2026年の京成杯オータムハンデ(GⅢ)は、9月5日に中山芝1600mで行われます。
秋の中山開幕週で行われるハンデ重賞。今年は3歳馬から実績ある古馬まで顔ぶれが揃い、能力比較だけでなく「夏を越して状態を上げてきた馬はどれか」も重要になりそうです。
ここでは最終追い切りを中心に、1週前追い切りからの負荷、動きの余裕、折り合い、前走からの上積みまで確認し、各馬の状態を診断していきます。
京成杯AHは19頭が特別登録しておりフルゲートは16頭。正式な出走馬・騎手・枠順についてはJRAの発表をご確認ください。
京成杯AH2026|最終追い切り評価まとめ
エコロブルーム
1週前の反応、最終追い切りの余力ともに良好。仕上がりのバランスを高く評価。
フォルテアンジェロ
休み明けでも負荷十分。最終追い切りは折り合い良く余裕のある動き。
ピコローズ
美浦Wでラスト10秒8。時計は文句なし。ただし稽古駆けするタイプなのは考慮したい。
ヴァルキリーバース
力みが抜け、前走時とは違うスムーズな走り。精神面の改善がポイント。
クランフォード
前走後も馬体の張りを維持。間隔が詰まっているため軽めでも問題なし。
ディールメーカー
最終追い切りで先週からの良化を確認。反応面には多少課題を残す。
- エコロブルーム ― 1週前から高いレベルで安定
- フォルテアンジェロ ― 休み明けでも仕上がり良好
- ピコローズ ― ラスト10秒8の切れ味は無視できない
S評価|エコロブルーム
S
5F68秒8-1F12秒4。余力を残して併入。
今回もっともバランスよく仕上がっていると感じるのがエコロブルームです。
1週前追い切りでは美浦Wで6F82秒0、ラスト11秒5。併せ馬に加わる際の反応が素早く、しっかり負荷を掛けながらも最後まで余力のある内容でした。
最終追い切りは一転してリズム重視。先週しっかり動かしているため無理に時計を出さず、3頭併せの最内から余裕を残して併入しています。
「1週前に負荷を掛け、当週は整える」という非常に分かりやすい調整過程です。
前走は約1年ぶりの実戦ながら勝利。今回は叩き2戦目となり、中山芝1600mではニュージーランドT勝ちの実績もあります。
58kgというハンデは楽ではありませんが、追い切りから状態面を割り引く必要はありません。
追い切り評価:S
S−評価|フォルテアンジェロ
S−
6F83秒0-67秒0-52秒2-37秒4-11秒5。
日本ダービー以来となりますが、休み明けを感じさせない調整内容です。
1週前は美浦Wで6F81秒3、ラスト11秒1。強めに追って十分な負荷を掛けています。
そのため最終追い切りは時計を求めず、折り合いと動きの確認が中心。3頭併せの最後方から進み、直線では手綱を抑えたままスムーズに加速しました。
特に良かったのは道中で力むことなく運べていた点。今回が初めての芝1600mになるだけに、距離短縮への対応では折り合いが重要になります。
ゲート面の課題は残りますが、追い切りを見る限りコンディションは高いレベルにあります。
休み明けでも「まだ重い」という印象は薄く、むしろ余裕のある仕上がり。
追い切り評価:S−
A+評価|ピコローズ
A+
5F66秒9-1F10秒8。
今回もっとも派手な時計を出したのがピコローズです。
美浦Wで余力を残しながらラスト1F10秒8。最終追い切りとしては非常に目立つ数字で、直線の反応と加速力は高く評価できます。
前走の新潟日報賞を勝っており、近走は脚をためる競馬も板についてきました。53kgのハンデも魅力です。
ただし、一点だけ注意したいのがもともと調教では動くタイプということ。
「10秒8だから他馬より圧倒的に状態がいい」と単純には判断しません。
それでも余力のある手応えでこの時計が出ている以上、状態が悪いとはまず考えにくいでしょう。
人気がそれほど上がらないようなら、追い切りから拾っておきたい穴候補です。
追い切り評価:A+
A評価|ヴァルキリーバース
A
5F66秒1-1F11秒5。馬なりで併入。
時計以上に精神面の変化を評価したい追い切りです。
1週前は美浦Wで6F80秒9、ラスト11秒0。一杯に追われて十分な負荷を掛けました。
最終追い切りでは一転して馬なり。併走馬を追走し、直線では内から無理なく並びかけて併入しています。
以前は力んだりテンションが高くなったりする面がありましたが、今回は力みが少なく、動きそのものがスムーズになっています。
前走の府中牝馬Sは14着と大きく敗れましたが、2走前には今回と同じ中山芝1600mの東風Sを勝利。
前走からの変わり身という意味では今回かなり興味深い一頭です。
追い切りだけなら明確にプラス評価。ただし、陣営から「迫力」という面では以前ほどではないというニュアンスもあり、S評価までは上げませんでした。
追い切り評価:A
