菊花賞2026
アルテミスS
良血2歳馬
2026年10月25日、京都競馬場で行われた菊花賞。史上9頭目の牡馬三冠を目指したロブチェンは14着に敗れました。その一方で、武豊騎手のゴーイントゥスカイが勝利。父コントレイルにとって産駒初のGⅠタイトルを届けました。
翌年以降のクラシックを占う2歳戦でも、コントレイル産駒ダノンカンタービレがデビュー勝ち。アルテミスステークスではモーリス産駒プルヴィナルが無傷の2連勝で重賞初制覇を果たしました。
今回は、週末の結果を振り返るだけでなく、勝因・敗因、血統背景、事前予想の検証、次走への期待まで掘り下げます。
- 菊花賞:ゴーイントゥスカイがハナ差で優勝。コントレイル産駒GⅠ初制覇。
- アルテミスS:プルヴィナルが稍重馬場を克服し、デビュー2連勝。
- 新馬戦:ダノンカンタービレ、ノヴァルクスが来年のクラシックに向けて好発進。
今週の重賞結果一覧
| レース | 1着 | 2着 | 3着 |
|---|---|---|---|
| 菊花賞 GⅠ |
ゴーイントゥスカイ | バステール | ダノンヒストリー |
| アルテミスS GⅢ |
プルヴィナル | ローズサルーテ | シティオブドリーム |
菊花賞2026|ゴーイントゥスカイが最後の一冠を制す
良馬場
3番人気
勝ち時計 3分04秒5
1着:ゴーイントゥスカイ(武豊騎手)
2着:バステール(川田将雅騎手)ハナ差
3着:ダノンヒストリー(C.ルメール騎手)1馬身差
3連複:8,580円/3連単:113,300円(100円あたり)
雨の影響が心配されていた今年の菊花賞ですが、JRAの公式発表は良馬場。道悪への対応が最大の焦点の一つだった事前予想とは、実際の条件が異なりました。
レースはキンググローリーが後続を大きく引き離して逃げる展開。その後ろで各馬が折り合い、最後の直線で勝負が決まりました。
中団の内でじっくり脚を温存したゴーイントゥスカイは、直線で進路が開くと鋭く反応。後方から追い込んできたバステールをハナ差で退け、クラシック最後の一冠をつかみ取りました。
ゴーイントゥスカイ|武豊騎手の判断が光った
母父Tapit
上がり35秒4
ゴーイントゥスカイの血統
父:コントレイル
母:ゴーイントゥザウィンドウ
母父:Tapit
今回の勝因として最も大きかったのは、長丁場で無駄な脚を使わなかったことだと考えます。
ゴーイントゥスカイの通過順位は9-9-7-7。勝負どころで大きく外を回して位置を押し上げるのではなく、内で折り合いながら直線の勝負に備えました。
武豊騎手もレース後、内側で折り合いがつき、進路が開くまで待って追い出したという趣旨のコメントを残しています。
京都芝3000mは、スタミナだけでなく、仕掛けのタイミングとコース取りも重要です。武豊騎手は今回、必要以上に早く動かず、最後の直線に勝負を託しました。
日本ダービーでは上がり32秒8を記録し、ロブチェンと0秒1差の4着。もともと世代上位の末脚を持っていました。今回はその能力を3000mの舞台で発揮できるよう、道中の消耗を抑えたことが勝利につながったと見ています。
コントレイル産駒、ついにGⅠ初制覇
父コントレイルは、無敗で牡馬クラシック三冠を制した名馬です。その初年度産駒が菊花賞を勝ったことには、特別な意味があります。
コントレイル自身は皐月賞、日本ダービー、菊花賞を制覇。そして息子ゴーイントゥスカイが、父と同じ京都芝3000mのクラシックでGⅠ初勝利を挙げました。
もっとも、今回の結果だけでコントレイル産駒全体が長距離向きだと判断することはできません。
母父Tapitは米国の有力種牡馬。スピードやパワーの要素を持つ母系と、父コントレイルの能力がどのように組み合わされたのか。加えて、ゴーイントゥスカイ自身の折り合いの良さや競走能力も重要でしょう。
長距離適性を血統表だけで決めつけず、実際の走りと合わせて判断したいところです。
ゴーイントゥスカイは青葉賞に続く重賞2勝目。日本ダービー4着に加えて菊花賞を制したことで、トップレベルの実績を積み上げました。今後は距離やコース条件が変わっても高いパフォーマンスを発揮できるか注目します。
武豊騎手にとっては菊花賞6勝目。上原佑紀調教師にとってはJRA・GⅠ初勝利となりました。
ロブチェン14着|三冠の夢はなぜ途絶えたのか
14着
上がり36秒7
通過順位:12-12-8-5
勝ち馬との差:1秒3
皐月賞と日本ダービーを制したロブチェン。秋初戦の神戸新聞杯も勝ち、史上9頭目の三冠達成が期待されていました。
