2026年の函館2歳ステークスは、7月19日(日)に函館競馬場の芝1200メートルで行われます。
デビューから間もない2歳馬による重賞だけに、前走の着差や走破時計だけでは能力を測り切れません。短期間で馬体や走りが変わる時期でもあり、最終追い切りで見せた反応、折り合い、併せ馬での手応えは重要な判断材料になります。
今回は、最終追い切りと1週前追い切りの内容を照らし合わせながら、出走する13頭の仕上がりを評価しました。
なお、追い切り時計は調教コース、馬場状態、騎乗者、追った位置によって大きく変わります。単純な時計の速さだけではなく、動きの余裕や前走からの上積みも含めて診断しています。
函館2歳ステークス2026 最終追い切り評価一覧
| 評価 | 馬名 | 最終追い切り | 診断ポイント |
|---|---|---|---|
| S | イモージェン | 函館芝 5F63.5-11.5 | 反応、伸び、集中力のすべてが良好 |
| S | ロンドンガーズ | 函館芝 5F65.7-11.4 | 我慢させてから鋭く伸びる好内容 |
| A | シグレ | 函館W 5F72.1-12.4 | 余力十分で前走以上の雰囲気 |
| A | セタキト | 函館W 5F68.9-12.5 | 大きく追走して先着する負荷の高い内容 |
| B+ | ダイシンドラゴン | 函館W 5F70.8-12.7 | 操縦性と動きのまとまりを評価 |
| B+ | クロリス | 函館W 5F70.0-12.5 | 1週前の負荷が十分で状態は良好 |
| B+ | ダイメイビッグボス | 函館芝 4F53.5-11.6 | 最終はひと息も1週前の動きは優秀 |
| B+ | ノリヤンモーニン | 函館W 5F72.7-13.8 | 最終は軽めだが1週前の芝調教が良好 |
| B | ショウナンカノア | 函館W 5F70.5-12.9 | 中1週を考慮した調整で状態維持 |
| B | ダマスク | 函館W 5F71.4-13.1 | 大きな反動なく馬体も引き締まる |
| B | フェリチタ | 函館芝 5F67.4-12.2 | 順調だが力強さには成長の余地 |
| B | ウンスイ | 函館W 5F69.8-13.4 | 1週前は良好も最終の硬さが気になる |
| C | アルテクィーン | 函館W 5F66.2-13.7 | 気負いと終盤の失速に注意 |
最終追い切り診断
S評価 イモージェン
最終追い切り:函館芝5ハロン63秒5-48秒1-34秒7-11秒5、直線強め
今回の最終追い切りで、最も強く評価したい一頭です。
函館芝コースで僚馬を追走し、直線では鋭く反応して0秒8先着。ラスト1ハロン11秒5という数字も優秀ですが、それ以上に評価したいのが、仕掛けられてからスムーズに加速できていた点です。
ブリンカーを着用した追い切りでは走りへの集中力が増し、前走時よりも反応が明確に良化。前走の新馬戦では、直線で追われてから一気に伸びて勝ち切っており、もともと瞬発力には光るものがありました。
今回はスピードのある逃げ・先行馬がそろいますが、好位から運べるイモージェンにとっては、前を見る形で折り合える組み合わせです。速い流れに対応できるかという課題は残るものの、状態面に関しては文句のない仕上がりと判断します。
S評価 ロンドンガーズ
最終追い切り:函館芝5ハロン65秒7-49秒7-36秒9-11秒4、馬なり
函館の芝コースで前に馬を置き、道中は気持ちを抑えながら追走。直線で外へ出されると、馬なりのまま鋭く伸びて先着しました。
ラスト1ハロン11秒4は出走馬の中でも目立つ数字です。前走では逃げ切っていますが、今回の追い切りでは馬の後ろで我慢させる形を試しており、控える競馬を想定した調整にも好感が持てます。
やや前向きさが強く、口向きの難しさを見せるところはありますが、直線で解放されてからの伸びは上々。前走を使ったことで馬体にも筋肉のラインが出ており、状態は確実に上向いています。
阪神芝1200メートルを1分8秒2で走破したスピード能力は今回のメンバーでも上位。洋芝への対応と雨の影響が課題になりますが、良馬場から稍重程度に収まれば高く評価したい仕上がりです。
A評価 シグレ
最終追い切り:函館W5ハロン72秒1-55秒9-40秒6-12秒4、馬なり
時計だけを見ると目立ちませんが、もともと強い負荷を必要とする状況ではありません。中2週という間隔を考えれば、折り合いと状態を確認することに重点を置いた内容です。
僚馬クロリスを大きく先行させ、直線では余力を残したまま先着。手綱を緩めればさらに伸びそうな雰囲気があり、前走の疲れを感じさせませんでした。
