2026年8月2日、新潟競馬場では夏の名物重賞・アイビスサマーダッシュが行われます。
舞台は日本競馬で唯一となる芝1000メートルの直線コース。単純な最高速度だけでなく、スタート直後からスピードに乗る反応、最後まで走りのバランスを崩さない持続力、馬群の中でも力まず走れる精神面が重要になります。
今回は7月29日を中心に行われた最終追い切りについて、時計、動き、負荷のかけ方、1週前追い切りとのつながり、陣営のコメントを総合的に分析しました。
評価は追い切り内容を中心としたもので、枠順や当日の馬場状態を含めた最終予想とは異なります。枠順確定前のため、千直における外枠・内枠の有利不利は評価に加えていません。
最終追い切り診断の結論
- 追い切り総合トップはピューロマジックとカウスリップ
- 時計の迫力ではウイングレイテストが目立つ
- エコロレジーナ、カウンターセブン、アメリカンステージも好状態
- 穴候補ではミカッテヨンデイイとクムシラコに注目
- テイエムスパーダは実績上位でも最終追い切りに不安が残る
追い切り評価一覧
| 馬名 | 評価 | 最終追い切り | 診断ポイント |
|---|---|---|---|
| ピューロマジック | S | 栗東CW 4F53.4-11.3 | 我慢が利き、余力十分 |
| カウスリップ | S | 美浦W 6F84.1-11.6 | 1週前から完成度が高い |
| ウイングレイテスト | A+ | 美浦W 5F65.7-10.5 | 9歳でも抜群の反応 |
| エコロレジーナ | A+ | 美浦坂路 53.1-12.1 | 活気と推進力が目立つ |
| カウンターセブン | A | 美浦ポリ 5F68秒台 | 馬なりで鋭い反応 |
| アメリカンステージ | A | 栗東坂路 53.0-12.2 | 重い馬場でも安定 |
| クムシラコ | A | 美浦坂路 52.9-12.3 | 前走の好調を維持 |
| ミカッテヨンデイイ | A | 美浦W 5F67.9-11.4 | 反応鋭く併せ馬先着 |
| ビッグシーザー | A- | 栗東坂路 51.8-12.5 | 重馬場で好時計 |
| フロムダスク | A- | 栗東坂路 52.7-12.3 | 時計と加速は良好 |
| アタリダイキチ | B+ | 美浦坂路 56.0-12.3 | 軽めでも終いは反応 |
| バグラダス | B+ | 美浦W 5F67.9-12.1 | 順調だが上積みは平均的 |
| シュラフ | B | 美浦坂路 54.2-13.1 | 1週前に負荷を完了 |
| デュガ | B | 最終時計確認前 | 1週前は軽快な動き |
| ブーケファロス | B | 美浦坂路 56.0-12.3 | 先着も一杯の内容 |
| ベルギューン | C+ | 栗東坂路 56.3-13.0 | 軽めで判断が難しい |
| ロードトレイル | C+ | 栗東坂路 54.2-12.7 | 一杯に追われて遅れ |
| テイエムスパーダ | C | 栗東坂路 55.8-12.7 | 前進気勢と手応えに不安 |
高評価馬の最終追い切り診断
ピューロマジック
4ハロン53秒4-ラスト1ハロン11秒3/馬なり・併入
連覇を狙う昨年の勝ち馬は、今回も申し分のない仕上がりです。
最終追い切りは前を走る僚馬を追走し、道中で我慢させる内容。直線で並びかけてからも必要以上に闘争心を解放せず、余力を残したまま併入しました。
この馬は元々、スピード能力が高すぎるため、力んで走ると自らスタミナを消耗する危険があります。しかし今回は、前の馬を見ながら折り合い、騎乗者の指示に従って加速できていました。
1週前には栗東坂路で4ハロン51秒9を記録しており、そこで十分な負荷をかけています。最終追い切りは速い時計を出すことよりも、精神面と走りのコントロールを確認する内容でした。
昨年の覇者が、昨年以上に完成された形で連覇へ向かいます。追い切りだけなら最上位評価です。
カウスリップ
6ハロン84秒1-ラスト1ハロン11秒6/馬なり・併入
派手な最終時計ではありませんが、1週前から最終追い切りまでの組み立てが非常に優秀です。
1週前追い切りでは美浦Wコースで6ハロン80秒9、ラスト1ハロン11秒4という自己最速級の時計を記録。そこで強い負荷をかけたため、最終追い切りは併せ馬で折り合いと反応を確かめる内容にとどめました。
