2026年8月16日(日)、札幌競馬場で行われる札幌記念(GII・芝2000m)。
夏競馬唯一のGIIであり、秋のGI戦線や海外遠征を見据える実力馬と、夏の北海道シリーズで勢いをつけてきた馬がぶつかる注目の一戦です。
今年もなかなか興味深いメンバーがそろいました。
天皇賞・春3着から参戦するアドマイヤテラ、日本ダービー3着、京都新聞杯・AJCC勝ちのショウヘイ、新潟大賞典を制したグランディア。
さらに、上昇著しいサクラファレル、函館記念5着から臨むマジックサンズ、北海道で実績のあるホウオウビスケッツなど、能力だけで簡単に序列を決めるのは難しそうです。
札幌記念で重要なのは、単純な「GI実績」だけではありません。
- 札幌の洋芝に対応できるパワー
- 2000mでスピードを持続できる能力
- 小回りでの位置取りと器用さ
- 直線だけではなく3~4コーナーから動ける機動力
- 春から夏にかけての状態面
今回は枠順・最終追い切り確定前の段階として、血統、近走内容、コース適性を中心に札幌記念を考察していきます。
※出走馬・騎手などは2026年8月10日時点の情報をもとにしています。最終的な出走馬、枠順、馬場状態については確定後に改めて判断します。
札幌記念2026の基本条件
| 開催日 | 2026年8月16日(日) |
|---|---|
| 競馬場 | 札幌競馬場 |
| 距離 | 芝2000m・右回り |
| 条件 | 3歳以上オープン・定量 |
| 負担重量 | 牡馬・セン馬58kg、牝馬56kg |
札幌芝2000mは「瞬発力だけ」では足りない
札幌芝2000mを考えるうえで、まず意識したいのが東京や新潟のような長い直線で末脚だけを競うコースではないという点です。
札幌は直線が短く、コーナーを4回回ります。
そのため後方でじっくり脚をため、最後の200mだけ爆発的な末脚を使うタイプよりも、ある程度の位置を確保しながら3~4コーナーから長く脚を使える馬の方が競馬を組み立てやすくなります。
さらに北海道特有の洋芝もポイントです。
開催が進んだ馬場や雨の影響を受ければ、軽い高速芝で求められる瞬発力とは違い、パワーと持続力の比重が高くなる可能性があります。
「2000mを走れるスタミナ」だけではなく、洋芝を苦にしないパワー、コーナーで減速しすぎない器用さ、長く脚を使う持続力。この3点を重視したいレースです。
特別登録16頭
有力馬を血統・戦績から考察
アドマイヤテラ
父レイデオロ
実績だけを見れば、今回のメンバーでもトップクラスに位置する存在です。
今年は阪神大賞典を勝ち、続く天皇賞・春でも勝ち馬に0秒1差まで迫る3着。長距離GIでも通用する高い能力を示しています。
さらに今回は秋の凱旋門賞挑戦を視野に入れた一戦となります。
ただし、札幌記念で最大のポイントになるのが3200mから2000mへの大幅な距離短縮です。
アドマイヤテラが2000mを走るのは3歳春の若葉ステークス以来。近年は2400~3200mを中心に能力を伸ばしてきた馬です。
能力そのものを疑う必要はほとんどありません。
しかし札幌記念は、じっくりスタミナを生かす長距離戦とは違います。2000mで前半からある程度のスピードに乗り、勝負どころでも置かれない機動力が必要になります。
血統を見ると父レイデオロ、母アドマイヤミヤビという非常に質の高い配合。
レイデオロ自身は日本ダービーを制したキングカメハメハ系で、単純なステイヤー血統ではありません。アドマイヤテラにも本来は中距離に対応できるスピードがあって不思議ではありません。
能力は最上位。ただし現在のアドマイヤテラが「2000mの流れ」にどこまでスムーズに対応できるか。人気になるほど、この一点は慎重に考えたいところです。
現時点評価:A
ショウヘイ
父サートゥルナーリア
今回、個人的に非常に興味を持っている一頭です。
昨年の日本ダービー3着馬で、京都新聞杯を勝利。今年に入ってからはAJCCも制し、すでにGIIを2勝しています。
前走の大阪杯は10着に敗れましたが、これだけで評価を大きく落とす必要はないでしょう。
