2026年8月9日(日)、新潟競馬場で行われるレパードステークス(GIII)。
3歳ダート路線の有力馬が集まる一戦で、今年は青竜ステークスを制したドンエレクトス、ユニコーンステークス2着のメルカントゥール、全日本2歳優駿勝ち馬のパイロマンサーなどが出走を予定しています。
今回は最終追い切りの時計だけでなく、1週前追い切りでの負荷、終いの加速、併せ馬での手応え、夏場の状態、前走からの上積みまで確認し、各馬の仕上がりを診断します。
2026年8月9日(日)
15時35分
新潟競馬場
ダート1800m・3歳
最終追い切り診断で重視したポイント
真夏に行われる3歳限定重賞では、単純に速い時計を出した馬が良いとは限りません。
特に今年のように実績馬と条件戦を勝ち上がってきた馬が混在するメンバーでは、仕上げ方も馬によって異なります。
- 1週前追い切りで十分な負荷をかけられているか
- 最終追い切りで疲労を残さず反応を確認できているか
- 終い1ハロンで減速せず、スムーズに加速できているか
- 併せ馬での手応えや集中力に問題がないか
- 前走時と比較して馬体や動きに上積みがあるか
今回の評価は、あくまで現在の仕上がりを示す調教評価です。競走能力、枠順、展開、馬場適性を含めた最終予想とは分けて考えます。
最終追い切り総合評価
| 評価 | 馬名 | 診断ポイント |
|---|---|---|
| S | ファイアマン | 終い11秒1。馬なりで鋭く伸び、前走以上の気配 |
| A+ | ドンエレクトス | 3頭併せで余力十分。反応と手応えが良好 |
| A+ | タガノアバンドーネ | ラスト1ハロン11秒9。明確な加速を披露 |
| A | テンカムテキ | 長めから追って終い11秒2。操作性も良好 |
| A | パイロマンサー | 1週前に強い負荷。最終も追走先着で態勢整う |
| A | メルカントゥール | 1週前の負荷が秀逸。最終は疲労を残さない調整 |
| B+ | マクリール | 長めから追走同入。終いの反応は合格点 |
| B+ | パラダイスフェイス | 派手さはないが、馬なりで順調な仕上がり |
| B+ | ヒシアムルーズ | 夏場でも馬体を維持。力強さのある走り |
| B | ショウナンバンライ | 時計は標準的だが、動きはスムーズ |
| B | チェリヴェント | 休み明けでも太め感は少なく順調 |
| B | オオツカ | 大きな変化はないが、予定通りの調整 |
| 保留 | オンザムービー | 最終追い切りの詳細確認前。出走確定後に注意 |
有力馬の最終追い切り診断
ファイアマン
今回の最終追い切りで、最も高く評価したい一頭です。
美浦ウッドで6ハロンから時計を出し、ラスト1ハロンは11秒1。全体時計と終いの両方が優秀で、直線では併走馬を楽な手応えのまま引き離しました。
1週前追い切りも馬なりのまま余力を残しており、最終追い切りではさらに反応が良化。陣営からも背腰に力がつき、騎乗した原優介騎手が前走時以上の状態と感じていることが伝えられています。
前走からの成長と上積みが大きく、条件戦を勝ったばかりでも、状態面では重賞実績馬に見劣りません。追い切りから狙いたい上昇馬です。
タガノアバンドーネ
全体時計は速くありませんが、前半を抑えて終いを伸ばす意図が明確な追い切りでした。
ラスト2ハロンを24秒3、ラスト1ハロンを11秒9でまとめており、最後まで減速することなく大きく加速。強く追われて出した時計ではなく、馬なりで反応できている点を高く評価します。
1週前追い切りでもフォームに安定感があり、前走後も状態は順調。陣営も休み明け3戦目でさらに良くなっていると上積みを感じています。
前走は阪神ダート1800メートルの2勝クラスを好位から抜け出して快勝。実戦内容と調教の上昇度が一致しており、勢いを軽視できない存在です。
ドンエレクトス
美浦ウッドで3頭併せを行い、直線では馬群の間から力強く加速しました。
ラスト1ハロンは11秒4。強く追われたわけではなく、手綱を緩めればさらに伸びそうな余裕を残しており、外の併走馬と同入、内のオープン馬には先着しています。