新馬戦は函館芝1200メートルで後続を6馬身離して逃げ切り。直線でも手応えに余裕があり、能力の底を見せていません。
今回は同型馬が増えますが、陣営はハナにこだわらず、好位からでも競馬ができると見ています。トモの成長も伝えられており、派手な時計を出さずとも前走以上の状態にあると判断しました。
A評価 セタキト
最終追い切り:函館W5ハロン68秒9-52秒0-37秒6-12秒5、ゴール前仕掛け
美浦から函館への再輸送を挟みましたが、最終追い切りでは疲れを感じさせない動きを披露しました。
僚馬を約1秒追走する形から徐々に差を詰め、直線で仕掛けられると0秒1先着。全体時計、終盤の反応、負荷のかけ方を含めて内容の濃い追い切りです。
前走の新馬戦はスピードの違いで先頭に立ちながら、追われてからも脚を使って押し切りました。単なる逃げ馬ではなく、追って伸びる余力を持っている点は今回の重賞でも強みになります。
輸送を重ねている点は当日の気配まで確認したいところですが、追い切り段階では前走からの上積みを感じさせる仕上がりです。
B+評価 ダイシンドラゴン
最終追い切り:函館W5ハロン70秒8-55秒0-40秒5-12秒7、馬なり
時計は標準的ですが、丹内祐次騎手が実際に騎乗し、口向きや操縦性、背中の感触を高く評価している点が印象的です。
2歳夏の短距離重賞では、能力だけでなく、流れの中で騎手の指示に反応できるかが重要になります。その意味で、折り合いや操作性に不安がないことは大きな材料です。
すでにレースを使っているため劇的な上積みまでは感じませんが、状態を崩すことなく安定。時計以上に実戦向きの完成度を評価してB+としました。
B+評価 クロリス
最終追い切り:函館W5ハロン70秒0-55秒2-40秒2-12秒5、馬なり
1週前には栗東の坂路で800メートル52秒5-12秒6を記録し、しっかりと負荷をかけられました。最終追い切りは函館でシグレを追いかけ、最後まで大きく離されることなく走り切っています。
ピッチ走法で脚の回転が速く、開催最終週の函館や雨で時計がかかる馬場はプラスに働く可能性があります。
芝の実戦適性については未知数が残りますが、調教では軽快さを見せており、状態そのものは良好。馬場が悪化した場合に評価を上げたい穴候補です。
B+評価 ダイメイビッグボス
最終追い切り:函館芝4ハロン53秒5-39秒0-11秒6、強め
最終追い切りでは直線で促され、併せた馬に0秒1遅れました。騎乗者からも動きがやや甘かったという感触が伝えられており、この一本だけなら高評価は与えにくい内容です。
ただし、1週前の美浦Wでは5ハロン64秒9-11秒5を馬なりで記録。僚馬に先着しており、前走を使って馬体と走りがしっかりしてきたことを感じさせました。
最終追い切りで手前をうまく替えなかった点は気になりますが、1週前の動きまで含めれば大きく評価を落とす必要はありません。状態面よりも、実戦でスムーズに手前を替えられるかがポイントになります。
B+評価 ノリヤンモーニン
最終追い切り:函館W5ハロン72秒7-56秒9-42秒1-13秒8、馬なり
最終追い切りは暑さを考慮して軽く整える程度。時計だけを見て評価を下げる内容ではありません。
注目したいのは1週前の函館芝で、5ハロン64秒5-11秒7を記録して僚馬に先着している点です。芝での脚さばきは軽く、陣営も芝への適性に手応えを感じています。
芝の重賞でどこまで対応できるかは未知数ですが、調教では一定の適性を示しました。最終追い切りよりも1週前の内容を重視し、B+評価とします。
B評価 ショウナンカノア
最終追い切り:函館W5ハロン70秒5-55秒0-40秒6-12秒9、馬なり
中1週のため、最終追い切りは反応を確認する程度にとどめました。強い負荷はかけていませんが、前走を使ったことで馬体には張りが出てきています。
短い間隔での出走だけに、これ以上強く追わなかったことは自然な調整です。大きな上積みを示した追い切りではないものの、状態を維持できていると判断します。
B評価 ダマスク
最終追い切り:函館W5ハロン71秒4-54秒8-40秒0-13秒1、馬なり
僚馬を追走し、直線で0秒1先着。全体的に余裕を残した調整でした。
前走後の大きな反動はなく、余分に見えた馬体も徐々に引き締まってきています。追い切りから強く推せるほどの迫力はありませんが、前走以上の状態で出走できる可能性があります。
B評価 フェリチタ
最終追い切り:函館芝5ハロン67秒4-51秒4-37秒7-12秒2、馬なり