2000~2200m付近はアドマイヤテラよりも明らかに経験が豊富で、札幌記念の距離に関してはこちらの方が自然です。
血統も面白く、父サートゥルナーリアはロードカナロア×シーザリオ。
ロードカナロア由来のスピードとキングカメハメハ系のパワーに、シーザリオ牝系の中距離性能を併せ持ちます。
札幌で極端な瞬発力勝負になるより、ある程度流れて最後まで脚を持続する展開になれば、ショウヘイの良さが生きる可能性があります。
一週前追い切りでもしっかり負荷をかけられており、休み明けでも調整過程は順調に見えます。
実績・距離適性・先行力のバランスが良い。アドマイヤテラより「札幌2000m」に自然に入れる点は大きな魅力です。
現時点評価:A+
グランディア
父ハービンジャー
血統ブログとしてはかなり気になる存在です。
前走の新潟大賞典で待望の重賞初制覇。
さらに2024年の函館記念ではホウオウビスケッツの2着に入っており、北海道の洋芝で結果を残していることも大きな材料です。
父ハービンジャーは英国のキングジョージを圧勝した欧州型の種牡馬。
高速馬場で一瞬の切れ味だけを競うより、多少時計がかかる芝や持続力が必要になる中距離戦で長所が出やすい血統です。
母はディアデラノビア。
母系の質も高く、単純な「洋芝巧者」というだけではなく、重賞で戦える能力を備えています。
7歳馬ではありますが、前走で重賞を勝っている以上、年齢だけで評価を下げる必要はありません。
むしろ今の充実度と洋芝実績を考えれば、今年の札幌記念でかなり面白い存在です。
ハービンジャー産駒+函館記念2着実績+新潟大賞典勝ち。能力と血統適性の両方から高く評価したい一頭です。
現時点評価:A+
サクラファレル
父サートゥルナーリア/母父シンボリクリスエス
実績馬が多い今年の札幌記念で、未知の魅力という点ならこの馬でしょう。
まだキャリアは8戦と浅く、4勝を挙げています。
今年2月には東京芝2000mの3勝クラスを勝ってオープン入り。条件戦を勝ち上がってきたばかりで、GI・GII実績馬との能力比較は簡単ではありません。
しかし血統にはかなり魅力があります。
父サートゥルナーリアに母父シンボリクリスエス。
スピードだけに偏った配合ではなく、中距離で必要になるパワーと持続力を十分に持てる組み合わせです。
さらに母系にはサクラの古い牝系が続き、近親には重賞勝ち馬サクラトゥジュールもいます。
いきなり札幌記念という舞台は楽ではありませんが、上級条件でも底を見せ切っていない点は魅力。
「格」で嫌われるようなら、むしろチェックしておきたいタイプです。
重賞実績では劣りますが、キャリアが浅く伸びしろが大きい4歳馬。父サートゥルナーリア×母父シンボリクリスエスも札幌2000mでは興味深い配合です。
現時点評価:A
マジックサンズ
父キズナ
この馬も札幌では軽視しづらい存在です。
前走の函館記念は5着。
着順だけなら目立ちませんが、北海道の洋芝を経験できた点は今回につながります。
そして何より、2歳時には札幌の洋芝で高い能力を示しており、洋芝そのものへの不安は比較的小さいタイプです。
父キズナはディープインパクト系ですが、産駒は単純な高速瞬発力型に限りません。
中距離で持続的に脚を使える馬、多少時計のかかる芝をこなす馬も多く、札幌で必要になるパワーにも対応できる血統です。
4歳となった現在は、古馬重賞でどこまで能力を高められているかがポイント。
函館記念を一度使って札幌記念というローテーションは、春から休み明けで参戦する馬と比較すると実戦感覚の面でも魅力があります。
現時点評価:A
ホウオウビスケッツ
父マインドユアビスケッツ
北海道適性という意味で絶対に忘れてはいけない一頭です。
2024年の函館記念では2番手から抜け出して完勝。洋芝2000mで高いパフォーマンスを見せています。
父マインドユアビスケッツは米国型のパワーを強く伝える種牡馬で、ホウオウビスケッツ自身も切れ味一本というより、前々で運びながら長く粘り込む競馬を得意としています。