1週前にも古馬オープン馬と併せて負荷をかけられており、間隔が空いた点を感じさせない調整過程です。
気分に左右される面は残るものの、青竜ステークスを制した能力は今回のメンバーでも上位。追い切りでは集中力を保ち、十分に動ける状態へ整っています。
東京ダート1600メートルから新潟ダート1800メートルへの条件変更がポイントになりますが、状態面に関する不安は小さいと判断します。
テンカムテキ
6ハロンからしっかり時計を出し、ラスト1ハロンは11秒2。長めから一定の負荷をかけながら、最後までスピードを落とさなかった点は評価できます。
1週前追い切りでは集中力に若干課題を残しましたが、最終追い切りでは操作性に問題を見せず、騎乗した石川裕紀人騎手も動きを評価しています。
前走の小金井特別は5着でしたが、ダートで崩れにくい安定感があります。時計、負荷、反応のバランスが良く、前走以上の状態で出走できそうです。
パイロマンサー
UAEダービー3着以来となる休み明けですが、乗り込み量は確保されています。
1週前追い切りは栗東ウッドで6ハロン83秒4、ラスト1ハロン12秒0。強めに追われて併走馬を大きく突き放し、海外遠征後としては十分な負荷をかけられました。
最終追い切りは坂路で先行する馬を追走。最後は強めに促されて1馬身ほど先着しました。ラスト1ハロン12秒7という数字は目立ちませんが、もともと調教で鋭く切れるタイプではなく、力強さを確認する内容です。
全日本2歳優駿を制した実績はメンバー上位。海外遠征を経験して馬体にも成長が見られており、暑さへの不安も小さいとされています。
完成度が非常に高いという段階までは断定できませんが、能力を発揮できる態勢には整ったと判断します。
メルカントゥール
最終追い切りのラスト1ハロン13秒1だけを見ると、物足りなく感じるかもしれません。
しかし、1週前追い切りでは栗東ウッドで7ハロンから追われ、65秒3-50秒7-36秒1-11秒2という非常に負荷の高い内容を消化。併走馬を追走して先着しています。
そのため最終追い切りは、速い時計を求めず疲労を残さないことを優先した調整です。坂路で頭を上げず、以前よりも体全体を使えるようになった点も成長材料です。
デビューから4戦して2勝、2着2回。前走のユニコーンステークスでも2着に入り、距離と相手関係に対する裏付けがあります。
最終時計だけで評価を下げる必要はなく、1週前に仕上げ、最終は微調整という理想的な調整過程です。
マクリール
美浦ウッドで併走馬を追走し、直線では内から伸びて同入。6ハロン83秒6、ラスト1ハロン11秒4と、長めから十分な時計を出しました。
もともと調教では派手に動くタイプではありませんが、今回はしまいまで手応えを保ち、この馬なりに反応できています。
前走の小金井特別では2勝クラスを勝利。青竜ステークスでもドンエレクトスの2着に入っており、相手なりに走れる安定感があります。
新潟のコーナーで置かれずに流れへ乗れるかがポイントですが、仕上がり自体は合格点です。
パラダイスフェイス
美浦ウッドで6ハロンから時計を出し、ラスト1ハロン11秒6。全体時計は標準的ですが、馬なりで無理なくまとめています。
前走が7月18日の函館ダート1700メートル戦だったため、強い負荷を追加する必要はありません。レース後の疲れを残さず、状態を維持することを優先した調整です。
急激な良化を示す内容ではないものの、陣営も順調な仕上がりを強調しています。前走の好調を維持していると判断します。
ヒシアムルーズ
美浦ウッドで単走。終い12秒1と切れ味を強調する時計ではありませんが、力強さを保ったまま余裕を持って走れています。
暑い時期でも馬体を維持できており、陣営もほぼ態勢が整ったとの感触。大きな上積みよりも、前走時の状態を保つことに重点を置いた調整です。
前走でダート適性は示しましたが、今回は大幅な相手強化。調教面に不安はなく、重賞でどこまで能力が通用するかを測る一戦になります。
ショウナンバンライ
栗東坂路で単走。全体時計は悪くありませんが、ラスト1ハロン12秒8で、終いに大きく加速した内容ではありません。
ただし、前走が7月12日の八女特別だったことを考えれば、強く負荷をかける必要はなく、状態維持を目的とした調整としては問題ありません。