しかし、結果は14着。筆者も本命に推していただけに、非常に残念な敗戦でした。
敗因① スタートで後手を踏んだ
最大の誤算はスタートです。
松山弘平騎手はレース後、ゲートが開く直前に馬が立ち上がるような動きを見せ、出遅れてしまったと説明しています。
本来はある程度の位置を取り、持続力を生かした競馬をしたかったものの、想定とは違う位置からの競馬になりました。
ただし、スタートの失敗だけで14着を説明できるわけではありません。
敗因② 早めに進出したことで負担が増えた
ロブチェンは後方から徐々に進出し、4コーナーでは5番手まで位置を上げました。
勝ちにいくための積極的な判断でしたが、長距離戦では早い段階から脚を使うと、最後の直線で余力を残せないことがあります。
今回も勝負どころで外から他馬に来られる場面があり、松山騎手はバランスを崩した可能性に言及しています。
敗因③ やはり3000mは長かったのか
杉山晴紀調教師はレース後、最終的には距離の壁があったと受け止める趣旨の見解を示しました。
皐月賞の2000m、日本ダービーの2400mを勝った実績は確かですが、さらに600m長い菊花賞では求められる適性が変わります。
今回はスタートと道中の不利な流れも重なっており、距離だけを唯一の敗因と断定するのは適切ではありません。それでも、直線で脚が鈍った事実は、今後の距離選択を考えるうえで重要な材料になります。
菊花賞の14着は重い結果です。しかし、春の二冠を制した実績まで否定されるものではありません。今後は2000~2400m前後の中距離戦で、改めて能力を見せてほしいと思います。次走の予定や距離選択については、陣営の正式発表を確認したいところです。
バステール|ハナ差2着も内容は勝ち馬級
父キタサンブラック
上がり34秒9
通過順位:16-16-16-12
今回、勝ち馬と同じくらい高く評価したいのがバステールです。
道中は後方16番手付近。4コーナーでも12番手という厳しい位置から追い込み、ゴーイントゥスカイにわずかハナ差まで迫りました。
上がり3ハロンは34秒9。菊花賞の出走馬の中で最速の末脚を記録しました。
父はキタサンブラック、母はマンビア、母父はAldebaran。父は自身も菊花賞と天皇賞・春を制した長距離GⅠ馬です。
バステールは日本ダービーでも3着に好走していました。前走セントライト記念の結果を重視しすぎず、春のGⅠ実績をもっと評価するべきだったと感じます。
今回の末脚は展開の助けがあったとしても見事でした。3000mで結果を残したことは大きな収穫で、中長距離重賞で引き続き注目したい存在です。
3着以下にも見逃せない好走馬
ダノンヒストリー(3着)
芝2600mの実績を持って臨んだ一戦。ルメール騎手とのコンビで好位から進出し、勝ち馬から1馬身差の3着に踏みとどまりました。GⅠでも通用する力を示したと評価できます。
サノノグレーター(4着・14番人気)
4コーナー16番手から上がり35秒0で追い込み、上位に食い込みました。人気以上の内容で、今後も展開が向けば面白い存在です。
シートゥサミット(5着・12番人気)
道中2番手を進み、最後まで粘り込みました。後方から追い込んだ馬だけでなく、前で厳しい流れを受けた馬も評価したいところです。
ショウナンハヤナミ(6着・10番人気)
4コーナー14番手から追い上げました。最終予想では印を外しましたが、距離適性を評価した当初の見方には一定の根拠があったと考えます。
アルテミスS2026|プルヴィナルが無傷の2連勝
稍重
GⅢ
勝ち時計 1分35秒8
1着:プルヴィナル(1番人気)
2着:ローズサルーテ(10番人気)
3着:シティオブドリーム(3番人気)
10月24日の東京競馬場は雨。芝は稍重となり、2歳牝馬にとって簡単ではない条件で行われました。
優勝したプルヴィナルはルメール騎手とのコンビで好位を確保。4コーナー2番手から直線で先頭に立ち、そのまま押し切りました。
プルヴィナル|モーリス産駒の新たな期待馬
血統構成
父:モーリス
母:クルミナル
母父:ディープインパクト
上がり3ハロン:34秒6
通過順位:4-2
母クルミナルは桜花賞2着、オークス3着の実績馬。半姉ククナもアルテミスSで2着に好走した良血です。
父モーリスのスピードと持続力、母系の中距離適性を考えると、今回の東京マイルでの勝利は非常に興味深い結果です。
特に評価したいのは、単に最後の末脚が速かったのではなく、早めに前へ進出して自分から勝ちにいったことです。
稍重馬場でこの競馬ができたことは強みですが、今後は良馬場で極限の瞬発力勝負になった場合にも対応できるかを確認したいところです。