道中は追走しながら力むことなく、直線でも手綱を動かされないまま僚馬に並びかけています。馬なりで余裕を残しながら11秒6でまとめた点は高く評価できます。
新潟芝1000メートルは、前半から飛ばすだけでは最後に苦しくなります。道中で我慢しながらスピードを維持できる走りは、この舞台に合っています。
格上挑戦でも、調整過程とコース適性を考えれば軽視できません。追い切りから浮上する有力な穴候補です。
ウイングレイテスト
5ハロン65秒7-ラスト1ハロン10秒5/強め
9歳馬とは思えない反応とスピードを見せました。
最終追い切りは美浦Wコースで単走。終い重点の内容ではありましたが、強めに追われると一気に加速し、ラスト1ハロン10秒5を記録しました。
馬場の内側を通ったことは考慮する必要があるものの、これほど鋭い時計を出せる時点で衰えは感じられません。前走の函館スプリントステークスを使った上積みもあり、後肢の緩さが解消してきた点も好材料です。
一方、陣営は前走後に減った馬体の回復を優先しており、今回が完全なピークとは言い切れません。そのためS評価ではなくA+としました。
過去2年のアイビスサマーダッシュで2着、3着。コース実績と今回の反応を考えれば、今年も上位争いが可能です。
エコロレジーナ
4ハロン53秒1-ラスト1ハロン12秒1/強め
時計以上に活気のある動きが印象的でした。
坂路を単走で進み、道中は馬のリズムを大切にした走り。終盤で仕掛けられると素早く反応し、重心を保ったまま最後まで力強く登坂しました。
1週前にも同じ坂路で4ハロン52秒6、ラスト12秒0を馬なりで記録しています。2週続けて安定した時計を出せており、状態面に大きな不安はありません。
新潟芝1000メートルでは3勝を挙げているコース巧者です。夏の高速馬場への対応が課題になりますが、追い切りの活気と推進力は今回のメンバーでも上位に入ります。
枠順と当日の馬場がかみ合えば、重賞でも十分に通用する状態です。
カウンターセブン
5ハロン68秒台/馬なり・併入
安達太良ステークス3着から中2週となるため、最終追い切りでは強い負荷をかけていません。
大きく前を走っていた僚馬を追走し、直線では馬なりのまま差を詰めて併入。時計そのものよりも、反応の速さとスムーズな加速を評価したい内容です。
近走では深いブリンカーを着用したことで、ハミを取り過ぎず、自分のリズムで走れるようになっています。千直では4戦して1勝、3着2回と安定しており、コース適性も十分です。
格上挑戦でも状態は前走以上。枠順次第では馬券圏内に食い込む可能性があります。
アメリカンステージ
4ハロン53秒0-ラスト1ハロン12秒2/馬なり
前日の雨で重くなった坂路を考えれば、時計は十分に合格点です。
単走で派手なアクションは見せなかったものの、馬場の中央を安定したフットワークで登坂。手前もスムーズに替え、ゴールまで脚取りが乱れませんでした。
1週前には坂路で4ハロン52秒7、ラスト12秒1を馬なりで記録し、併せ馬に先着しています。最終追い切りで上積みを求めるというより、1週前の好状態を維持する調整でした。
韋駄天ステークス2着で千直への適性を示しており、近2走の内容からも能力は上位です。
時計の派手さ以上に、体調の安定とフットワークの確かさを評価したい一頭です。
クムシラコ
4ハロン52秒9-ラスト1ハロン12秒3/ゴール前仕掛け
前走の好状態をしっかり維持しています。
最終追い切りは古馬オープン馬ホワイトガーベラを追走。最後はゴール前で仕掛けられ、力強く脚を伸ばして併入しました。
1週前には美浦Wコースで5ハロン67秒2、ラスト11秒5を馬なりで記録し、併せ馬に先着。長めに乗った1週前と坂路で反応を確かめた最終追い切りのバランスが取れています。
深めのブリンカーを着用した前走では、直線競馬以外の1200メートル戦でも好走しました。夏場に状態を上げるタイプでもあり、8歳馬ながら衰えは感じられません。
後半500メートルにかける形なら一発があっても不思議ではありません。
ミカッテヨンデイイ
5ハロン67秒9-ラスト1ハロン11秒4/馬なり・先着
人気薄候補の中では、非常に印象の良い動きを見せました。
併せ馬を追走し、直線では馬なりのまま反応。末強めに追われた僚馬に対して、余力を残しながら0秒2先着しました。
1週前にも美浦Wコースで5ハロン66秒4、ラスト11秒7を記録しており、2週続けて終いまでしっかり動けています。