陣営は動きの良さと左回りへの対応に手応えを示しています。大きな上積みまでは感じませんが、順調な仕上がりです。
チェリヴェント
栗東坂路で4ハロン53秒6、ラスト1ハロン12秒6。大きく目立つ時計ではありませんが、最後まで大きく失速せずまとめています。
休み明けとなるものの、陣営は馬なりでも重さを感じさせず、パワーのある体つきと動きを評価しています。
調教からは久々を大きく割り引く必要はありません。ただし相手関係は一気に強化されるため、仕上がりよりも能力比較が課題です。
オオツカ
最終追い切りは全体時計を抑え、栗東坂路で軽めの調整となりました。
1週前追い切りでは栗東ウッドで7ハロンから負荷をかけられていますが、併走馬にわずかに遅れ、伸びにはもうひと押し欲しい内容でした。
前走から大きく状態を上げた印象はありませんが、前走が7月12日だったため、最終追い切りを軽くしたこと自体は問題ありません。
陣営も大きな変化はないものの順調と説明しており、良い意味で平行線の状態と判断します。
オンザムービー
8月6日朝の段階では、レパードステークスへの登録が確認されていますが、最終追い切りの詳しい時計と出走態勢を十分に確認できていません。
前走は7月25日の札幌ダート1700メートル戦を1分43秒9で勝利。後続を大きく離しており、レース内容には高い評価が必要です。
一方で、前走からレパードステークスまでは中1週となります。出走する場合は直前の気配、輸送後の馬体、出走確定情報を確認したい一頭です。
最終追い切りベスト3
長めから時計を出しながらラスト1ハロン11秒1。前走時以上の反応と力強さがあり、上昇度ではメンバー最上位です。
古馬オープン馬を含む3頭併せで余力十分。気性面の難しさを見せず、実力を発揮できる状態へ仕上がっています。
馬なりでラスト1ハロン11秒9。休み明け3戦目でさらに状態を上げており、勢いと成長力が感じられます。
人気が予想される実績馬の見極め
パイロマンサーは休み明けでも軽視できない
パイロマンサーはUAEダービー以来となるため、休み明けを不安視する見方もあるでしょう。
しかし、1週前追い切りではウッドコースで強い負荷をかけ、最終追い切りでも坂路で追走先着。仕上げ不足を感じさせる調整ではありません。
追い切り評価だけなら最上位ではありませんが、実績と能力を合わせれば、当然有力候補に残すべき一頭です。
メルカントゥールの最終時計は心配不要
メルカントゥールは最終追い切りのラスト1ハロンが13秒1でした。
ただし、1週前に7ハロンから非常に強い負荷をかけています。最終追い切りは疲れを残さないための調整であり、時計の遅さをそのまま状態不安へ結びつける必要はありません。
むしろ夏場に余計な負荷を加えず、体調維持を優先した仕上げとして評価できます。
ドンエレクトスは距離への対応がポイント
最終追い切りの動きに関しては高評価ですが、青竜ステークスの東京ダート1600メートルから、新潟ダート1800メートルへ条件が変わります。
気分良く走れるかどうかも重要なタイプだけに、枠順やレース序盤の位置取りを確認したいところです。
レパードステークス2026・最終追い切り診断まとめ
最終追い切りで最も良く見えたのは、条件戦を勝ち上がってきたファイアマンです。
美浦ウッドで長めから時計を出し、ラスト1ハロン11秒1。前走時より背腰の力強さと反応が増しており、重賞初挑戦でも状態面から注目したい一頭です。
続くのが、余力十分の3頭併せを消化したドンエレクトスと、終い11秒9の鋭い加速を見せたタガノアバンドーネです。
実績上位のパイロマンサーは海外遠征後でも十分な負荷をかけられており、休み明けを過度に心配する必要はありません。
メルカントゥールは最終時計こそ控えめですが、1週前追い切りの内容が非常に濃く、予定通りの調整と判断できます。
追い切りからは、ファイアマンの上昇度、ドンエレクトスの完成度、タガノアバンドーネの勢いが目立ちました。最終予想では枠順、馬場状態、先行馬の並びを加え、各馬の評価を固めたいところです。
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