ローズサルーテ|10番人気の2着は見逃せない
ローズサルーテは道中後方で脚を温存し、直線で上がり34秒1を記録。勝ち馬から1馬身4分の1差まで迫りました。
人気薄ながら、メンバー最速の上がりを繰り出した点は高く評価できます。
道悪への対応力を含めて、次走以降の再現性を確認したい一頭です。
シティオブドリーム|重賞3着をどう評価するか
筆者が最終予想で本命にしたコントレイル産駒シティオブドリームは3着でした。
道中2番手付近で運び、4コーナー4番手。直線でも脚を伸ばしましたが、プルヴィナルとローズサルーテには及びませんでした。
勝ち馬との差は2馬身半。重賞でも通用する能力は見せましたが、今回は勝ち馬の完成度が一枚上だったと見ています。
まだ2歳秋。今回の敗戦だけで大きく評価を下げる必要はありません。今後、馬場や展開が変わったときにどれだけ走れるか注目します。
母リスグラシューの良血馬リスグロワールは2番人気に支持されながら8着。新馬戦の鋭い末脚は魅力でしたが、今回は稍重馬場で同じパフォーマンスを発揮できませんでした。馬場、ペース、相手関係の変化を含め、次走で改めて見直したいところです。
アルテミスSでは、コントレイル産駒だけでなく、モーリス産駒プルヴィナルの完成度と将来性にも強い印象を受けました。
良血新馬戦|コントレイル産駒が存在感を示す
今週の新馬戦も、来年のクラシックを楽しみにするうえで見逃せない内容でした。
特に注目したのは、菊花賞と同じ日に行われた京都5Rの芝1800m戦です。
ダノンカンタービレ|3億円ホースが堂々のデビュー勝ち
1番人気・1着
京都芝1800m
血統構成
父:コントレイル
母:カレドニアロード
母父:Quality Road
勝ち時計:1分52秒0(稍重)
上がり3ハロン:34秒0
騎手:岩田望来/厩舎:福永祐一
ダノンカンタービレは、2024年のセレクトセール当歳市場で3億円(税抜)で取引された期待馬です。
母カレドニアロードは米国のGⅠ勝ち馬。父コントレイルとの配合は、競走能力だけでなく繁殖背景からも注目されています。
レースでは3番手付近から進み、直線で抜け出して1馬身4分の1差の勝利。初戦から安定したレース運びを見せました。
ただし、今回は8頭立ての新馬戦。次走では多頭数や速い流れにも対応できるかが重要になります。
同じ10月25日に、3歳のゴーイントゥスカイが菊花賞を勝ち、2歳のダノンカンタービレがデビュー勝ち。コントレイル産駒の現在と未来を感じさせる一日になりました。
ノイエルング|クロノジェネシスの娘は2着
京都5Rで2着となったのは、名牝クロノジェネシスの娘ノイエルングです。
父サートゥルナーリア、母クロノジェネシス、母父バゴという魅力的な血統構成。1番人気ダノンカンタービレには敗れましたが、勝ち馬と同じように好位で運び、最後までしっかり走りました。
初戦は1馬身4分の1差の2着。悲観する内容ではなく、次走での初勝利を期待したいと思います。
ゴールデンプロミス|コントレイル産駒が3着
同じレースでは、父コントレイルのゴールデンプロミスも3着に入りました。
勝ち馬ダノンカンタービレとは差がありましたが、良血馬同士の初対戦で3着を確保したことは今後につながる結果です。
一方、同じコントレイル産駒のサイモングレイスは7着でした。今後の成長による変化を見守りたいところです。
| 京都5R | 馬名 | 父 |
|---|---|---|
| 1着 | ダノンカンタービレ | コントレイル |
| 2着 | ノイエルング | サートゥルナーリア |
| 3着 | ゴールデンプロミス | コントレイル |
| 7着 | サイモングレイス | コントレイル |
ノヴァルクス|エフフォーリア産駒も快勝
10月25日の東京5R・芝1800mでは、エフフォーリア産駒ノヴァルクスが1番人気に応えて勝利しました。
父エフフォーリア、母ブランノワール、母父ロードカナロアという血統。後方12番手から上がり33秒9の末脚を繰り出し、2着馬に1馬身半差をつけました。
後方からの競馬だったため、今後は位置取りが課題になる可能性もあります。しかし、初戦からこれだけの脚を使えたことは魅力的です。
エフフォーリア産駒についても、今後の成長と芝中距離での活躍を追いかけたいと思います。
東京の新馬戦|フェニックスロールは4着
土曜の東京芝1600mでは、ダノンスマッシュ産駒リラノヴァが勝利。コントレイル産駒フェニックスロールは1番人気で4着、プレイヤは10着でした。
