ゴール後まで脚を使わせた内容と、陣営が感じる順調さを評価した。前稿ではB+としたが、調教を追うごとの良化を考慮してAへ引き上げる。2枠3番からスムーズに運べるかも注目点。能力面では上位争いの有力候補だ。
9番 ホウオウビスケッツ|A:先行力を支える順調な調整
最終:美浦W 5F69.8-1F12.0(馬なり)
1週前は美浦W6F82.8-1F11.7で負荷をかけ、当週は余力を残した。大きな上積みを誇張する必要はないが、コンディションは安定している印象。5枠9番から自分のペースで先行できれば粘り込みが怖い。速い末脚比べになると展開の助けが欲しい。
13番 リアライズシリウス|A−:1週前の伸びに上積み期待
最終:美浦坂路 4F53.0-1F12.0(馬なり)
1週前は美浦Wでマスカレードボールと併せ、ラスト11秒0を記録。最終も坂路で無理なく加速できている。前走からの良化を見込める一方、古馬の一線級相手でどこまで走れるかは未知数。7枠13番からの位置取りにも注目する。
5番 シャンパンカラー|A−:時計は優秀、距離への対応が鍵
最終:美浦坂路 4F50.8-1F12.1(馬なり)
坂路の全体50秒8は目立つ数字。1週前も美浦W6F80.6-1F11.3で負荷をかけている。調教に活気はあるが、速い時計をそのまま2000m適性と結びつけるのは危険。3枠5番から折り合いをつけ、最後まで脚を残せるかを重視したい。
14番 タガノデュード|A−:1週前の負荷は十分
最終:栗東CW 6F83.8-1F12.0(馬なり)
1週前は栗東CW6F80.5-1F11.4。シェイクユアハートとの併せ馬で先着は許したものの、強い調教をこなせたこと自体はプラス。当週は軽く整える内容で、消耗を引きずる印象はない。外寄りの7枠14番をどう克服するか。
10番 ネブラディスク|A−:メリハリの利いた調整
最終:栗東CW 4F52.0-1F11.4(馬なり)
1週前に栗東CW6F82.1-1F11.4と長めから負荷をかけ、当週は4Fから反応を確かめた。調整の流れは好ましい。ただ、東京への輸送とGⅠの相手関係は別に検討すべき材料。5枠10番から流れに対応できるかを見たい。
2番 エルトンバローズ|A−:最終の遅さだけで消さない
最終:栗東坂路 4F58.0-1F12.7(馬なり)
最終は軽めだが、1週前の栗東CW7F98.0-1F11.2で負荷を消化済み。これだけで仕上がり不足とは言えない。1枠2番はロスなく運べる反面、2000mへの距離延長がプラスになるかは未知数。追走が楽になっても終いが伸びるとは限らない。
4番 レディネス|B+:長めの負荷を評価
最終:栗東CW 7F93.1-1F12.4(馬なり)
横山典弘騎手を背に7Fから追われ、1週前も長めの調教を消化。最後の1Fは派手ではないが、全体の運動量には目を向けたい。2枠4番から位置取りや仕掛けのタイミングがかみ合うかどうか。
12番 コスモキュランダ|B+:終いはまとめたが強調しすぎない
最終:美浦坂路 4F52.4-1F11.9(馬なり)
1週前は美浦W5F65.4-1F11.6と負荷十分。最終も終いまでしっかり動けた。状態に大きな懸念はない一方、他の有力馬と比べ際立つ上積みまでは読み取りにくい。6枠12番からどの位置を取るかがポイント。
16番 ジョバンニ|B+:軽い最終は調整方針と理解
最終:栗東坂路 4F59.0-1F13.0(馬なり)
最終は坂路でごく軽め。しかし1週前にCWで十分な負荷をかけており、直前の時計だけを見て減点しない。8枠16番から無理な位置取りを強いられないかが気になる。レースでの折り合いも含めて評価したい。
8番 ジュンブロッサム|B:状態維持型の調整
最終:栗東坂路 4F54.7-1F12.8(馬なり)
中2週で坂路中心の調整。過度な負荷を求めるローテーションではないが、調教面から一段の変身を強く主張する材料も限られる。4枠8番から持ち味を生かせる展開なら善戦余地はある。
血統と東京2000m|調教時計をレースにつなげる
ここからは当ブログらしく、血統と脚質の観点を加える。ただし、血統だけで瞬発力や適性を決めつけることはせず、これまでの走りと今回の仕上げをセットで考えたい。