近走成績だけでは強く推しにくいものの、短距離向きの気性とスピードを持っている馬です。初めての千直で走りが一変する可能性は残されています。
追い切りから拾いたい伏兵。外寄りの枠に入れば、さらに評価を上げたい一頭です。
ビッグシーザー
4ハロン51秒8-ラスト1ハロン12秒5/一杯
重い坂路で4ハロン51秒8を記録した点は高く評価できます。
一杯に追われた内容とはいえ、脚抜きの悪い馬場を機敏な脚さばきで登り切りました。近走で本来の成績を残せていない馬としては、復調の兆しを感じさせる時計です。
今回はブリンカーを着用して、初めての新潟芝1000メートルに挑む予定。過去にブリンカーが効き過ぎた経験はありますが、距離が1000メートルなら前進気勢がプラスに働く可能性があります。
ただし、一杯に追われてラスト12秒5だったため、余力という点では最上位馬に及びません。
能力と時計は上位。千直替わりとブリンカーで新味が出れば怖い存在です。
フロムダスク
4ハロン52秒7-ラスト1ハロン12秒3/強め
重い坂路で52秒7を記録し、終いも12秒3にまとめました。
1週前の坂路では馬なりで53秒1-12秒3。最終追い切りでは全体時計を短縮しながら、ラストのスピードを維持しています。
大きく目立つ材料はないものの、時計の推移は良好です。追われてから大きく失速していない点も、スピード持続力が問われる千直ではプラスになります。
状態面の不安は少なく、枠順とスタート次第で上位進出の余地があります。
中間評価馬の最終追い切り診断
アタリダイキチ
4ハロン56秒0-ラスト1ハロン12秒3/馬なり
中2週のため、最終追い切りは軽めの調整でした。
全体時計は目立ちませんが、ラストは12秒3まで伸ばしており、走る気持ちと反応は確認できています。1週前も馬なりで54秒8だったため、中間を通して強い負荷をかけない調整です。
仕上がり自体に問題はありませんが、重賞で上位評価を与えるには、もう少し迫力のある動きが欲しかったところです。
バグラダス
5ハロン67秒9-ラスト1ハロン12秒1/馬なり
1週前に美浦Wコースで6ハロン81秒8、ラスト11秒4を記録しているため、最終追い切りは単走で整える内容でした。
馬なりで最後までバランス良く走り、体の使い方は1週前より改善。状態は安定しています。
ただし、追い切りだけで強い上昇を感じさせるほどではなく、評価はB+にとどめました。前が速くなり、差しが利く展開になることが好走条件です。
シュラフ
4ハロン54秒2-ラスト1ハロン13秒1/強め・併入
最終追い切りの時計だけを見ると、ラスト13秒1は少し物足りなく映ります。
ただし、1週前には美浦Wコースで6ハロン83秒1、ラスト11秒3を馬なりで記録。早めに放牧から戻し、時間をかけて乗り込んできたため、最終追い切りは調整程度という位置付けです。
新潟芝1000メートルでは高い適性を示しており、追い切り時計だけで大きく評価を落とす必要はありません。
状態は維持できていますが、格上相手に勝ち切るほどの上昇度があるかは慎重に判断したいところです。
デュガ
4ハロン54秒7-ラスト1ハロン12秒3/馬なり
7月30日早朝時点で確認できた公開情報では、最終追い切りの時計が掲載されていないため、暫定評価とします。
1週前は坂路で軽快に動き、馬なりでラスト12秒3を記録。間隔を空けて調整されているため、疲労面の不安は小さそうです。
昨年のアイビスサマーダッシュでは前がふさがる場面があり、能力を出し切れませんでした。最近はスタートも改善しており、千直適性そのものは軽視できません。
最終追い切りの内容が確認できれば、評価を上げられる可能性があります。
ブーケファロス
4ハロン56秒0-ラスト1ハロン12秒3/一杯・先着
併せ馬を追走し、最後は0秒4先着。終い重点の狙い通り、ラストは12秒3まで伸ばしました。
一方、1週前は一杯に追われて併せ馬に遅れており、今回も全体時計は56秒0。先着した結果は評価できますが、手応えと時計の両面で高評価までは与えにくい内容です。
近走ではレース終盤の甘さが見られるため、1000メートルへの短縮がプラスに働くかがポイントになります。
慎重に判断したい馬
ベルギューン
4ハロン56秒3-ラスト1ハロン13秒0/馬なり
最終追い切りは無理をせず、状態を整える程度の内容でした。
暑さによる大きな問題はないとされていますが、1週前も坂路で59秒9と軽く、負荷の強さは控えめです。