札幌の短い直線との相性は悪くありません。
一方、近走は結果が出ておらず、今回最大の問題は能力ではなく現在の状態でしょう。
一週前追い切りではしっかり負荷をかけられており、最終追い切りでどこまで良化してくるか確認したいところです。
北海道適性は証明済み。復調していれば一気に怖くなるため、最終追い切りで評価を上げる可能性があります。
現時点評価:B+
ゼンダンハヤブサ
父スマートオーディン
前走の小倉記念を勝って札幌記念へ挑みます。
前走は人気薄での重賞初制覇でしたが、小回りコースで上手に立ち回って結果を出した点は今回にもつながります。
父スマートオーディンはダノンシャンティを経由するサンデーサイレンス系。
父自身は強烈な末脚を武器にした馬でしたが、ゼンダンハヤブサは父とまったく同じタイプというより、実戦の中で器用さを発揮できていることが強みです。
ただし小倉記念と札幌記念では相手関係が一段以上強化されます。
さらに今回はハンデ戦ではなく定量戦。
実績上位馬と同じ58kgで戦うことになるため、本当の意味で重賞級の能力が問われます。
前走勝ちだけで過剰に評価するのは危険ですが、4歳馬の成長力を考えれば簡単に消すこともできません。
現時点評価:B+
エコロヴァルツ
父ブラックタイド
前走の大阪杯は大きく崩れましたが、これまで中山記念や福島記念など、小回り中距離で力を見せています。
父ブラックタイドはキタサンブラックの父として知られ、スピード一辺倒ではなく持続力とパワーを伝える血統。
エコロヴァルツ自身も、直線だけの瞬発力勝負より、ある程度早めに動いて長く脚を使う方が持ち味を出しやすいタイプです。
札幌2000mという舞台そのものは、前走の着順ほど悲観する条件ではないでしょう。
内~中枠を引いて前過ぎず後ろ過ぎない位置を取れれば面白くなります。
現時点評価:B+
マイネルモーント
父ゴールドシップ
血統だけなら、北海道の洋芝で一度は気にしておきたい馬です。
前走の七夕賞では2着。
福島の小回り2000mで好走していることからも、直線の長いコースで瞬発力だけを競うより、コーナーを使って長く脚を持続する競馬が合っています。
父ゴールドシップはステイゴールド系で、パワー、スタミナ、持続力を強く伝える種牡馬。
洋芝がプラスに働く可能性は十分あります。
前走内容を考えても状態は良さそうで、人気がそれほど上がらないのであれば穴候補として面白い存在です。
現時点評価:B+
シェイクユアハート
父ハーツクライ
前走の宝塚記念では結果を残せませんでしたが、その前には金鯱賞を制しており、2000m前後の能力は侮れません。
父ハーツクライらしく、瞬時の加速というよりも長く脚を使う競馬が合うタイプです。
一週前追い切りでもしっかり負荷をかけられており、状態面は悪くなさそうです。
宝塚記念の着順だけで人気を落とすのであれば、2000mへの距離短縮で見直す余地があります。
現時点評価:B+
ローシャムパーク
父ハービンジャー
能力を出し切った時の怖さなら、まだ軽視できない存在です。
父ハービンジャーという血統はグランディア同様、洋芝や持続力勝負への適性を考えるうえで魅力があります。
中山のような小回りコースでも結果を残してきた馬で、札幌の形態自体は問題になりにくいでしょう。
一方で7歳となり、近走の安定感という点では全盛期ほどの信頼は置きづらくなっています。
「能力を出せれば勝負になる」という評価と、「毎回それを出せるか」は分けて考えたい一頭です。
現時点評価:B+
レディネス
父スワーヴリチャード
プリンシパルステークス勝ちの実績があり、まだキャリアも浅い馬です。
父スワーヴリチャードはハーツクライ系で、母系からは米国的なスピードとパワーも補われています。
配合そのものは、札幌の洋芝で極端に割り引く必要はありません。
一方で前走は結果を残せておらず、今回の札幌記念ではGI・GII実績馬との能力比較がポイントになります。
前走だけで見限るのは早いものの、上位争いにはこれまで以上のパフォーマンスが必要でしょう。
現時点評価:B