A評価|クランフォード
A
4F56秒5-1F12秒6。
最終追い切りの時計だけを見るとかなり軽めですが、これは心配する必要はないでしょう。
前走の関屋記念から間隔がそれほど空いておらず、1週前には栗東CWで6F81秒8、ラスト11秒3としっかり負荷を掛けています。
最終追い切りは状態を維持することが目的。坂路を単走で力強く駆け上がり、馬体の張りも良好とされています。
夏場に使われている馬で重要なのは、速い時計を出せるか以上に疲労が残っていないかです。
その点でクランフォードは前走後も大きく状態を落としている様子はありません。
好調持続と判断してよさそうです。
追い切り評価:A
B+評価|ディールメーカー
B+
5F66秒7-1F11秒4。馬なりで1馬身先着。
前走ラジオNIKKEI賞2着の3歳馬。
最終追い切りでは併走馬を追走し、直線入り口ではやや反応の鈍い場面がありましたが、最後は内からしっかり伸びて先着しました。
陣営によると、こうしたモタつきはこの馬としては珍しいものではありません。
むしろ重要なのは、先週より状態が上向き、最後まで力強く伸びた点でしょう。
抜群にシャープという内容ではありませんが、レースへ向けて必要なところまで仕上がった印象です。
54kgで出走できる3歳馬という点も含め、最終予想でも無視しにくい存在です。
追い切り評価:B+
B+評価|レザベーション
B+
4F54秒6-1F12秒6。馬なり。
NHKマイルC以来となるため、最終追い切りだけで判断すると軽く見えてしまいます。
しかし、この馬は先々週から1週前にかけてCWでしっかり追われています。
1週前には長めから一杯に追われ、休み明けに必要な負荷を確保。最終追い切りは中山への輸送を考慮し、しまいを確認する程度に留めました。
つまり、軽い最終追い切りは予定通りの調整と考えてよさそうです。
大幅な上積みを強調するほどではありませんが、休み明けとして必要な調教量は確保されています。
追い切り評価:B+
B+評価|テレサ
B+
4F54秒4-1F12秒4。
時計そのものは目立ちませんが、軽いフットワークで余裕を残した内容です。
気のいいタイプで、追い切りでやり過ぎる必要のない馬。最終追い切りも意図的に負荷を強くしなかったと考えられます。
注目したいのは、夏場を越して馬体の締まりが良くなっているとされている点です。
前走の府中牝馬Sでは15着でしたが、状態そのものはそこから下降しているというより、むしろ持ち直している印象。
今回は新馬戦以来となる1600mへの距離短縮。適性はレースで判断する必要がありますが、追い切りからは一定の変わり身を期待できます。
追い切り評価:B+
B評価|ファンダム
B
5F66秒4-51秒2-37秒6-11秒8。馬なりで併入。
1週前追い切りは相変わらず軽快。
馬なりのまま時計をまとめ、動きにも余力がありました。状態そのものは維持できていると考えてよさそうです。
一方、最終調整では陣営から「動き出しがもうひとつ」という趣旨のコメントも出ています。
時計自体は出ていますが、手放しで絶好調とまでは評価しにくいところ。
追い切りでは以前から動くタイプであり、近走はその良さが必ずしも実戦結果に結びついていません。
状態不安ではありませんが、今回はB評価に留めます。
追い切り評価:B
B評価|ドロップオブライト
B
陣営からは最終追い切りについて「いい動き」と評価されており、大きく状態を落としている様子はありません。
7歳牝馬ですが、昨年の京成杯AHでは2着。中山芝1600mに対する適性はすでに証明しています。
今年は56.5kgとハンデ面では楽ではありませんが、調教過程から年齢による急激な下降を感じさせる内容でもありません。
突出した上昇材料まではありませんが、昨年好走時と同じ舞台で状態を維持できている点は軽視できません。
追い切り評価:B
B評価|サイルーン
B
大きく目立つ追い切りではありませんが、調整過程に大きな乱れは見られません。
この馬の場合、追い切り以上に重要なのが中山芝1600mへの適性です。
今年のダービー卿CTでは2着。これまでにも中山マイルで好走を重ねており、舞台適性はメンバー上位でしょう。
7歳という年齢から劇的な上積みまでは期待しにくいものの、能力を出せる状態にはあると見ます。
追い切りだけならB評価ですが、コース適性を加えれば馬券上はもう少し警戒したい馬です。
追い切り評価:B
B評価|ミナデオロ
B
中2週というローテーションですが、陣営からは元気いっぱいとのコメントが出ています。
以前に比べて道中の力みが取れ、それが終いの伸びにもつながっている点は好材料です。
短い間隔で使われるため強い負荷を必要とする状況ではなく、状態維持を重視した調整と考えたいところ。