今回は初めての芝競走。ダートで培ったスピードが千直で生きる可能性はありますが、追い切りだけでは芝への適性を判断できません。
未知の魅力はあるものの、重賞で積極的に狙うには材料が不足しています。
ロードトレイル
4ハロン54秒2-ラスト1ハロン12秒7/一杯・0秒3遅れ
時計のかかる馬場だった点は考慮できますが、一杯に追われながら併せ馬に0秒3遅れました。
全体時計は極端に悪くないものの、重賞を前にした最終追い切りとしては、追われてからの反応と余力に物足りなさが残ります。
コース適性や枠順で補える可能性はありますが、追い切り評価では強調できません。
テイエムスパーダ
4ハロン55秒8-ラスト1ハロン12秒7/馬なり
過去2年のアイビスサマーダッシュで3着、2着と好走している実績馬ですが、今回は追い切りに不安が残りました。
1週前追い切りでは当初予定していたCWコースへの馬場入りを嫌がり、ダートコースに変更。時計自体は6ハロン80秒3、ラスト11秒9と悪くありませんでしたが、走る方向に気持ちが向いていない点を陣営が課題に挙げています。
最終追い切りも坂路で55秒8-12秒7。速い時計を求めていなかったとはいえ、陣営からは、この時計ならもっと楽な手応えで走ってほしかったという厳しい評価が出ました。
途中の日曜追いではダートコースでラスト1ハロン10秒9を記録しており、能力が衰えたとは言い切れません。しかし、追い切りに対する気持ちと自主的な前進気勢は、好調時ほどではない印象です。
得意舞台だけに完全には消せませんが、追い切りだけなら人気馬の中で最も慎重に扱いたい一頭です。
追い切り評価ランキング
第1位 ピューロマジック S
スピードだけでなく、馬の後ろで我慢できた点を高く評価。1週前に負荷をかけ、最終追い切りでは精神面と反応を確認する理想的な調整です。
第2位 カウスリップ S
1週前に自己最速級の時計を出し、最終追い切りは余力十分。格上挑戦でも状態と千直適性は侮れません。
第3位 ウイングレイテスト A+
9歳馬ながらラスト10秒5。完全なピークではない可能性を考慮しても、反応の鋭さはメンバー上位です。
第4位 エコロレジーナ A+
2週続けて坂路で活気のある動き。千直3勝の適性と現在の状態がうまくかみ合っています。
第5位 カウンターセブン A
中2週でも馬なりでシャープな反応。深いブリンカーの効果も続いており、穴候補として面白い存在です。
追い切りから狙いたい穴馬
カウスリップ
前走の千直で3着に好走し、今回は1週前追い切りで自己最速級の時計を記録しました。最終追い切りでは折り合いと余力も確認できており、格上挑戦でも侮れません。
ミカッテヨンデイイ
併せ馬で余力を残しながら先着。着順だけでは目立ちませんが、追い切りの反応は今回のメンバーでも上位でした。初めての千直で変わる可能性があります。
クムシラコ
前走の好状態を維持し、1週前と最終追い切りの両方で安定した動きを見せました。後半勝負に徹すれば、上位に食い込む余地があります。
最終追い切り診断まとめ
追い切りから最も信頼しやすいのは、昨年の勝ち馬ピューロマジックです。
1週前に坂路でしっかり負荷をかけ、最終追い切りでは馬の後ろで我慢させながら、最後だけ素早く加速。以前よりもスピードをコントロールできるようになっており、前走の函館スプリントステークスを使った上積みも感じられます。
対抗する追い切り注目馬はカウスリップ。格上挑戦ではありますが、1週前の時計と最終追い切りの余力は非常に優秀でした。
ウイングレイテストは9歳でもラスト10秒5を記録し、今年も衰えを感じさせません。エコロレジーナとカウンターセブンも千直適性と現在の状態を考えれば、上位争いに加わる可能性があります。
一方、過去2年連続で好走しているテイエムスパーダは、最終追い切りの手応えと前進気勢に不安が残りました。実績だけで評価を上げず、枠順や当日の気配まで確認したいところです。
アイビスサマーダッシュでは枠順が大きな判断材料になります。今回の追い切り評価を基本にしながら、外枠を引いた馬、スタートの速い馬、当日の馬場状態を組み合わせて最終予想へつなげたい一戦です。
主な確認情報:JRA競馬番組、出走予定馬情報、東西トレセン追い切り時計、各厩舎・騎手・調教担当者コメント。枠順、騎手、出走馬は主催者発表の情報を最終確認してください。
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