コントレイル産駒は菊花賞や京都の新馬戦で結果を残した一方、すべての期待馬が順調に勝ち上がったわけではありません。
血統の魅力は大切ですが、実際の競走能力は一頭ずつ見極める必要があります。
今週の最終予想を検証|評価できた点と反省点
競馬予想は、結果が出た後に都合の良い部分だけを評価してはいけません。
今週も、事前に公開した最終予想と実際の着順を比較します。
菊花賞|対抗が優勝も本命は14着
| 予想印 | 馬名 | 結果 |
|---|---|---|
| ◎ | ロブチェン | 14着 |
| ○ | ゴーイントゥスカイ | 1着 |
| ▲ | ジャスティンシカゴ | 10着 |
| ☆ | ダノンヒストリー | 3着 |
| △ | エムズビギン | 13着 |
| △ | コンジェスタス | 8着 |
| △ | アウダーシア | 9着 |
ゴーイントゥスカイについては、前走セントライト記念6着だけで評価を下げず、日本ダービーで見せた末脚を重視したことが正しい判断につながりました。
一方、本命ロブチェンは14着。事前に公開した3連複の軸もロブチェンとゴーイントゥスカイだったため、掲載買い目は不的中です。
反省すべきは、バステールを無印にしたことです。日本ダービー3着という実績がありながら、前走内容を含めて評価が下がっていました。
今回の結果を見ると、長距離適性に対する先入観や、前哨戦の着順に引っ張られすぎていなかったかを見直す必要があります。
対抗馬の勝利は収穫でしたが、馬券につながらなかったことも事実です。次回は本命馬の不安材料をより厳しく確認するとともに、GⅠで実績のある馬を安易に軽視しないようにしたいと思います。
アルテミスS|▲プルヴィナルが優勝
| 予想印 | 馬名 | 結果 |
|---|---|---|
| ◎ | シティオブドリーム | 3着 |
| ○ | リスグロワール | 8着 |
| ▲ | プルヴィナル | 1着 |
| ☆ | タプティ | 5着 |
| △ | ピコベリー | 11着 |
| △ | ジーティーキャリー | 10着 |
プルヴィナルを▲に評価できたことは良かったものの、本命シティオブドリームは3着でした。
また、10番人気で2着に入ったローズサルーテについて、事前記事では道悪が進む場合に警戒すべき馬として触れていました。
それでも最終的な予想印には加えておらず、公開した買い目は不的中でした。
雨の2歳牝馬戦では、血統や新馬戦の末脚だけでなく、馬場適性、先行力、レース運びの完成度をより重視する必要があると感じます。
次走以降も注目したい5頭
| 馬名 | 今回 | 次走の注目点 |
|---|---|---|
| ゴーイントゥスカイ | 菊花賞1着 | 中長距離GⅠでの再現性 |
| バステール | 菊花賞2着 | 長距離でも発揮した末脚 |
| プルヴィナル | アルテミスS1着 | 良馬場の瞬発力勝負への対応 |
| ダノンカンタービレ | 新馬1着 | 多頭数・上級条件での競走能力 |
| ノヴァルクス | 新馬1着 | 位置取りと末脚の再現性 |
総括|コントレイル産駒の未来が楽しみになった週末
2026年の菊花賞は、ロブチェンの三冠達成という歴史的瞬間を見ることはできませんでした。
しかし、その一方でゴーイントゥスカイが父コントレイルに産駒初のGⅠ勝利を届けました。三冠馬の血が、次の世代でクラシックの頂点に立ったのです。
さらに2歳世代でもダノンカンタービレがデビュー勝ち。シティオブドリームも重賞3着に入り、コントレイル産駒の活躍が広がってきました。
もちろん、モーリス産駒プルヴィナル、エフフォーリア産駒ノヴァルクス、サートゥルナーリア産駒ノイエルングなど、他の種牡馬からも楽しみな馬が登場しています。
今後も一頭一頭の競走内容を見ながら、血統の可能性と来年のクラシック戦線を追いかけたいと思います。
三冠の夢は途絶えましたが、新たなGⅠ馬が誕生し、次の世代にも期待が膨らみました。コントレイル産駒にとって、2026年10月25日は大きな節目となる一日だったと思います。
関連記事|レース前の評価も振り返る
参考資料・レース結果
※2026年10月25日時点の公開情報を基に作成。着順・時計・通過順位はJRA公式結果に基づきます。血統や今後の可能性に関する評価は筆者の考察であり、次走予定や将来の成績を保証するものではありません。
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