| 馬名 | 父 | 調教と本番のポイント |
|---|---|---|
| マスカレードボール | ドゥラメンテ | 1週前の鋭い反応を、得意の東京で引き出せるか。 |
| クロワデュノール | キタサンブラック | 負荷十分。好位から持続的に脚を使える形が理想。 |
| ダノンデサイル | エピファネイア | 調教量は豊富。大外枠でもバランスよく運べるか。 |
| シェイクユアハート | ハーツクライ | 充実した調教を初東京遠征で発揮できるか。 |
| セイウンハーデス | シルバーステート | 前走以上の張りと反応。ラストランで持ち味を出せるか。 |
| レガレイラ | スワーヴリチャード | 上昇気配と終いの伸びを、好枠から生かしたい。 |
枠順確定で考えたい3つの展開
- スローで前が残る:先行力のあるホウオウビスケッツや、1番からロスを抑えたいクロワデュノールに注目。ただし、内枠だから自動的に有利とは限らない。
- 直線の瞬発力勝負:7番マスカレードボールの東京実績が心強い。3番レガレイラの状態も無視できない。
- 早めに流れて持続力勝負:17番ダノンデサイルの持続力、6番セイウンハーデスの上積み、11番シェイクユアハートの充実ぶりを重視したい。
大外枠に入ったダノンデサイルは、スタート後に無理をして位置を取りにいくか、流れに合わせて運ぶかでレースの形が変わる。逆にクロワデュノールは最内から進路を失わないことが重要。枠順だけではなく、当日の馬場傾向を確認してから判断するのが妥当だろう。
最終追い切り評価ランキング|結論
S シェイクユアハート(11番)
1週前に強い負荷をかけ、最終は馬なりでラスト11秒4。今回の調教で最も充実を感じた。ただし初東京遠征には注意。
A+ マスカレードボール(7番)
1週前の鋭さと最終の余裕を評価。3強の中で最も安心感のある仕上げ。
A+ セイウンハーデス(6番)
最終時計以上に、前走からの馬体・動きの良化を高評価。引退レースに向けた上積みが魅力。
A クロワデュノール(1番)/レガレイラ(3番)/ホウオウビスケッツ(9番)
負荷、反応、調整の順調さをそれぞれ評価。特にクロワデュノールとレガレイラは高く評価する専門紙もあり、軽視は禁物。
よくある疑問|追い切り評価と馬券は別?
Q. 最終追い切りの時計が一番速い馬を買うべき?
いいえ。坂路4FとCW6Fの数字は単純比較できず、調教師が当週に求める負荷も違う。1週前からの調整過程、併せ馬の反応、馬自身の過去の時計と比べることが大切だ。
Q. シェイクユアハートのS評価は本命推奨?
Sは調教の充実度に対する評価。東京遠征への対応、相手関係、枠順・展開を含めた勝ち負けの判断は別。能力面で3強を上回ると断定するものではない。
Q. ダノンデサイルのB+は危険信号?
調教量は十分で、陣営も改善を認めている。今回はバランス面にわずかな確認点があるため、慎重なB+としただけで、能力や好走可能性を否定したわけではない。
まとめ|3強の調整方法の違いが最大の見どころ
マスカレードボールは1週前に鋭く、最終は余裕を残す仕上げ。クロワデュノールは最終まで攻めて態勢を整える調整。ダノンデサイルは豊富な調教量を積んだうえでバランスと集中力を確認した。いずれもGⅠ級の馬らしく、追い切り時計ひとつで評価を決めるべきではない。
そして今回は、シェイクユアハートのS評価に加えて、セイウンハーデスのラストランへ向けた良化、レガレイラの上昇気配も見逃せない。追い切り診断で好調馬を探し、枠順・馬場・展開で最終予想へ絞り込む。 この順番で考えたい。
参考にした公開情報
- JRA-VAN|天皇賞(秋)2026 追い切り・調教情報
- 日刊スポーツ|2026年天皇賞・秋の確定枠順
- 東スポ競馬|セイウンハーデスの木曜追い切り
- 日刊スポーツ|サクラファレルの木曜追い切り
- 日刊スポーツ|レガレイラの最終追い切り
- 日刊スポーツ|ダノンデサイルの最終追い切り
※本記事は調教情報をもとにした競馬考察であり、着順や馬券の的中を保証するものではありません。
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