1週前に函館Wでしっかり追われ、最終追い切りは芝コースでリズムを整えました。併せ馬では無理に前へ出ることなく同入しています。
調教過程は順調ですが、騎乗した横山和生騎手からは、もう少し力強さが欲しいという趣旨の感触も伝えられています。
2歳夏の段階だけに今後の成長余地は大きそうですが、現時点では仕上がり良好という範囲のB評価です。
B評価 ウンスイ
最終追い切り:函館W5ハロン69秒8-54秒5-40秒1-13秒4、馬なり
1週前の美浦Wではラスト1ハロン11秒7まで伸びており、一定のスピードは示しています。
一方、函館で行われた最終追い切りでは歩様にやや硬さがあり、終盤の伸びも平凡でした。追い切り時間が遅く、荒れた馬場を走った影響も考慮する必要がありますが、絶好調とまでは言いにくい内容です。
1週前の動きが悪くないためB評価にとどめますが、当日のパドックでは歩様や馬体の柔らかさを確認したい一頭です。
C評価 アルテクィーン
最終追い切り:函館W5ハロン66秒2-52秒8-40秒0-13秒7、稍一杯
全体時計は速いものの、序盤から気持ちが入りすぎ、終盤は大きく減速しました。
キャリア2戦の経験は他馬に対する強みですが、前半から速くなりやすい函館2歳ステークスで、追い切りと同じように力んでしまうと最後まで脚を残せない可能性があります。
走る気持ちの強さ自体は悪い材料ではありませんが、今回は折り合い面の不安を重く見てC評価としました。
追い切りから注目したい5頭
1位 イモージェン
ブリンカーを着用したことで集中力が増し、直線の反応も明確に良化。僚馬を大きく突き放した最終追い切りは、今回のメンバーでも最上位の内容でした。
2位 ロンドンガーズ
馬の後ろで我慢させ、直線で外へ出してからラスト1ハロン11秒4。逃げ一辺倒ではない競馬を意識した調整ができており、状態も良好です。
3位 シグレ
派手な時計は出していませんが、余力を残したまま併せ馬に先着。前走の疲れがなく、馬体面の成長も感じられる点を評価しました。
4位 セタキト
大きく追走する負荷の高い追い切りから先着。輸送を挟みながらも動きは力強く、前走からの上積みが期待できます。
5位 ダイシンドラゴン
時計以上に操縦性と実戦向きの完成度が魅力。速い流れの中でも折り合いを保ち、好位で立ち回れる可能性があります。
雨と馬場状態で評価が変わる馬
7月16日時点では、レース前日の土曜日から日曜日にかけて雨の可能性が予報されています。開催最終週でもあり、降雨量によっては時計のかかる馬場になることも想定しておきたいところです。
雨で評価を上げたい馬
クロリスは脚の回転が速いピッチ走法で、力の必要な馬場に対応できる可能性があります。芝適性は未知数ですが、道悪になればダート的なパワーが生きる場面もありそうです。
ダイシンドラゴンはフォームと操縦性が安定。荒れた馬場でもバランスを崩しにくそうで、時計勝負よりも持久力を問われる流れはプラスに働く可能性があります。
ダイメイビッグボスもパワーを備えたタイプ。最終追い切りには課題を残しましたが、道悪適性を含めて軽視はできません。
雨で慎重に判断したい馬
ロンドンガーズは素軽いスピードと切れ味が魅力で、陣営も極端に重い馬場は歓迎していません。良馬場から稍重程度なら能力を発揮できそうですが、馬場が大きく悪化した場合は評価を少し下げる必要があります。
イモージェンも鋭い反応が持ち味です。前走と追い切りで見せた瞬発力が、重い馬場でも同じように使えるかは確認が必要です。
函館2歳ステークス2026 最終追い切り診断まとめ
最終追い切りで最も良く見えたのは、イモージェンとロンドンガーズです。
イモージェンはブリンカーを着用した追い切りで集中力と反応が良化。ロンドンガーズは控える競馬を想定しながら、直線で鋭い伸びを見せました。
前走を圧勝したシグレも、時計以上に余裕のある動きが目立ちます。前走時より馬体が成長しており、調整過程に不安はありません。
追い切り内容からの穴候補はセタキトとクロリス。セタキトは負荷の高い追い切りを消化し、クロリスは雨や荒れた馬場が味方になる可能性があります。
一方、ダイメイビッグボスは1週前の動きこそ優秀でしたが、最終追い切りでは手前をうまく替えられず、やや物足りなさを残しました。ただし、これだけで大きく評価を下げる必要はなく、当日の気配を確認したうえで判断したい一頭です。
函館2歳ステークスは、経験の浅い2歳馬が激しい先行争いを繰り広げる難しいレースです。最終的な予想では、枠順、当日の馬場状態、パドックでの落ち着きまで確認して印を決めたいと思います。
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