大きな上積みというより、夏場の状態を維持して出走できるタイプという評価です。
追い切り評価:B
B−評価|リラボニート
B−
最終追い切りは坂路でサラッと調整。
陣営からも疲労について大きな心配はないとされており、コンディションは維持できています。
一方で、今回の追い切りから急激な上昇を感じさせる材料も多くありません。
54kgで中山芝1600mという条件は魅力があり、立ち回り次第では浮上の余地がありますが、追い切り評価としては平均的です。
追い切り評価:B−
B−評価|クルゼイロドスル
B−
中1週での出走予定となるため、最終追い切りで強い負荷を掛ける必要はありません。
今回は鞍上に感触を確認してもらう程度の調整。
前走は流れに乗れず不完全燃焼だったため、着順だけで状態下降と判断する必要はなさそうです。
ただし、中1週というローテーションを考えると大幅な上積みまでは期待しにくく、状態維持型という評価が妥当でしょう。
追い切り評価:B−
C+評価|メタルスピード
C+
中山芝1600mへの適性は高く、条件そのものは歓迎できます。
一方、今回の追い切りからは上位評価馬ほど明確な上昇材料を取りにくく、近走内容を一変させるほどの強調材料までは見つけにくい印象です。
雨が残って時計の掛かる馬場になれば条件面から評価を上げる余地はありますが、追い切り単体では強く推しにくいところ。
追い切り評価:C+
C+評価|ラケマーダ
C+
大きな状態悪化は感じられず、いつも通りの調整を消化しています。
ただ、追い切りから「前走以上」と強く評価できる変化もそれほどありません。
もともと乗り難しいところのあるタイプで、実戦で能力を出し切れるかがポイント。
状態自体は悪くありませんが、今回の追い切り比較では上位馬を優先します。
追い切り評価:C+
追い切りから最も買いたいのはエコロブルーム
今回、追い切りだけで1頭選ぶならエコロブルームです。
最大の理由は、速い時計を出したことではなく、1週前にしっかり負荷を掛け、最終追い切りでは余裕を残して調整できたこと。
前走を約1年ぶりで勝った後だけに反動が気になるところでしたが、今回の調教過程を見る限り、その心配はそれほど大きくなさそうです。
フォルテアンジェロは休み明けでも高評価
もう一頭強く評価したいのがフォルテアンジェロ。
日本ダービー以来となりますが、1週前に十分な負荷を掛け、最終追い切りでは折り合いを確認しながら余裕のある手応えを見せました。
初の1600mとなるため距離適性は実戦で確認する必要がありますが、状態面を理由に評価を下げる必要はありません。
3歳馬で55kgという条件を考えても、本番で注目したい存在です。
穴ならピコローズ
追い切りから狙って面白い穴候補はピコローズです。
美浦Wでラスト10秒8という数字は今回のメンバーでも抜群。
稽古駆けするタイプなので時計をそのまま能力差とは考えませんが、53kgの軽ハンデを含めれば非常に面白い存在です。
人気がそれほど上がらないようなら、最終予想でも押さえておきたい一頭です。
京成杯AH2026|最終追い切りランキング
- エコロブルーム S
1週前から最終追い切りまで理想的な調整。 - フォルテアンジェロ S−
休み明けでも負荷十分。折り合いと手応えも良好。 - ピコローズ A+
ラスト10秒8。穴候補として注目。 - ヴァルキリーバース A
力みが抜け、前走時から精神面で改善。 - クランフォード A
前走後も馬体の張りを維持。好調持続。 - ディールメーカー B+
先週から上昇。最終追い切りで力強く先着。
まとめ|時計だけならピコローズ、総合完成度ならエコロブルーム
京成杯AHの最終追い切りを比較すると、非常に面白いのは「一番速い時計を出した馬」と「最も完成度の高い調整をした馬」が違うことです。
時計だけならピコローズのラスト10秒8が圧倒的に目立ちます。
しかし、調整過程まで含めて見ると、1週前にしっかり動き、最終追い切りを余裕残しでまとめたエコロブルームを最上位としました。
休み明けのフォルテアンジェロも仕上がりは良く、ヴァルキリーバースは前走時との比較で変化を感じます。
一方で京成杯AHはハンデ戦。さらに中山開幕週という特殊な条件もあり、追い切り評価がそのまま最終予想の印になるわけではありません。
枠順、当日の馬場状態、展開を合わせて判断する必要があります。
最終予想では今回の追い切り評価を土台にしながら、特にエコロブルーム、フォルテアンジェロ、ピコローズをどう扱うかがポイントになりそうです。
※追い切り評価は公開されている調教時計、陣営コメント、調整過程などをもとにした当ブログ独自の見解です。馬券の購入はご自身の判断でお願いいたします。
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