その他の登録馬
アラタはベテランとなりましたが、過去に札幌記念で好走実績があり、北海道の洋芝で一変する可能性は残されています。近走からどこまで上積みがあるかがポイントです。
オニャンコポンは小回りで上手く立ち回れる点が魅力。ただし定量GIIで相手強化となる今回は、もう一段パフォーマンスを上げたいところです。
イガッチは相手関係が一気に強化されるため、現段階では慎重に評価します。
ピンクジンもGI・GII級の実績馬との比較では厳しい条件となります。出走が確定した場合は最終追い切りと馬場状態を確認したいところです。
現時点での注目度
| 評価 | 馬名 | ポイント |
|---|---|---|
| A+ | ショウヘイ | 距離・実績・先行力のバランス |
| A+ | グランディア | ハービンジャー産駒+洋芝実績+近走充実 |
| A | アドマイヤテラ | 能力最上位級。2000mへの距離短縮が鍵 |
| A | マジックサンズ | 洋芝経験とキズナ産駒の持続力 |
| A | サクラファレル | 底を見せていない4歳馬。血統にも魅力 |
| B+ | ホウオウビスケッツ | 北海道適性は高い。復調度が焦点 |
| B+ | ゼンダンハヤブサ | 前走重賞勝ち。定量戦で真価を問われる |
| B+ | エコロヴァルツ | 小回りで見直したい |
| B+ | マイネルモーント | ゴールドシップ産駒+小回り適性 |
| B+ | シェイクユアハート | 2000mへの距離短縮で見直し |
| B+ | ローシャムパーク | 能力と血統適性は高いが近走安定感が課題 |
今年の札幌記念は「格」だけで決めたくない
現段階で最も悩ましいのがアドマイヤテラの扱いです。
阪神大賞典勝ち、天皇賞・春3着という実績を考えれば、能力比較では文句なしの上位。
しかし今回は3200mから2000mへ一気に1200m短縮されます。
札幌記念は単純なスタミナ勝負ではありません。
2000mの流れに乗り、小回りでポジションを取り、早めに加速して最後まで脚を持続する能力が必要です。
その意味では、現時点ではショウヘイの方が札幌記念というレースには自然にフィットすると考えています。
そして血統面から非常に面白いのがグランディア。
ハービンジャー産駒で、実際に函館記念2着という洋芝実績を持ち、さらに近走でも結果を残しているため、単なる「血統穴馬」ではありません。
一方、将来性という意味ではサクラファレル。
まだ重賞実績がなくても、キャリアが浅い4歳馬だからこそ、既存の実績だけでは測れない部分があります。
また、マジックサンズ、ホウオウビスケッツ、マイネルモーントなど、洋芝や小回りで評価を上げたい馬もそろっています。
ショウヘイ
2000~2200mの実績と先行力を評価。
グランディア
洋芝適性と現在の充実度を高く評価。
アドマイヤテラ
能力最上位級だが、大幅距離短縮をどう克服するか。
まとめ
2026年の札幌記念は、単純にGI実績馬を上から買えばいいレースではなさそうです。
アドマイヤテラは能力ではトップクラスですが、今回は2000mへの大幅距離短縮。
ショウヘイは2000~2200mでの実績と立ち回りやすさが魅力。
グランディアはハービンジャー産駒らしい持続力と洋芝実績を持ち、現在の充実度も高く評価できます。
そしてサクラファレルやマジックサンズなど4歳馬にも上昇余地があります。
札幌記念は枠順、馬場状態、展開によって評価がかなり変わります。
特に今年は前で運びたい馬も複数いるため、単純な「先行有利」で終わるのか、それとも前が苦しくなって中団から長く脚を使える馬が浮上するのか、枠順確定後に改めて考えたいところです。
現時点では、ショウヘイとグランディアを中心に、能力最上位のアドマイヤテラをどう評価するかが、今年の札幌記念を予想するうえで大きなポイントになると考えています。
最終追い切り、枠順、当日の馬場状態まで確認して、最終予想ではさらに評価を絞り込んでいきたいと思います。
応援クリックお願いします!


コメント